「ティーザー広告って一体何?」
「ティーザー広告を出してメリットはあるの?」
近年よく見かけるティーザー広告について、詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか。
ティーザー広告とは、少しずつ情報を出して徐々に全貌を見せることでユーザーの興味をひく広告手法です。
今回は、ティーザー広告の特徴やメリット・デメリットを解説します。
他社の事例も紹介するため、自社の商材を今までとはまた違うやり方でPRしたい方はぜひ参考にしてください。
また弊社では、Web広告の出稿をご検討の方に「通販に最適なWeb広告媒体」を紹介しています。
詳しく知りたい方はぜひバナーをクリックして、資料をダウンロードしてください。
目次
ティーザー広告とは?
ティーザー広告とは新商材の発売前に流す広告で、商品・サービスの一部だけを見せて消費者の興味をひく手法です。
ティーザー(teaser)とは「じらす、焦らす」という意味です。
商品のシルエットや一部分だけを見せたり、サービス名とサービス開始日だけを公開したりなどして、消費者の関心や興味を高めます。
ティーザー広告が使われる目的は幅広く、新商品やサービスのPRだけでなく、企業のブランディングや特定のイベントへの注目度向上などを狙うことも多いです。
人は、未知のものに対して興味を持つため、多くの人からの関心を集めるにはおすすめの広告方法といえます。
なお「広告の種類を総まとめ|年代・ターゲット別に一覧で大公開!最適な選び方も併せて紹介」では、広告の種類をまとめたうえでそれぞれの特徴を解説しているため、あわせて参考にしてください。
ティーザー広告に最適な場面・業界4選
ティーザー広告を使うことが多いのは主に、新商品・サービスのリリース前です。
そして業界としては、主に以下が当てはまります。
- 新商品・サービスのリリース前
- エンタメ業界
- 自動車業界
- 通信業界
それぞれ解説します。
新商品・サービスのリリース前
業界問わず、新商品や新サービスのリリースの際はティーザー広告を出す企業が多いです。
新商品・サービスというだけで、消費者は「どのようなものなのだろう?」と気持ちが高まります。
魅力的な部分だけを小出しに紹介して、注目や関心を集めることが可能です。
最近では、インフルエンサー・ユーチューバー・インスタグラマーなど、世の中や人の思考・行動に大きな影響を与える人たちに情報を提供して拡散してもらう方法を取っているところもあります。
エンタメ業界
エンタメ業界では、ドラマ・映画・ゲームなどの新作を紹介する広告として、ティーザー広告を利用することが多いです。
ドラマや映画などであれば主役をシルエットやバックショットにして紹介したり、ゲームなら物語の概要をざっくり紹介したりするなど、具体的な内容がわからないようにして見る人の想像を膨らませます。
例えば、以下は株式会社カプコンのストリートファイター6のティーザートレーラーです。
『ストリートファイター6』豪鬼(Gouki)ティザートレーラー
概要を説明する文字とキャラクターたちが戦っている様子だけで、詳しくはプレイしてみないとわからないような内容になっています。
自動車業界
自動車業界では、ティーザー広告で新車の発売や、新車のデザイン・コンセプトの発表などがされています。
新車をシルエットで見せたり車の一部と文字しか出さなかったりなどして、車が好きなユーザーや、車を買おうとしているユーザーの興味をひくのが目的です。
以下はHONDAの新型FREEDのCMで、ボディの説明がメインとなっています。
【新型FREED】ティザー Active-Tough Styleデザイン紹介ムービー
通信業界
スマートフォンやパソコンなど通信業界でも、ティーザー広告をよく使っています。
はじめは新商品の名前やコンセプトだけが発表されて、最後に詳細が公開されることが多いです。
消費者は「どのようなものが登場するの?」「デザインは?」と内容について期待を膨らませるため、『●●、販売まであと●日』など、カウントダウン形式を取ることもあります。
例えばApple社では、今iPhone15Proのティーザー広告を公開しています。
サイズや薄さは謳っているものの、製品の具体的な機能やポイントについて多くは語っていません。
洗練されたビジュアルを前面に出して「どういった製品なのだろう?」と消費者に思わせて興味をひく広告を作っています。
こんなに大きい。それでも薄い。 | 15インチMacBook Airが新登場 | Apple
ティーザー広告のメリット4つ
ティーザー広告を出すと、以下4つの効果が期待できます。
- 商品やサービスに対して消費者に強く興味を持ってもらえる
- 商品やサービスのリリース前に消費者の反応を見られる
- 比較的失敗しにくい
- 拡散性や話題性が高い
ひとつずつ詳しく確認しましょう。
商品やサービスに対して消費者に強く興味を持ってもらえる
ティーザー広告は、商品やサービスに対して、消費者に強く興味を持ってもらいやすい広告です。
消費者は商品やサービスについて、全貌がわからないと自分で調べたり人に聞いたりします。
調べても一部分だけしか詳細がわからないとなると、消費者は「すべてを知りたい」と思うものです。
ティーザー広告は人の知りたい欲をうまく利用し、消費者に自社の商品やサービスについて調査させるように促し、ブランドに対する興味を高められる広告なのです。
商品やサービスのリリース前に消費者の反応を見られる
製品やサービスを市場へ出す前にティーザー広告を打つことで、消費者の反応が見られるのもティーザー広告のメリットです。
例えば、ティーザー広告をXで公開するとします。
ポストのいいね数やコメント、リポスト数などで広告を見たユーザーの反応を見ることが可能です。
反応が期待通り、または期待以上であれば「消費者の関心度・期待度が高い」と考えられるため、商品やサービスの訴求がしっかりできている広告が作れたといえます。
実際にリリースされても、多くの人に購入・利用してもらえるでしょう。
逆に期待以下だった場合、リリースされても思うように売り上げが伸びない可能性があります。
また、商品やサービスの魅力をしっかり伝えるための広告をまた次に作らなくてはなりません。
ティーザー広告は、費者や市場の反応を見るだけでなく、反応を測定するという役割も持っています。
比較的失敗しにくい
ティーザー広告は製品やサービスのリリース前に消費者の反応が見られるため、比較的失敗しにくいです。
ティーザー広告を見た人の反応から、新商品やサービスが受け入れられる程度や改善部分などが把握できます。
反応が良ければ微調整程度でそのまま進められ、悪ければ広告戦略や商品そのものを見直せます。
ティーザー広告によって失敗を回避できれば、新商品やサービスが売れる確率を高められるでしょう。
拡散性や話題性が高い
核心に迫るような情報以外を載せるティーザー広告は、話題性が高いです。
重要なポイントがわからないため、実際のリリース日まで多くの人が関心を持ち続けます。
また、話題性の高いものはSNSで広がるため、拡散性が高いのもティーザー広告のメリットです。
よく映画やドラマなどのティーザー広告で見られる『〇月〇日、〇〇時に情報解禁!』といったカウントダウン形式の予告は、リアルタイムで盛り上がれるSNSと相性が良いです。
SNSを含むソーシャルメディア広告については、「ソーシャルメディア広告とは?6大広告の特徴や成功事例を解説」で詳しく紹介しているため、ぜひご覧ください。
ティーザー広告のデメリット3つ
ティーザー広告はメリットが多くある一方で、デメリットもあります。
- 制作が難しい
- 誇大広告と思われることもある
- ティーザー広告を好まない消費者もいる
詳しく解説します。
制作が難しい
ティーザー広告は、情報の一部のみを断片的に見せる広告手法ですが、どの情報をどこまで広告で見せ、どこから隠すのかといった加減が難しいです。
情報量が多すぎると、商品やサービスの全貌がバレてしまう可能性があります。
商材の全貌がわかってしまうと、消費者の想像を掻き立てられず「知りたい」「使ってみたい」という気持ちを生み出せません。
かといって少なすぎると、広告の意図や商品・サービスの内容がよくわからず、興味を持つことなく終わってしまいます。
さらにティーザー広告は、品質の高い映像や音響を使うことが求められるため、費用と時間もかかるものです。
情報の出し加減が難しいうえに、クオリティや多額のお金も求められるため、制作スキルや予算に限りがある企業にとってはハードルが高いといえます。
誇大広告と思われることもある
ティーザー広告を制作・運用する際は、誇大広告と受け取られないようにしなければなりません。
ティーザー広告を作るとき、どうしても「より魅力的に見えるように作ろう」と考えてしまいがちです。
とはいえ、誇張した見せ方になってしまうと、誇大広告と見なされる可能性があります。
実際に商品やサービスを利用した消費者が「広告とイメージが違う」など不信感を抱いてしまい、商品や企業のブランドイメージを損なってしまう可能性があるのです。
誇大広告は法律によって規制もあるため、内容によっては罰則が科されることもあります。
ティーザー広告を作る際は、消費者の興味をひく表現が誇張しすぎないようにし、商品やサービスを正確に表現しましょう。
ティーザー広告を好まない消費者もいる
中には、ティーザー広告をあまり好まない消費者もいます。
断片的に情報を見せるティーザー広告は、クオリティが高いものも多いため「おしゃれで良い」と思う人も多いです。
しかし一方で、情報を小出しにすることを嫌がったり、多すぎるティーザー広告に飽きてしまったりする消費者も少なくありません。
情報を出し惜しみしすぎたり、自社商材すべてにティーザー広告を利用していたりすると、消費者が企業やブランドに対して良いイメージを持たない可能性があります。
情報を出す量の調整や、一部の商材のみティーザー広告を出すなどの工夫が必要です。
ティーザー広告の作り方4ステップ
ティーザー広告を作る手順は、以下の通りです。
- ターゲット・目的を決める
- リリース日を決めてスケジュールを組む
- 商品・サービスの特徴や魅力を整理する
- 広告内容を考える
ティーザー広告は、情報を出すタイミングや頻度、広告自体のクオリティなどが重要なため、計画的に制作しましょう。
①ターゲット・目的を決める
まずは、自社の商品やサービスを使ってもらいたい人、広告を出す目的、そもそも消費者に商品やサービスを届ける目的を決めます。
ターゲットが決まっていないと的確に訴求ができず、効果が得られません。
目的がしっかりしていないと、最後に驚かせることや商品やサービスに興味を持ってもらうことも難しいです。
ターゲットと目的の設定は厳格におこないましょう。
②リリース日を決めてスケジュールを組む
ターゲット・目的が決まったら、広告を掲載するまでのスケジュールを組んでいきます。
スケジュールは、まず全体公開をする日を決めて逆算で考えていくのがおすすめです。
全体公開に間に合わせるためにはいつまでにティーザー広告を作れば良いのか、全体公開日までにどのような頻度・日程で情報を出していくのかを決めます。
消費者の興味が高まりやすい頻度・タイミングで公開しましょう。
③商品・サービスの特徴や魅力を整理する
ティーザー広告を作る際は、訴求する商品・サービスの特徴や魅力を整理する必要があります。
ティーザー広告は情報を少しずつ出していってユーザーの興味をひく手法のため、情報を出すタイミングや量が重要です。
数多くある商品・サービスの特徴や魅力を整理しておけば、隠す情報と開示する情報のバランスを考えやすいです。
どの情報を積極的にアピールし、隠すべきかを明確にすることが、ティーザー広告で効果を得るコツといえます。
④広告内容を考える
消費者の興味をひきつけるような広告を考えます。
ティーザー広告は消費者の興味をひけばひくほど効果が出やすいため、使用する写真・画像・音響・映像などビジュアル面でも工夫が求められます。
あえて映像・画像だけ載せるなどビジュアルの良さをアピールしたり、文字だけで商品やサービスの魅力を説明したりなど、工夫のし方はさまざまです。
強い印象を抱かせるような見せ方ができれば効果をより高められるでしょう。
ティーザー広告の事例4選
ティーザー広告は、さまざまな企業が打ち出しています。
- Apple社
- 株式会社資生堂
- ボルボ社
- シン・ゴジラ
Apple社・株式会社資生堂・ボルボ社は、ティーザー広告をよく使用している企業です。
シン・ゴジラは2016年に公開された映画で、ティーザー広告を使用しています。
それぞれ詳しく解説します。
Apple社
引用:Apple(日本)
Apple社は、ティーザー広告の代表格ともいえる企業です。
初代Macintoshをリリースする際に公開されたCMでは、ディストピアSFの古典である『1984』のイメージを引用しています。
性能などの製品情報、外観などまったく公開していません。
当時、パソコンは面白味のないものが多く「使えれば良い」という感じでしたが、初代Macintoshでは自由なイメージの新たな情報機器である点を全面的にアピールしました。
Apple社の各製品のCMや広告は全体的にスタイリッシュであり、すべての情報を出していないにもかかわらず購買意欲をそそられるつくりになっています。
株式会社資生堂
2020年、資生堂は新しい化粧品レーベル『BAUM』を立ち上げ、ティーザーサイトをオープンさせました。
商品の詳細は公開せず、キャッチコピーのみを掲載したシンプルなサイトです。
詳細はInstagramなどSNSで順次公開し、ユーザーの興味をひいています。
ボルボ社
引用:ボルボ・カー・ジャパン
自動車メーカー・ボルボ社は、2018年に新型・V60の宣伝の際にティーザー広告を利用しています。
新車に布をかぶせて見た目を隠し、公開までの時間をカウントダウンするティーザーサイトを公開しています。
参考:ボルボ、新型「V60」デビューを予告 – Car Watch
見た目がわからないと、消費者は興味・関心を持つものです。
さらに、見た目を隠している布が取れるまでのカウントダウンがあると、数字が少なくなるにつれてより期待感が高まります。
興味・関心・期待をうまく持たせたティーザー広告です。
シン・ゴジラ
ティーザー広告は、映画の宣伝にもよく使われます。
2016年に公開された映画『シン・ゴジラ』のティーザー広告は、ゴジラから必死に逃げる人々が映し出され、間にキャストやスタッフの名前が入り、最後にタイトルと公開日が出る構成です。
パニック映画を思わせるような人々の混乱や、スリルが入り混じった感情を表すような予告動画になっています。
ゴジラは鳴き声が聞こえるだけで姿は一切映っていませんが、ゴジラから必死に逃げていることがわかる動画であり、視聴者に衝撃的で強烈な印象を与えています。
ティーザー広告でユーザーの興味・関心をひきつけよう
ティーザー広告は、消費者に興味や関心を持たせ、期待感を高められる広告です。
今はSNSがあるため、話題になりやすいだけでなく拡散性もあります。
また、ユーザーの反応を見て次の広告内容を変えられるため、うまく使えば高い成果が期待できます。
しかし、あまりにも小出しにしすぎたり、逆に情報量が多すぎたりすると消費者は興味・関心を持ちません。
バランスがうまく取れないと、消費者に悪い印象を与えてしまう可能性があります。
商材の魅力を最大限に伝えられるよう、情報を出す量・配信のタイミング・ビジュアルへの注力などを考えなければなりません。
ティーザー広告をうまく使って、ユーザーの興味・関心をひきつけましょう。
なお弊社では、Webメディア広告の出稿をご検討の方に「通販に最適なWeb広告媒体」を紹介しています。
詳しく知りたい方はぜひバナーをクリックして、資料をダウンロードしてください。