TVerは、近年ブームとなってきている、無料でテレビ番組を視聴できるアプリです。
TVerのユーザー数は順調に増えており、総ダウンロード数は6000万回を超えました。
このTVer内で流れるテレビ番組の冒頭・途中・最後等に表示される広告が「TVer広告」です。
TVer広告は、視聴の途中でスキップ出来ない仕組みになっており、企業の認知度を高めたり、商品やサービスの購買に効率よく繋げることができます。
本記事では、Tver広告の仕組み、料金・費用や、出稿の流れなどを解説します。
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TVerとは?
TVerとは、無料でテレビ番組を視聴できる人気のアプリであり、民放テレビ局が共同出資して運営している広告付きの「無料動画配信サービス」です。
出資しているのは日本テレビ・TBS・テレビ朝日・フジテレビ・テレビ東京の5社に加え、在阪民放局5社、広告代理店4社です。
ただし、全番組を配信しているわけではないので、みたい番組が決まっている場合は、事前に確認しておく必要があります。
TVerが人気となっている背景
TVerが6000万ダウンロードを超え人気となっている背景には、動画コンテンツの拡充と視聴者数の増加があります。
地域の民放など、今まで限られたエリアでしか視聴できなかった番組が、TVerを利用することで視聴できるようになりました。
また、コロナ禍による「巣ごもり需要」によって、動画配信サービスの利用者が増えたことも要因のひとつです。
さらに、公式の番組コンテンツを無料で楽しめるのがユーザー増加の理由になっています。
他の動画サイトなどの違法にアップロードされた動画とは異なり、TVerのコンテンツは放送基準に則って内容や表現がチェックされています。
民法テレビ局が連携して提供するサービスだからこそ、無料コンテンツであっても品質が担保されているのです。
TVerのユーザー層
NTTドコモ モバイル社会研究所が、2022年1月にスマホ・ケータイ所有者のTVer利用動向について調査をしています。(参照:NTTドコモ モバイル社会研究所)
2019年には、TVerの認知率は46.4%でしたが、3年後の2022年には72%まで達しました。
また、TVerの利用率は2019年には8.2%でしたが、こちらも2022年には16.4%に倍増しています。
視聴するユーザーは、年齢性別などの属性がバランスよく配置されているのが特徴です。
性年代別でのTVerの利用率は、女性全体で17.6%、男性全体で15.1%と女性の方が若干高い傾向にあるようです。
10代女性の利用率は特に高く、30%を超えていました。
上記の結果から、TVerは女性の消費者に商品を届けるのに最適な手法のひとつといえるでしょう。
Tverの特徴
TVerの大きな特徴は、民放TV局各社の番組が無料で見逃し視聴できる点です。
番組が配信される期間は番組終了から最大1週間です。
期間内であれば、見逃し配信中の番組は何回でも再生できるので、忙しくてもスキマ時間で番組を楽しめます。
スマホやタブレット・PCなど様々な媒体で再生ができるうえに番組数も多いため、様々なユーザー層が集まってくる点も特徴のひとつとして挙げられます。
Tver広告とは?
TVer広告とは、TVer内で番組を視聴する際に、テレビ広告のようなイメージで流す広告動画のことです。
TVer広告は広告スキップすることができない仕組みになっており、番組を視聴するためには必ず広告も視聴することになります。
なお、いつものチラシで新たなメディア展開ができる手法「チラシビジョン」が注目を集めており、コストを抑えて動画広告を制作したい企業におすすめです。
気になる方は「チラシビジョン」の詳細をこちらからご覧ください。
Tver広告の種類
TVer広告には、CPM課金(固定単価形式)、CPCV課金(オークション形式)という2種類の課金方式があります。
CPMは、広告が表示されるごとに課金される仕組みで、1000回表示当たりの値段が決まっています。
課金のタイミングは広告表示開始の時点で、広告を最後まで視聴せず途中で離脱した場合でも課金されてしまうので、注意が必要です。
しかし、単価が固定されているため、広告視聴数がわかりやすい点がメリットです。
CPCVは、完全視聴で課金される仕組みです。
オークション形式で、市況の変動に応じた単価で広告を出せます。
市況によっては、通常の費用よりも安く広告表示できる点がメリットでしょう。
ただし、CPM課金よりも優先度が低いため、広告が再生されない可能性があります。
広告が再生されないと効果が見込めないため、まずはCPM課金で出稿するのがおすすめです。
Tver広告の配信メディア
TVer広告は、TVer以外にも多くのTV系動画配信サービスに広告動画を配信可能です。
「日テレ無料DATA!」「TBS FREE」「フジテレビオンデマンド(FOD)」など、各テレビ局の自社サービスや、GYAO!などのシンジケーションサイトがこれにあたります。
これらの動画は、PCのブラウザやスマホのアプリ・CTV(コネクテッドテレビ)などで視聴できます。
Tver広告のターゲティング
TVer広告は、ログイン時の初回アンケートを基にして、以下のターゲティングが可能です。
- ユーザー属性データ
- コンテンツデータ
- 興味関心(TVアフィニティ)
以下で、詳しく解説します。
ユーザー属性データ
性別・年齢・エリアでターゲティングができます。
年齢は1歳刻み、エリアは都道府県と市区町村で選択が可能です。
コンテンツデータ
「ドラマ」「バラエティ」「アニメ」「報道・ドキュメンタリー」「スポーツ」などのカテゴリーから選べます。
さらに、サブカテゴリーとして恋愛・サスペンス・ヒューマンなど、36種類の細かいカテゴリーも準備されているため、より詳細なターゲティングが可能です。
興味関心(TVアフィニティ)
興味関心は「TVアフィニティ」と呼ばれており、「ビジネス・経済」「自動車」「テクノロジー・ガジェット」などのジャンルから選択できます。
また、OSやキャリアなどの指定も可能です。
なお、TVer広告の特徴や仕組みなど概要について詳しくは「TVer広告の特徴や仕組みとは?クリックされるためのポイントも解説!」を参考にしてください。
Tver広告の料金と出稿の流れ
TVer広告の実際の料金はどれくらいか気になる方も多いのではないでしょうか。
そして、出稿の流れもあわせて把握したい方もいるでしょう。
ここからは、Tver広告の料金と出稿の流れを解説します。
Tver広告の料金の仕組み
TVer広告の動画秒数は6秒・15秒・30秒・60秒で、広告のサイズはアスペクト比16:9のMP4ファイルと決められています。
この動画のサイズは、一般的なテレビ広告やYouTube動画と同じサイズなので、使い回しもでき効率よく商品やサービスを訴求できるでしょう。
TVerの広告は、動画の冒頭・途中・最後のいずれかに配信されます。
テレビ広告のように、番組の内容・構成に沿った最適なタイミングが自動的に選択されます。
しかし、TVerのシステムによって広告の配信時間が決められるため、広告配信枠の指定ができないので、注意が必要です。
TVer広告の出稿にかかる費用
TVer広告の出稿にかかる費用は、CPM(広告表示1,000回)あたりの金額が約4円~20円程度、最低出稿金額は50万円というのが一般的です。
ただし、TVer広告の出稿費用は問い合わせが原則で、広告担当者へ問い合わせをして見積もりを出してもらう流れとなっています。
広告の内容・長さ・配信回数・求める効果などによって費用を細かく調整することが可能なので、一度問い合わせをしてみてください。
Tver広告出稿の流れ
Tver広告出稿の流れは、以下の通りです。
- TVer広告へ問い合わせ
- 広告担当者と打ち合わせ
- シミュレーション・見積もり提示
- 業態考査(各放送局が広告主を審査し、アカウントを開設)
- 広告の発注
- 素材考査(各放送局が動画広告の素材を審査)
- 媒体申し込み
- 広告配信開始
- 配信結果のレポート提出
業態考査と素材考査では、「過激または悪質な事業内容・広告ではないか」という点を厳密に審査されます。
この両方を通過した放送局から、順次広告動画が配信されます。
全スケジュールの日程にかかる期間は、20営業日ほどです。
Tver広告のメリット
TVer広告のメリットは、以下の5つです。
- 広告の視聴完了率が非常に高い
- 広告が受け入れられやすい
- ターゲティングの設定方法が豊富
- あまりテレビを見ないユーザー層に訴求できる
- テレビ広告との相乗効果でブランドリフトが可能
ひとつずつ詳しく解説します。
広告の視聴完了率が非常に高い
TVer広告の最大のメリットは、視聴完了率が非常に高いことです。
公式発表では、スマートフォン・PC・コネクテッドテレビのいずれの媒体でも、視聴完了率は95%以上という高い値でした。(参照:TVer)
これは、TVer広告はスキップできず、最後まで見ないと動画が見られない仕組みになっているためです。
広告の視聴完了率が高ければ、商品やサービスの訴求がしやすくなります。
また、さまざまな動画を視聴するユーザーは、同じ広告を繰り返し目にすることになるので、商品やサービスについて訴求がしやすいといえます。
広告が受け入れられやすい
広告が受け入れられやすい点もTVer広告のメリットです。
その理由は2つあります。
番組の内容や構成に沿った広告枠で広告が配信される
テレビ視聴者は、テレビを見る際に広告が入ることに違和感を覚えません。
それは、構成がしっかりとしており、YouTubeのように動画再生中に急に広告が入ることがないためです。
TVer広告は、テレビ広告と同じように、番組開始前・開始約10分後・エンドロール後など、自然なタイミングで広告が入ります。
なので、視聴者に違和感やわずらわしさを与えずに見てもらえるのです。
審査に通った安心な広告のみが配信される
TVer広告には、法律に違反している広告や、過激な広告がありません。
TVer広告のアカウントを開設したり、広告を配信したりするためには、厳しい審査を通過する必要があります。
そのため、他の動画広告に見られるような、過大・過激な表現が含まれる悪質な広告は配信されません。
また、視聴している番組と広告との相性なども審査されてから配信されるため、番組と広告を続けて視聴しても違和感がないのです。
ターゲティングの設定方法が豊富
TVer広告は、独自のターゲティングができる点もメリットです。
TVerは、アプリをダウンロードした際、生年月日・郵便番号・好きなジャンルなどの登録が求められます。
さらに、ユーザーの検索履歴、年齢や性別などの属性を含むDMPという外部データがあり、この2つを組み合わせることで詳細なターゲティングができるのです。
年齢や性別、居住エリアなど、ユーザーの情報が細かく絞り込めるため、興味関心の高い層に効率的に広告を配信できるでしょう。
また、キーワードや番組カテゴリを指定してのターゲティングもできます。
特徴的なものでは「天気連動配信」というものもあり、特定の天候や気温を条件に広告の配信もできます。
あまりテレビを見ないユーザー層に訴求できる
TVer広告は、普段テレビを見ないユーザーに対して広告を配信できることも大きなメリットといえるでしょう。
TVerは、場所や時間・視聴媒体などに関係なく、無料で見たい番組を視聴できるため、普段それほどテレビ見ないユーザーも利用しています。
特に、テレビ離れが進んでいると言われる10〜20代の若年層や、利用者比率の高い女性層に対しては、高い広告効果が期待できます。
テレビ広告との相乗効果でブランドリフトが可能
テレビ広告は不特定多数が視聴するため、ターゲティングが難しいですが、TVer広告は年齢や性別などのターゲティングが可能です。
テレビ広告は、リアルタイムでテレビ番組を視聴するユーザーにのみ配信されます。
一方で、TVerは「見逃した番組を好きな時に見られる」のが特徴なので、TVer広告はテレビ番組を見逃してしまったユーザーにもリーチできます。
TVer広告とテレビ広告の特徴を理解し、組み合わせて配信することで、さらに幅広い視聴者へのリーチが可能となるでしょう。
Tver広告に出稿する際のポイント
TVer広告を確実にクリックしてもらうために、押さえるべきポイントは3つあります。
- ターゲティングを狭くし過ぎない
- スマホでの視聴をベースに動画の質を担保する
- 審査期間を考慮して余裕をもって入稿する
これらをひとつずつ確認しましょう。
ターゲティングを狭くし過ぎない
TVer広告は高精度にターゲットを絞れますが、絞り過ぎには注意が必要です。
ターゲットを狭くし過ぎると広告の表示回数自体が減ってしまい、十分な効果が得られない可能性があります。
最初は広い範囲に広告を配信し、結果を見ながらより反応がよいユーザー層へターゲティングを絞っていくという方法がよいでしょう。
スマホでの視聴をベースに動画の質を担保する
TVerは、スマートフォンやタブレット・PC・テレビなど様々な媒体で視聴でき、なかでもスマートフォンからの視聴がほとんどです。
動画のサイズを考えて広告を出稿しないと、画質が落ちたり逆に動画自体が重くて再生が困難になったりします。
まずは、スマートフォン画面の大きさに配慮した広告をつくるのがよいでしょう。
既に制作してあるテレビ広告用の動画などを流用する場合は、文字のサイズを大きくするなど、スマートフォンユーザーを意識した工夫が必要です。
審査期間を考慮して余裕をもって入稿する
TVer広告の出稿には、資金調達・動画作成と確認・入稿・審査など、さまざまな過程があります。
特に、各局の審査を2つ通過する必要があることから、問い合わせをしてから配信ができるまでに20営業日ほど必要となります。
TVer広告の配信を考えるなら、スケジュールをしっかり組み、早めに制作・入稿するのがよいでしょう。
TVer広告は非常に訴求力が高くこれからも伸びていく広告方法の1つ
TVer広告は、最近利用者が増加していることで注目が集まっています。
他の広告媒体と比較して、高い視聴完了率や広告の受け入れられやすさ、ブランドリフト効果など、様々なメリットがあるためです。
さらに、TVerのユーザー数は年々増加しており、今後もさらなる増加が予想されています。
TVer広告がこれからも成長していく分野であることは間違いありません。
特徴や仕組みを理解したうえで、効果的な広告を出稿するとよいでしょう。
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