普段の生活で、サイネージ広告をよく目にする人も少なくないでしょう。
サイネージ広告とは、電車の車内や駅のコンコースの壁面・店舗の入り口などに大型のディスプレイを設置して発信する動画広告のことです。
これまでのポスターや看板に代わり年々掲載される場所を増やしています。
これからも、サイネージ広告の導入を検討する企業や店舗は増加するでしょう。
この記事では、大きな成長を続けているサイネージ広告が実際にどのように使われているのか、事例を紹介します。
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目次
サイネージ広告の事例
街を歩くと、新たにサイネージ広告を採り入れている店舗や施設を数多く目にするでしょう。
サイネージ広告の活用が広がっていることを、実感する方も多いのではないでしょうか。
実際に、次のようにさまざまな場所でサイネージ広告が利用されています。
- 小売店・店舗
- 医療・福祉
- 自治体
- 学校
- 飲食店
- レジャー施設
- ホール施設
- 交通機関
ここでは、サイネージ広告を導入した事例を、業種や施設ごとに紹介します。
小売店・店舗
小売店のサイネージ広告は、大型チェーンのドラッグストアやスーパーマーケット・家電量販店などを中心に進められています。
小売店では、買い物中の顧客に直接発信できるため、サイネージ広告の導入で売上を引き上げた事例も増えているようです。
サイネージ広告の使い方としては、店舗で取り扱っている商品の広告宣伝を中心として、店舗の販促やイベントの宣伝、自社プロモーションや店内演出などに活用されています。
医療・福祉
医療施設や福祉施設においても、サイネージ広告が活用されています。
病院や福祉施設には、関係省庁からのお知らせとして多くのポスター類が届けられます。
これらを待合室の壁に貼っても、雑然としてしまい情報が届きにくい点が難点でした。
大型ディスプレイを待合室などに設置して、健康に役立つ情報などとともに、関係省庁からのお知らせや施設の案内・告知の情報を発信するケースが増えています。
また、ブランディングを目的とした動画なども流すことで、宣伝効果を高められます。
自治体
自治体においてもサイネージ広告が活躍します。
自治体の庁舎のロビーには、各方面からの情報がポスターとして壁面に貼ってあります。
とはいえ、新たな情報が次々に入ってくるため、頻繁に貼り換え作業が発生し職員のリソースを圧迫していました。
こうしたお知らせをサイネージに切り替え、担当部署で一元管理できる仕組みを導入することで、貼り換えの手間を一気に削減できます。
暮らしの情報から地域の出来事まで、多様な情報をサイネージを使って効果的に配信できるようになったのです。
また、緊急時には情報拠点として、刻々と変わる状況を発信するために活用されています。
学校
通学する学生たちへの連絡事項や来校者への告知、行事予定や試験情報などをサイネージを使って掲示する学校が増えています。
紙を使うよりも差し替えの手間がかからず、タイムリーな情報発信が可能です。
また、QRコードを使ってWebと連携してさらに詳しい情報へ飛ばしたり、動画などの視聴につなげたりといった施策も進められています。
飲食店
飲食店では、入口の看板や店内のお知らせとして、サイネージを採り入れるケースが目立つようになっています。
おすすめのメニューや新商品の紹介などでは、差し替えの手間がかからないため活用が進み、売上アップにつながるケースが増えているようです。
また、多店舗展開しているチェーン店では、コンテンツの切り替えが一度にできるため、店舗側の負担軽減になっています。
サイネージ広告はブランディングにも活用がしやすく、印象に残る動画コンテンツを作成して人目をひくための工夫が盛んに行われています。
レジャー施設
遊園地などのアミューズメント施設やテーマパーク、ゲームセンターやカラオケ店などでもサイネージを導入するケースは増えています。
施設内の案内や利用者への注意事項を告知するには、動画を使ってサイネージで発信することが非常に効果的です。
また、新サービスの紹介やブランディングにも、積極的に活用されています。
敷地が広い施設では、ネットワークを使ったサイネージを用いることで、差し替えの手間がかからずタイミングよく発信できるようになります。
ホール施設
イベントや講演の会場となるホール施設では、開催予定のイベントの告知や施設内の案内、利用者への注意事項のお知らせなどにサイネージを活用しています。
イベントの告知で頻繁に差し替えが発生するため、作業の手間がかからないネットワーク型のサイネージには大きなメリットがあるでしょう。
イベントの告知には、動画を活用して興味をひき付け、来場につなげる工夫を凝らしています。
交通機関
多くの人が利用する交通機関は広告掲載に適しており、これまでも駅やコンコース壁面のポスターや中吊り広告、ドアステッカーなどの広告媒体として利用されてきました。
近年、都市部のJRや地下鉄ではサイネージの導入を積極的に進められています。
駅やコンコースの壁面、電車の車内にディスプレイを設置して、広告媒体として多くの企業に利用されているのです。
交通機関の広告は、通勤や通学で毎日目にするため伝わりやすく、路線や駅である程度ターゲット層を絞れるため、効果的な広告宣伝が可能です。
サイネージを用いた場合は、時間帯で広告の変更ができるため、時間帯に合わせたコンテンツを発信してより効果を高められます。
なお、東京メトロのデジタルサイネージ広告について「東京メトロのデジタルサイネージとは？特徴やメリット・広告プラン例を解説」にまとめているため、あわせてご覧ください。
サイネージ広告の新しい掲載場所の事例
ディスプレイとネットワークを組み込んで、これまであまり活用されていなかった次のような場所にもサイネージ広告が掲載されるようになっています。
- エレベーター
- タクシー
- トイレ
ここでは、サイネージ広告の新しい掲載場所の事例を紹介します。
エレベーター
オフィスやマンションのエレベーター内に設置されたディスプレイで、広告動画を視聴できるようになっています。
エレベーター内では手持ち無沙汰になることが多く、画面に集中しやすいでしょう。
また、人によっては毎日使うケースが多いことで視聴者層の属性が限定されていることから、有効な広告媒体として活用されています。
オフィスビルでは、BtoBサービスなどのリード獲得に利用したりエリア内の飲食店の案内をしたりなど、ビルで働く人向けの情報発信に有効です。
マンションであれば、住民向けのサービスや買い物情報などに活用できます。
タクシー
タクシー前座席の背面にディスプレイを設置し、乗客向けに広告が発信されるようになっています。
タクシーは経営者層の利用頻度が高い傾向があるため、タクシーのサイネージ広告はBtoBサービス向けに適した広告媒体です。
タクシー車内はディスプレイの距離が近く、画面に集中させられます。
特に、乗り込んですぐに放映される広告は、注意をひきやすいので高い効果が期待できるでしょう。
参考：2023年（第32回）タクシーに関するアンケート調査｜一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会
トイレ
新たなサイネージ広告の掲載場所として、トイレの個室も利用されるケースが増えています。
男女別の絞り込みができ、プライバシー空間という特性から、通常のメディアでは発信しにくい悩みを解決する商品やサービスの広告に多く利用されています。
大型商業施設などに設置する場合は、施設内の案内やイベントの告知、セールの案内などにも適した媒体です。
テクノロジーを活用したサイネージ広告の事例
近年では、次のようにテクノロジーを活用した新しいサイネージ広告が現れています。
- 3Dサイネージ
- AIとの連動
ここでは、新しいサイネージ広告の事例を紹介します。
3Dサイネージ
新宿東口の「3D巨大猫」が話題になっているのをご存じの方もいるでしょう。
巨大なディスプレイから飛び出したように見える３D映像の猫は、非常に強烈なインパクトがあり、多くの人の目をひきます。
こうした巨大な３Dサイネージは海外でも多くの事例があり、非常に注目されている広告手法です。
コンテンツの作り方によっては、多数のユーザーの興味をひくような魅力的な広告にできるでしょう。
AIとの連動
ディスプレイの近くに小型のカメラやセンサーを取り付け、取り込んだデータをAIが判断してその場面に沿った広告映像を放映する、AI連動型のサイネージ広告も登場しています。
見ている人の性別や年代に合わせて広告を発信したり、人通りの多さで広告のスタイルを切り替えたり、天気や売上のデータとリアルタイムで連動したりするような発信が可能です。
また、タッチパネルやQRコードを使った双方向性のある広告も作成できます。
近年のAI技術の発展は目を見張るものがあり、新しい機能が次々と登場しています。
サイネージ広告の用途とは？
ディスプレイなどの機材費用の低下によって、サイネージ広告は次のようにさまざまな用途で用いられるようになっています。
- 案内
- 広報・告知
- 販促
ここでは、サイネージ広告がどういった用途に用いられるのかを具体的に解説します。
案内
施設の入り口に、案内用のサイネージ広告を掲載するケースが増えています。
施設案内や地図は、タッチパネルを用いて詳細な情報を表示したり、アンケートのような使い方をして利用者のニーズを探るヒントを得たりできます。
施設の利用方法や注意事項などを知らせるには、ポスターでは見てもらえない可能性があるでしょう。
一方、動画を制作してサイネージ広告で放映すれば、利用者にとってわかりやすく便利です。
広報・告知
来訪者や利用者へのお知らせ・告知として用いられるケースも多く見られます。
イベントのスケジュールなどは頻繁に差し替える必要があるため、ネットワークを通じてパソコンですぐに切り替えられるサイネージ広告は手軽で便利です。
ポスターなどの紙の掲示物は、場所が多いと差し替えの負担が大きいだけでなく、見た目も雑然としてしまいがちです。
サイネージを使った一元管理ができれば、情報の管理がしやすくなり、タイムリーな発信もできるようになるでしょう。
特に、災害など非常事態が発生した際には非常に有効です。
販促
サイネージ広告のもっとも一般的な用途は、販売促進の目的のためです。
新商品・新サービスの認知を広め、キャンペーンや割引販売、イベントの告知をして集客するために利用されます。
販促目的で動画を制作する際には、多くの人の目をひき、印象に残るようなインパクトのある映像や演出が重要です。
商品やサービスのターゲット層に合わせて、掲載場所や時間帯を工夫するとさらに効果を高められます。
サイネージ広告の種類
サイネージ広告は、いくつかの種類に分けられます。
ここでは、設置場所および発信方法による分類について解説します。
サイネージ広告の設置場所による分類
サイネージ広告は設置場所で下記の3つに分類されます。
- 交通広告
- 屋内広告
- 屋外広告
それぞれの特徴を確認しておきましょう。
交通広告
交通広告は、電車の車内や駅・コンコースの壁面などに掲載される広告です。
最近は電車だけでなく、バスの停留所やタクシーの車内などにもディスプレイを設置して広告を放映するようになっています。
電車やバスのような通勤・通学で利用される交通機関では、広告に毎日接触し、利用路線や利用駅からターゲット層を絞れることから広告効果が高いでしょう。
都市部を中心とした各交通機関では、サイネージ広告に力を入れて取り組んでいます。
屋内広告
店舗や施設などの出入口スペース・ロビーなどにサイネージ設備を置いて、お知らせや告知に活用しているのが屋内広告です。
イベントの告知などは頻繁に更新が必要ですが、サイネージ広告ではコンテンツの入れ替えが容易にできます。
店舗内で開催されるイベントやセール情報、新しいサービスの紹介などをタイミングよく発信できるのが、サイネージ広告ならではの強みといえるでしょう。
多店舗展開しているチェーンストアでは、広告媒体として各店舗内のディスプレイを使った発信サービスを展開しています。
屋外広告
人が多く通る場所や待ち合わせで有名な場所などに掲示されるのが屋外広告です。
駅前のビルの大型モニターや地下鉄コンコースの壁面などが多く利用されています。
看板に代わって店舗の入り口に設置し、顧客の誘導用として利用されるケースも増えているようです。
サイネージ設備にかかる費用が低下し、リースも使えるようになったことから、小規模店舗でも屋外広告を導入しやすくなっています。
サイネージ広告の発信方法による分類
サイネージ広告は、発信方法によって下記の3つに分類されます。
- スタンドアロン型
- ネットワーク型
- インタラクティブ型
それぞれの特徴を把握しましょう。
スタンドアロン型
ネットワークを用いず、USBメモリやSDカードを使ってコンテンツのデータを送り込み、ディスプレイに表示させるタイプです。
データの入れ替えは1台ずつ行う必要があるため、小規模で運営する場合に適しています。
ネットワーク型
ディスプレイがネットワークに接続されており、クラウドを利用して広告配信を行うタイプです。
インターネット環境が整っていれば、遠隔操作でリアルタイムなコンテンツ更新ができる点が大きなメリットでしょう。
また、異なる場所や店舗にある複数のディスプレイにおける広告配信をパソコン1台で一元管理できます。
インタラクティブ型
ディスプレイにタッチパネルやセンサー機能を搭載し、双方向に情報を表示する最新型のデジタルサイネージです。
案内情報の掲示などに用いられることが多い方法です。
高度なサービスを提供可能ですが、その分コストがかかります。
サイネージ広告にかかる費用
サイネージ広告にかかる費用は、当初よりも大幅に低下してきており、導入しやすくなっています。
サイネージ広告には、基本的に次の費用が必要です。
- 企画制作費
- 広告掲載費
- 設備費
費用を把握し、無駄なくサイネージ広告を活用しましょう。
企画制作費
企画制作費は、広告動画のコンセプトの策定から表現方法の決定、台本作成から動画を撮影し編集するまでの作業費用です。
コンテンツ内容や制作手法、動画の尺の長さによって変動します。
静止画を組み合わせて動画にし、テロップとBGM・ナレーションを入れたような簡単なものだと30万円程度です。
一方、有名タレントを起用し専門スタジオで撮影するような場合は数百万円になることもあります。
広告掲載費
広告掲載費は、制作した動画を発信するための費用で、掲載するエリアや掲載場所、放映回数や放映時間などによって変動します。
JRの全線をセットにしたものだと1週間掲載で500万円ほど、駅のコンコースであれば20万円程度から掲載可能です。
ターゲットに合わせた場所や時間帯に掲載することで効果が高まります。
設備費
店舗や施設などで自前の情報発信用のサイネージ設備を設置する場合には、設備費用がかかります。
ディスプレイやサーバー・動画管理ソフトなどが必要になりますが、全て買いそろえるには大きな費用が必要です。
これらの設備一式をリース契約で提供するサービスも普及してきており、その場合は初期費用がかからず、月々の支払額も低額で導入可能です。
また、コンテンツの更新や設備のメンテナンスも含まれているため、少ない負担で利用できます。
サイネージ広告の制作費用については「サイネージ広告の料金について種類別に内訳を解説」でまとめているため、あわせて参考にしてください。
サイネージ広告を出稿するメリット
サイネージ広告には次のようなメリットがあり、広く利用されるようになっています。
- 動画を使って目をひきやすい
- さまざまな場所に設置できる
- 費用を抑えて掲載できる
- 内容を手軽に更新できる
ここでは、サイネージ広告を利用する場合のメリットについて解説します。
動画を使って目をひきやすい
サイネージ広告の大きなメリットは、動画を使った広告で多くの人の目をひきつけられることです。
広告は、どれだけ多くの人に見てもらえるかが重要なポイントです。
インパクトがある動画広告は注目を集めやすく、広告として非常に適しています。
動画では短時間で多くの情報を発信できるため、限られた時間で有効な情報発信が可能です。
さまざまな場所に設置できる
サイネージ広告は、さまざまな場所に設置できます。
そのため、今まで目を向けられていなかったような場所も、広告掲載に利用されるようになっています。
ディスプレイ開発が進んだことで、大型のものから棚に置けるような小さなもの、変わった形状のものも使えるようになりました。
今後も、意外な場所でサイネージ広告が設置される可能性があるでしょう。
費用を抑えて掲載できる
サイネージ広告に必要なディスプレイは、近年大幅に価格が下がってきており、導入しやすくなっています。
また、機材費やコンテンツ更新、機器の保守をパッケージにしたリースプランを活用することで、費用を抑えて手軽に導入できる環境が整えられています。
内容を手軽に更新できる
サイネージ広告のコンテンツの更新は、ポスターを貼り替えるような手間がかかりません。
データを差し替えるだけなので、ネットワークでつながっているタイプであれば、手元のパソコンで作業が完了します。
管理ソフトを活用して、差し替えのタイミングをあらかじめセットしておくことも可能です。
手間がかからず即時に更新ができることから、タイミングよく情報発信でき利用者に役に立つ情報を届けやすいでしょう。
サイネージ広告を出稿する際の実施の注意点
サイネージ広告を運用する場合、次のような点に注意しましょう。
- 目的を明確にする
- ターゲットを明確にする
- インパクトを重視する
- 効果を検証し改善していく
注意点を把握し、サイネージ広告の効果を最大化しましょう。
目的を明確にする
サイネージ広告の出稿を企画する前には、目的を明確にする必要があります。
サイネージ広告で実現しようとすることを明らかにすることで、発信方法や発信内容が定まります。
サイネージ広告の効果を測定するにも、目的に対してどの程度達成できたかを測るため、目的の設定が重要です。
ターゲットを明確にする
効果的に広告を発信するためには、ターゲット像を明確にして、そこに合ったコンテンツを発信する必要があります。
ターゲットとなる人物像をわかりやすくするためには、しっかりとしたペルソナ設定を行い、制作メンバーで共有しておくとよいでしょう。
また、サイネージ広告の掲載場所も、ターゲットに合わせて検討する必要があります。
インパクトを重視する
サイネージ広告では、できるだけ多くの人に見てもらわなければなりません。
そのためには、インパクトがあるかどうかが非常に重要です。
動画の演出や気になるキャッチコピー、大胆なデザインや印象的なキャラクターなど、ユーザーに与えるインパクトの大きさを意識しましょう。
効果を検証し改善していく
サイネージ広告の効果を高めていくためには、効果を検証し改善するというサイクルを繰り返し行う必要があります。
導入前・導入後・改善後などできるだけ多くのデータを収集し、比較検討する仕組みを作るようにしましょう。
サイネージ広告の事例を参考にして活用しよう
サイネージ広告は、ポスターなど紙の掲示にはないようなメリットがあり、導入のコストも下がっているため、今後も利用が広がっていくでしょう。
また、テクノロジーの進歩に伴い新たなサイネージ広告が現れ、活用方法もさらに開発されていくと予想されます。
サイネージ広告の事例を参考に、注意点も把握しつつ効果的に運用しましょう。
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