多くの人が行き交う東京メトロの主要な駅では、コンコースや柱、壁などに大型のディスプレイを設置し、積極的にデジタルサイネージを展開しています。
駅を利用する人たちの目を引く色鮮やかな動画広告は、さまざまな効果が見込めるでしょう。
本記事では、デジタルサイネージの特徴やこれまでの交通広告との違い、メリットや料金プランなどを解説します。
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目次
東京メトロのデジタルサイネージとは
最近街中で目にすることが増えたデジタルサイネージとは、どのようなものでしょうか。
設置場所や、東京メトロでのデジタルサイネージの歴史などを紹介します。
デジタルサイネージとは
デジタルサイネージとは、駅や店舗、施設などに大型のディスプレイを設置し、情報や広告を発信するシステムのことです。
「サイネージ」とは看板や標識のことで、これまでのポスターや看板・パネルなどとは異なる、デジタルならではのメリットが多いです。
そのため、様々な場所で展開されるようになっています。
これまでの情報発信だけではなく、新しいコミュニケーションツールとしてマーケティングに活用しようと開発が進められています。
東京メトロにおけるデジタルサイネージの設置場所
東京メトロでデジタルサイネージが設置されている場所は、主に以下の通りです。
- 地下鉄車両内のドア上
- 地下鉄軌道の駅ホーム壁面
- 改札付近などコンコースエリアの柱
- 駅構内の壁面
車両内のデジタルサイネージは「Tokyo Metro Vision(TMV)」と呼ばれ、今では導入率89%、銀座線・日比谷線・千代田線・半蔵門線ではすでに導入率100%に達しています。
駅ホーム壁面のサイネージは、丸ノ内線の主要6駅に設置されています。
コンコースの柱などに設置された「Metro Concourse Vision(MCV)」と呼ばれる縦型のサイネージは、利用者の多い東京メトロの主要駅を中心に19駅612面にまで増えました。
駅構内の壁面に表示される「Metro Wall Vision(MWV)」は次世代のネットワーク型サイネージとして展開しており20駅25エリアに設置されています。
東京メトロのデジタルサイネージの歴史
東京メトロで初めてデジタルサイネージが登場したのは、2008年に車両内のドア上に設置された「Tokyo Metro Vision(TMV)」で、有楽町線の車両が最初です。
2009年10月には、丸ノ内線の東京駅、銀座駅、赤坂見附駅、新宿三丁目駅、新宿駅、中野坂上駅の計6駅において、線路向こう側の壁面に「M Station Vision(MSV)」が設置されました。
2013年4月からは、人の流れが多いエリアの柱に縦型のサイネージ「Metro Concourse Vision(MCV)」が設置されるようになりました。
コンコースにずらっと並ぶ画像は壮観で、非常にインパクトがあります。
2018年12月には「Metro Wall Vision(MWV)」が登場し、次世代型のデジタルサイネージとして注目を浴びています。
東京メトロのデジタルサイネージの特徴
ここでは、東京メトロのデジタルサイネージならではの特徴を解説します。
多くの人に見てもらえる
東京メトロ池袋駅の1日の利用客は約46万人、大手町駅は約28万人、銀座駅は約19万人と、毎日多くの人が東京メトロを利用しています。
そのため、東京メトロのデジタルサイネージは、テレビCMやインターネット広告に匹敵するほど多くの人の目に届きます。
セグメントできる
東京メトロのデジタルサイネージは、駅を指定することによる広告エリアの絞り込みや、時間帯や曜日を指定することによるターゲット層の絞り込みなど、セグメントが可能です。
ビジネスパーソン向け、若者向け、ファミリー向けなど、ターゲットに合った広告を表示することで効果を高められます。
何度も見てもらえる
東京メトロの利用者の多くは、毎日同じ時間に利用するので、何度も同じ広告を目にすることになります。
そのため、広告の認知度を高めメッセージやイメージを刷り込む効果が見込めるでしょう。
期間の設定が自由にできる
デジタルサイネージは、物理的に広告物を設置するのではないため、入れ替えが簡単です。
掲載期間は1週間から可能で、テスト運用にも利用できます。
1本の動画広告の表示時間は、15秒から最大6分まで、利用目的によって選べます。
東京メトロのデジタルサイネージのメリット
東京メトロで掲載するデジタルサイネージには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
具体的に解説します。
動画で引き付けられる
東京メトロのデジタルサイネージでは、音声は出せないものの、静止画だけでなく動画の利用も可能です。
写真だけでは伝わらない細かい情報や、使い方などを分かりやすく伝えられます。
また、インパクトのある動画表現は、多くの人の目を引き付けられるでしょう。
制作コストを抑えられる
東京メトロのデジタルサイネージは、掲載するデータを制作し入稿するだけであるため、印刷や配送、設置にかかる費用などが不要で、掲載費用を抑えられます。
また、データ制作では他の媒体で使ったものを簡単に再利用できるため、コスト削減につながるでしょう。
差し替えが簡単
ネットワーク型のデジタルサイネージであれば、1台のPCから遠隔操作で表示するコンテンツを複数同時に差し替えられます。
また、次世代のデジタルサイネージでは、外の天気や通行する人の性別や年齢状況に合わせてAIで最適な広告を表示するなど、タイミングによって広告コンテンツを差し替えられるケースもあります。
SNSでの拡散を狙える
東京メトロのデジタルサイネージは、モバイルとの親和性が高いです。
そのため、インパクトが強い広告や面白い仕掛けのキャンペーンなどは、SNSを通じて拡散される可能性があります。
TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアについては「【ソーシャルメディア広告】メリットと成功のポイントを解説」を参照してください。
東京メトロのデジタルサイネージのデメリット
東京メトロのデジタルサイネージは、メリットが多い一方でデメリットもあります。
メリットとあわせてしっかりと理解しておきましょう。
申込みから掲載まで時間がかかる
東京メトロのデジタルサイネージで広告掲載を希望する場合に、広告主の審査および広告内容(表記・表現を含む)の事前確認があります。
東京メトロは公共性が高いため審査に時間がかかる場合があります。
あらかじめ審査期間を鑑みてスケジュールを組んでおく必要があるでしょう。
差別化が難しい
東京メトロのデジタルサイネージは、他社との差別化が難しいです。
デジタルサイネージ広告は、全て同じディスプレイで次々に表示されるため、インパクトがないと印象に残らず、埋もれてしまう可能性があります。
効果測定が難しい
デジタルサイネージ広告は、効果測定が難しいです。
Web広告の場合、クリック率や滞在時間、離脱率など広告から購入に至るまでの細かなデータを収集可能です。
しかし、デジタルサイネージ広告は、Web広告のように細かなデータを収集しにくいため、SNSと連携し参考になるデータを取得するなどの工夫が必要になります。
他のメディアとのメディアミックスについては、「メディアミックスとは?主な媒体とメリットを解説します!」をご参照ください。
東京都メトロのデジタルサイネージ広告プラン例
東京メトロのデジタルサイネージを使って広告を出すにはどのぐらいの費用がかかるのでしょうか。
ここでは、広告のプラン例と大まかな費用をご紹介します。
MCV1weekスポット
新宿、池袋、銀座といった東京メトロの駅構内のコンコースの柱などに設置された「Metro Concourse Vision(MCV)」は、改札周辺などの駅利用者の導線上にあり、視認性や注目率が高いタテ型のデジタルサイネージです。
6分に1回流れるプランは、毎日のように駅を利用するビジネスパーソンや学生などから認知されやすいため、新商品の発売タイミングなどによく利用されます。
掲出期間 | 料金 |
---|---|
1週間 | 200万円程度 |
MCV新宿駅 単駅ジャック
東京メトロ丸ノ内線新宿駅東口の改札外タテ型のデジタルサイネージは、JR・小田急線・京王線へ向かう導線上に設置されているため、非常に目に入りやすく訴求力が高いです。
60インチディスプレイが9柱に35面あり、1社独占で利用できます。
集中的な配置でインパクトがあるコンテンツにすると、ブランドイメージを強烈にアピールできるでしょう。
掲出期間 | 料金 |
---|---|
1週間 | 200万円程度 |
手軽なプラン
交通広告は高いというイメージがありますが、東京メトロのデジタルサイネージに掲載するプランには手ごろな予算で利用できるものがあります。
【東京メトロ MCV秋葉原駅】
駅名 | 放送秒数 | 掲出期間 | 料金 |
---|---|---|---|
東京メトロ MCV秋葉原駅 | 15秒(6分ロール) | 1ヶ月 | 10万円 |
JR秋葉原駅への導線上で視認性が高く、アニメ・ゲーム・カード・アイドルなど特定のジャンルに最適です。
【東京メトロ MCV溜池山王駅】
駅名 | 放送秒数 | 掲出期間 | 料金 |
---|---|---|---|
東京メトロ MCV溜池山王駅 | 15秒(6分ロール) | 1ヶ月 | 10万円 |
利用客の数はそれほど多くありませんが、駅近辺には大企業や高級ホテル、大使館などが多く、高所得者を狙った広告展開に適しています。
【東京メトロ MCV池袋駅(丸ノ内線 東口改札)】
駅名 | 放送秒数 | 掲出期間 | 料金 |
---|---|---|---|
東京メトロ MCV池袋駅(丸ノ内線 東口改札) | 15秒(6分ロール) | 1ヶ月 | 30万円 |
丸ノ内線改札からサンシャイン方面へ向かう動線上に設置されているため、視認性が高く効果的です。ゲームやアニメなどの広告が多く掲載されています。
これから更に可能性が広がるデジタルサイネージ
デジタル化・ネットワーク化の波が急速に広がっており、駅広告もデジタルサイネージが主流となってきています。
東京メトロではその先駆者として、様々な形態のデジタルサイネージを展開してきました。
今後は、AI技術やセンサー、カメラ等の発達によって、さらに驚くようなコンテンツが出現する可能性もあります。
東京メトロのデジタルサイネージが、これからどのように進化していくのか、今後の展開に期待しましょう。
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