IT技術の進歩により、膨大で多様なビッグデータ活用が、科学分野や医学分野のみならずビジネス界でも進んでいます。
さらに近年では、一つの領域だけでなく、幅広い領域で蓄積した様々なビッグデータを組み合わせて活用するマルチビッグデータが話題です。
この記事では、マルチビッグデータについて、どのような形で成果をあげているのか事例をあげながら解説します。
また、Yahoo!JAPANが提供するビッグデータを活用したサービスについても、あわせて確認してください。
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目次
マルチビッグデータとは
マルチビッグデータとは、複数の領域のビッグデータを組み合わせたものをいいます。
ビッグデータとは何か、そしてビッグデータを組み合わせたマルチビッグデータがどのようなものかを簡単に解説します。
ビッグデータとは
ビッグデータとは、様々な形式で多様な性格を持つ膨大なデータ群のことをいいます。
社会がデジタル化していくことで様々なデータが爆発的に増加していますが、サーバーの大容量化が進んだことで、そのデータの保管が可能になりました。
このように蓄積された膨大なデータを使って、新たな価値を生み出すことが期待されています。
ビッグデータが活用されている分野として、医療、農業、気象などが知られていますが、近年ではビジネスにおいても成果をあげた事例が数多くあります。
マルチビッグデータとは
通常、ビッグデータは1つの領域で蓄積されたデータを活用するのが基本的な利用法ですが、複数の領域のビッグデータを組み合わせたものを、マルチビッグデータといいます。
近年、ビッグデータを解析する手法が進化し、新たなツールが開発されたことで、マルチビッグデータを手軽に活用できる環境が整ってきました。
マルチビッグデータにはどのような価値があるのか
ビッグデータによって生まれる価値とは何か、またビッグデータを組み合わせたマルチビッグデータとなることでどのように価値が変化するのかを解説します。
ビッグデータの価値
これまでは、限られた範囲の経験や前例がベースとなって予測を立てたり、改善をしたりしてきました。
それに対して、ビッグデータという多様で膨大なデータを基に仮説検証をしていくことで、今までになかったアプローチが可能になっています。
ビッグデータは膨大な過去のデータの蓄積のため、そこに一定の規則性や傾向が現れていれば、将来の予測や分析の精度向上に大いに役立ちます。
ビッグデータを組み合わせることで生まれる価値
ビッグデータを活用する際に、かつては一つの領域のデータを基に分析をすることが主流でした。
例えば気象に関するビッグデータは、天気予報や災害発生などに活用されるのが通常のケースでした。
そこで、例えば人流や店舗売上といったほかの領域のビッグデータを組み合わせることで、違った角度から精度の高い分析や予測ができるようになります。
一つの領域のデータだけではわからなかったことが、他領域のデータを組み合わせて分析すると見えてくることがあるでしょう。
マルチビッグデータの活用事例
マルチビッグデータをビジネスでどのように活用できるのか、事例から確認しましょう。
Webマーケティング
ECサイトでは、サイト内におけるユーザーの挙動に関する様々なデータを取得しています。
検索したキーワード、クリックした記事内容の傾向、ページ内での滞在時間、離脱したページといったデータと、これまでの購入履歴などの顧客情報のデータを組み合わせることで、ユーザーそれぞれに最適なおすすめ商品の表示できるようにになりました。
その結果、ユーザーが興味を示す確率が高まり、単に購入履歴でおすすめするよりも購入につながるケースが増え、売上アップに貢献しています。
小売販売の仕入
小売店では購入された商品の膨大なPOS情報を蓄積して、売れ筋やトレンドなどを分析しています。
この自社情報に、その日の気象データや店舗近辺の人の位置情報といったビッグデータを組み合わせ、気候条件や時期によって売れる商品を予測し、店舗に置くようにしたところ、売上を伸ばすことに成功しました。
新商品開発
顧客からの声や市場調査をもとに企画、材料調達、製造、販売と進めていくこれまでの商品開発の流れでは、市場の変化への対応が遅れることがありました。
そこで、販売データや市場トレンド等のビッグデータを活用した予測を基にして製造体制を構築することで、スピーディーな商品開発からスムーズな市場投入が可能になりました。
セールスプロモーションについては「セールスプロモーションとは?成功・失敗事例を元に戦略を解説!」を参照してください。
マルチビッグデータのメリット
マルチビッグデータのビジネスへの活用にはどのようなメリットがあるのか、詳しく確認しましょう。
正確に現状を把握できる
マルチビッグデータの活用で、正確に現状を把握できるでしょう。
自社で取得するデータは、ある一面をとらえたものとしては有効ですが、それだけでは不十分なケースが少なくありません。
様々なビッグデータと組み合わせて分析することで、より正確に現状を把握できるようになります。
なお、「どのデータを組み合わせるとより精度が上がるのか」という仮説を立てて検証を繰り返していくと最適なマルチビッグデータ取得につながります。
将来の予測に活かせる
マルチビッグデータは、様々な条件の変化と販売データを組み合わせることで傾向を抽出し、その条件が発生するケースに合わせて準備をするなど、将来の予測に活用できます。
これまで俗人的な経験や感覚をもとに予測を立てていたものが、多様で大量なデータを分析することで、より精度の高い予測ができるようになってきています。
ニーズ分析や商品開発に活かせる
購入につながったデータだけでなく、購入に至らなかったデータや、商品購入前後の行動データなどを分析することでニーズの変化を掴み、改善のアイディアを得られるでしょう。
ユーザーの行動データには多くのヒントが含まれており、そこから何を導き出すかが商品開発に必要でした。
マルチビッグデータを分析するツールが進歩したことで、専門のスタッフがいない企業でも手軽に分析ができるようになってきています。
なお、おすすめのEC戦略については「売り上げが変わる!?おすすめのEC戦略を解説」を参照してください。
「マルチビッグデータカンパニー」Yahoo! JAPANの取り組み
月間約8,600万人が利用し、100以上のサービスを提供するYahoo! JAPANは、自社を「マルチビッグデータカンパニー」と称しています。
ここでは、Yahoo! JAPANでどのようにマルチビッグデータを活用しているかを解説し、Yahoo!JAPANが公開するマルチビッグデータを用いた新しいサービスもあわせて紹介します。
Yahoo!JAPANの持つ膨大なデータ
Yahoo!JAPANは、検索や広告事業を中心として、100を超える様々なサービスを提供しています。
月間790億PVのアクセスデータを保有し、このビッグデータを事業の運用や新たなサービスの開発に利用しています。
Yahoo!JAPANが保有するビッグデータは、まさに日本国民全体の動きや嗜好を凝縮したものであり、非常に価値が高いでしょう。
部署を超えたデータ活用
Yahoo!JAPANにおいて、以前はこのビッグデータが部署ごとの利用にとどまっており、検索は検索、広告は広告と、他の部署との連携は全くない状態でした。
しかし、貴重なデータをもっとうまく活用すればさらに事業のプラスになると考え、2012年にデータソリューション本部を立ち上げて、部署を超えたデータ活用を進めました。
ユーザーの嗜好に合わせた広告やサービスが表示される精度が高まったことで、サイト内で回遊する時間が大幅に増えています。
その結果広告の露出が大幅に増えて、売上にも大きな影響がありました。
Yahoo!JAPANの提供するマルチビッグデータサービス
Yahoo!JAPANは、日本で一番ビッグデータを保有している企業といっても過言ではありません。
社内での有効活用を進める一方で、社会生活の改善にも役立てたいと考え、兵庫県神戸市、岡山県笠岡市などの自治体にもデータを提供するようになりました。
単にデータを渡すだけでなく、活用のノウハウや分析ツールを提供し、ビッグデータを行政サービスに活かすサポートをしています。
そして2019年からは、パッケージ化したサービスとして、外部企業向けにマルチビッグデータを提供する事業を始めました。
このサービスを導入することで、契約企業はYahoo!JAPANが保有する様々なビッグデータを自社の目的に利用できます。
自社で人材やシステムを保有する必要がなく、手軽な形で精度の高い様々なビッグデータを利用できるようになるので、大きな話題となりました。
サービスはいくつかのパッケージとなっていますが、その中から代表的なものの内容を紹介します。
DS. INSIGHT People
DS. INSIGHT Peopleは、Yahoo!JAPANの検索データをもとに、消費者の検索動向を分かりやすく可視化するサービスです。
検索ボリュームの動向だけでなく、検索者の属性を分析したり、特定のキーワードの前後で調べられているキーワードを可視化したりするなど、消費者の興味関心動向が分かります。
特定のキーワードの時期ごとの検索数の動向を簡単にグラフで表示ができ、季節ごとのマーケティング施策に利用可能です。
検索キーワードに関連したキーワードの候補を抽出し、ランキング表示することでターゲット層のペルソナ設定に使う作業が、専門家でなくても直感的にできるようになっています。
DS. INSIGHT Place
DS. INSIGHT Placeは、Yahoo!JAPANの位置情報・検索データから『特定エリアの生活者情報』や『店舗・施設の来訪者情報』を可視化するサービスです。
店舗ごとの来店頻度や来店者の住居エリアなどの商圏分析が地図上で簡単にでき、分かりやすく可視化されます。
DS. INSIGHT Persona
DS. INSIGHT Personaは、Yahoo!JAPANのビッグデータから、ターゲットとなる顧客のライフスタイルや興味関心を把握し、詳細な人物像を可視化します。
ターゲット層の基本的な属性を選択、入力してボタンをクリックするだけで、興味関心事項を度合いに応じてランキング形式で表示したり、さらに絞り込みをかけたりする作業が簡単にできて便利です。
また国内での分布状況や関連するキーワード等も表示できるため、新しいターゲット像の発見にも活用できます。
その他のサービス
Yahoo! JAPANは、その他にもマルチビッグデータを活用するサービスを提供しています。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
DS.ANALYSIS | Yahoo!JAPANが提供しているマルチビッグデータをデータアナリストが分析し課題解決をサポート |
DS.DATASET | Yahoo!JAPANのビッグデータを分析テーマごとに集計して提供 |
DS.API | 自社の分析環境にYahoo!JAPANの検索ビッグデータを連携 |
マルチビッグデータをビジネスに活用しよう
技術や機材の進歩によって、ビッグデータが身近なものとなってきています。
事業においては、マルチビッグデータを活用することで、今まで以上に精度が高い予測に基づいた施策が可能です。
かつてはマルチビッグデータを運用するにはノウハウやツールが必要であり、中小企業には導入が難しいと考えられてきました。
しかし、Yahoo!JAPANが提供しているマルチビッグデータサービスは、比較的低コストで導入でき、運用の仕方について相談も可能です。
また、自社にある既存のチラシなどを簡単に動画化してYahoo! JAPANのサイト上やCMとして展開が可能な「チラシビジョン」が注目されています。
商品のニーズに合わせたさまざまなパッケージを選択が可能で、TwitterやInstagramなど5つの媒体から希望に合ったものを選択可能です。
「チラシビジョン」の詳細はこちらからご覧いただけます。
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