- Web広告のCPA(顧客獲得単価)が高騰し、思うような効果が出ない。
- マス広告もターゲットに届きにくくなっている。
上記のような課題を感じているマーケティング担当者の方は多いでしょう。
次の一手として注目したいのが、特定のターゲット層へ深き、ダイレクトにアプローチできる「会員誌広告」です。
本記事では、会員誌広告の基礎知識からWeb広告にはないメリット、具体的な料金相場、媒体選定方法までを解説します。
記事内容を参考にしつつ、会員誌広告を次期マーケティング戦略の選択肢として具体的に検討してみてください。
また弊社では、雑誌広告の種類や効果、おすすめの雑誌を業種別に紹介しています。
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会員誌広告とは

会員誌広告は、一般的な雑誌広告とは少し異なり、特定のコミュニティに属する人々に向けて発信される、クローズドな広告手法です。
ここからは会員誌広告の基本的な定義と、会員誌の種類について解説します。
会員誌広告の定義
会員誌広告とは、特定の団体や企業がその会員のためだけに発行する雑誌や会報誌に掲載される広告のことです。
会員はクレジットカードの保有者、特定の商品の購入者、あるいは同じ趣味を持つ仲間など、何らかの共通点で結ばれています。
そのため、広告主は不特定多数ではなく、自社の製品やサービスに関心を持つ可能性が極めて高い層に直接アプローチできるのが最大の特徴です。
会員誌は月刊や季刊など定期的に会員の手元に届くため、読者と繰り返し接点を持てることも特徴です。
会員誌広告と一般的な商業雑誌広告の違い
会員誌広告と一般的な商業誌広告の主な違いは、以下の3点です。
比較項目 | 会員誌広告 | 一般的な商業雑誌広告 |
読者層の明確さ | 年齢、年収、職業、趣味などが明確 | 幅広い層が混在し、詳細な属性は不明確 |
読者のロイヤリティ | 媒体への信頼度や所属意識が高く、広告内容も信頼されやすい | 媒体への関心度はさまざまで、広告は読み飛ばされることも多い |
流通経路 | 会員の自宅や職場へ直接送付されるため、確実に手元に届く | 書店やコンビニでの販売が主で、必ずしもターゲットに届くとは限らない |
会員誌広告は誰に届くかが明確で、読者との間に信頼関係が築かれている点が大きな違いといえます。
会員誌広告の種類
会員誌と一言でいっても、その種類は多岐にわたります。
自社のターゲット顧客がどのようなコミュニティに属しているかを想像しながら、代表的な種類を見ていきましょう。
媒体の種類 | 主な読者層(ターゲット) | 特徴 |
クレジットカード会員誌 | 富裕層、高所得者、経営者 | 高価格帯の商品・サービスとの親和性が非常に高い |
通販カタログ誌 | 特定のブランドや商品の購入者 | ライフスタイルや価値観が似ており、購買意欲が高い |
業界団体誌 | 医師、弁護士、経営者などの専門職 | 専門性の高いBtoB商材や関連サービスに適している |
ファンクラブ会報誌 | 特定のアーティストや趣味のファン | 趣味やエンターテイメント関連の商材との相性が良い |
大学同窓会誌 | 特定大学の卒業生 | 学歴や出身地といった共通項でセグメントできる |
これらのほか、互助会やクリニックなどが発行する会員誌も存在します。
会員誌広告のメリット

ここからは、他の広告手法にはない会員誌広告の5つのメリットを解説します。
無駄なくリーチできる
会員誌広告最大のメリットは、その圧倒的なターゲティング精度です。
会員になる際には個人情報が登録されているため、媒体側は読者の年齢、年収、性別、居住地といった属性を正確に把握しています。
そのため、広告主は自社の商品・サービスのターゲット層と合致する読者を持つ媒体を選ぶだけで、広告の無駄打ちを最小限に抑えられます。
信頼性が高い
会員誌を読む会員は、基本的にその団体や企業に対して高い信頼や愛着(ロイヤリティ)を持っています。
その信頼感は、会員誌に掲載されている情報や広告にも自然と波及します。
信頼性の高い媒体に自社の広告が掲載されることで、商品やサービスだけでなく、企業自体のブランドイメージや社会的信用の向上にもつながるのです。
正確な効果測定が可能
Web広告では表示回数(インプレッション)で効果を測りますが、実際にユーザーに見られているかは定かではありません。
一方、会員誌は会員数に基づいて発行され、自宅や職場に直接届けられます。
つまり、「発行部数」がほぼそのまま「広告が届いた人数(リーチ数)」となり、広告効果を正確に把握しやすいのです。
保存性が高い
デジタル広告が一瞬で消費されるのに対し、紙媒体である会員誌は物理的に手元に残ります。
すぐに捨てられることは少なく、リビングのテーブルなどに置かれ、家族の目に触れたり(回読)、後で読み返されたりする可能性が高い媒体です。
クーポンや特典情報を掲載すれば保存性はさらに高まるため、長期的な広告効果が期待できるでしょう。
先行者優位を築きやすい
多くの企業はWeb広告に予算を集中させているため、会員誌広告の市場は比較的競争が緩やかです。
特に、ニッチなターゲット層を持つ会員誌であれば、競合他社がまだアプローチしていない可能性も十分にあります。
競合が少ないチャネルでいち早くアプローチすることでターゲット顧客の第一想起を獲得し、先行者としての優位性を築けます。
会員誌広告のデメリット

ここからは会員誌広告の2つのデメリットと対策を解説するので、ぜひ参考にしてください。
広告審査が厳格なケースがある
会員誌は、その媒体のブランドイメージを非常に大切にしています。
そのため、掲載される広告がそのイメージを損なうものでないか、読者に不利益を与えるものでないかなど、厳格な審査基準が設けられていることが一般的です。
出稿を検討する段階で媒体社や広告代理店に広告掲載基準をしっかりと確認し、掲載基準に準拠した広告を用意しましょう。
他の媒体に比べてコストが高い傾向
特定の層にピンポイントで届けられる分、広告料金は他の媒体に比べて高額になる傾向があります。
しかし、これは「高い」のではなく「価値に見合っている」と捉えるべきです。
対策としては、単純な広告費だけでなく、そこから得られる顧客の質やLTV(顧客生涯価値)まで含めた費用対効果(ROAS)で判断することが重要です。
会員誌広告の費用相場

会員誌広告の費用は、媒体のブランド力、読者層、発行部数、広告のサイズや掲載場所によって大きく変動します。
以下では、具体的な料金相場と、費用対効果を最大化するためのポイントを解説します。
媒体タイプ別の料金相場
以下は、代表的な会員誌の料金相場をまとめたものです。
あくまで目安ですが、予算を立てる際の参考にしてください。
媒体の種類 | 広告形態 | 料金相場(目安) | 備考 |
クレジットカード会員誌 | 純広告(1ページ) | 200万円~500万円 | 富裕層向け。高価格帯で審査も厳しい傾向。 |
通販会員誌 | 純広告(1ページ) | 50万円~200万円 | 会員属性に合わせたターゲティングが可能。 |
業界誌 | 純広告(1ページ) | 30万円~100万円 | 専門性が高く、BtoB商材に適している。 |
会員誌同梱広告 | チラシ同梱 | 1部あたり10円~50円 | 比較的低コストで広範囲にアプローチ可能。 |
広告掲載場所による料金の違い
同じ1ページの広告でも、掲載される場所によって読者の注目度が異なり、料金も大きく変わります。
掲載場所 | 特徴 | 料金傾向 |
表4(裏表紙) | もっとも読者の目に触れやすく、広告効果がもっとも高いとされる場所。 | もっとも高額 |
表2(表紙の裏) | 表紙をめくってすぐのページ。注目度が高い。 | 高額 |
表3(裏表紙の裏) | 冊子の最後のページ近く。表4、表2に次いで注目されやすい。 | やや高額 |
目次対向 | 目次の向かいのページ。ほとんどの読者が目を通す場所。 | 中程度 |
記事中広告 | 記事と記事の間に掲載される広告。 | 一般的 |
予算と広告の目的に合わせて、最適な掲載場所を選ぶことが費用対効果を高めるポイントです。
なお、雑誌広告の費用については以下の記事で詳しく解説しています。
費用対効果を高めるポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
会員誌広告の選び方3ステップ

以下では、広告出稿で失敗しないための媒体選定プロセスを、具体的な3つのステップに分けて解説します。
STEP1:広告目的とターゲット層を明確にする
媒体を探し始める前に、まずは自社の広告戦略の土台を固めることがもっとも重要です。
以下のように広告戦略の目的を明確にして、ターゲットを具体化しましょう。
- 目的の明確化: 新規顧客獲得か、ブランディングか、あるいは既存顧客へのアプローチか
- ターゲットの具体化: どのような年齢、性別、年収、ライフスタイルの人に届けたいのか
例えば、「都内在住の40代、年収1,500万円以上の開業医で、資産運用に関心がある男性」のように、ターゲット像(ペルソナ)を具体的に設定しましょう。
目的とターゲットが決まると、候補となる媒体を絞りやすくなります。
STEP2:読者属性を比較検討する
目的とターゲットが明確になったら、候補となる複数の媒体社や広告代理店から媒体資料を取り寄せます。
媒体資料には、発行部数や料金だけでなく、読者の詳細なデモグラフィックデータ(年齢、性別、年収など)やサイコグラフィックデータ(興味関心、価値観など)が記載されています。
STEP1で設定した自社のターゲット層と、各媒体の読者属性がどれだけ一致しているかを客観的なデータで比較検討しましょう。
STEP3:広告代理店に相談する
会員誌広告はクローズドな媒体が多いため、情報収集が難しい側面もあります。
そのような場合、会員誌広告の取り扱いに詳しい広告代理店に相談するのが有効な手段です。
代理店は、各媒体の特性や過去の成功事例を熟知しています。
そのため最適な媒体選定はもちろん、読者に響く広告クリエイティブの制作まで、専門的な知見に基づいたサポートが期待できます。
まとめ:会員誌広告で質の高い顧客を獲得しよう

Web広告の競争が激化し、CPAが高騰し続ける中で、多くの企業が新たなマーケティングチャネルを模索しています。
会員誌広告は、特定のターゲット層に的確にリーチし、媒体の信頼性を背景に深いエンゲージメントを築ける、非常に費用対効果の高い手法です。
自社のブランドイメージを高め、購買意欲の高い優良顧客と長期的な関係を築きたいと考えるなら、会員誌広告を検討してみてください。
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