交通広告とは?6種類の特徴やメリット・デメリット・事例を解説

毎日の通勤・通学で利用する駅や電車の車内、バスの車体など、さまざまな交通機関のスペースで掲載されている交通広告は、私たちにとってなじみの深い広告です。

インターネット広告が大きく成長している中でも、交通広告は確実な効果が見込める広告手法として昔から長く利用されています。

この記事では6種類の交通広告を紹介し、交通広告の特徴やメリット・デメリット、成功事例について解説するため、ぜひ最後までご覧ください。

また、交通広告の出稿をお考えであれば、弊社へお気軽にお問合せください。

交通広告とは

交通広告とは、公共の交通機関(電車・地下鉄・バス・新幹線・飛行機・タクシーなど)において、乗り物や駅構内などに掲示する看板やポスター、ステッカーなどの広告の総称です。

近年では看板やポスターだけでなくデジタルサイネージの活用も進んでおり、設置したディスプレイから発信される動画広告も増えてきています。

通勤・通学や買い物など、日常生活の移動中に自然に目に入る交通広告は、狙ったターゲット層に繰り返し訴求できる効果的な広告メディアです。

広告市場の中で交通広告のシェアは2%程度と大きくはありません。

とはいえ、東京・名古屋・大阪などの通勤・通学利用者が多い都市部では、実際にユーザーが接触するメディアとして広告主からの評価が高い媒体です。

サイネージ広告については「デジタルサイネージ広告の料金について種類別に内訳を解説」も参考にしてください。

交通広告の種類6つ

代表的な交通広告として下記6つを紹介します。

  • 電車広告
  • バス広告
  • 駅広告
  • 新幹線広告
  • タクシー広告
  • 空港広告

それぞれの広告の特徴を比較しながら確認しましょう。

電車広告

電車広告は、社内に掲示される中吊りや、ポスター・ステッカーなどが主流ですが、最近ではデジタルサイネージによる動画広告、映像広告の割合も増えてきています。

乗車中に自然に目に入る広告であるため読んでもらいやすく、新商品の認知やキャンペーンの案内、ブランディングなどに利用されることが多いです。

事前に厳格な審査を受け公共交通機関にふさわしい内容かどうかを確認されるため、不快感を与えにくく信頼性が高い特徴があります。

電車広告の主なターゲットであるビジネスパーソンや学生は、通勤・通学で毎日のように電車を利用するため、反復して目にする刷り込み効果が期待できます。

また、路線やエリアでセグメントし、ターゲット層を絞り込んだ広告出稿が可能です。

電車の社内広告の料金については「電車内の広告をまとめて紹介!それぞれの特徴と料金の目安を解説」にまとめているためあわせて参考にしてください。

バス広告

バス広告には、車内・車体の広告とバス停付近の広告の2種類があります。

乗客数はそれほど多くないものの、電車と同様、毎日の通勤・通学での反復効果を期待でき、乗降客の記憶に残りやすいのがバス広告のメリットです。

運行路線を選択してエリアを絞った広告展開できるため、地域密着型のビジネスにも活用できます。

そのため、店舗の案内や病院・治療院などの告知によく利用されています。

車体広告は、通行者や運転ドライバーの目にとまりやすいため、ブランディング広告やキャンペーンの告知などに利用されることが多いです。

都市部では、バス停にデジタルサイネージ広告を掲示できるところも増えており、デジタルならではのメリットを活かした広告媒体として活用されています。

駅広告

駅広告とは、駅の敷地内に掲出する広告のことで、構内の駅ホームや改札口・階段などに掲出されます。

かつては駅看板やポスターが駅広告の主流でしたが、近年では都市部を中心にしてデジタルサイネージを掲示する駅が増えてきています。

デジタルサイネージは動画を用いたインパクトのある広告を発信でき、視認性が高く印象に残りやすいのがメリットです。

また、駅広告は駅近辺の住民に絞って訴求できるため、地域密着型のビジネス向けに適した広告媒体として多く利用されています。

駅利用者が毎日のように繰り返して目にする広告であり、反復による刷り込み効果も期待できます。

新幹線広告

新幹線は在来線と異なり駅と駅の区間が長く設定されているため、広告に長時間接触します。

また、社内に掲示されている広告メディアも限られているため、長期契約が多い人気広告のひとつとなっています。

新幹線の利用者の約7割がビジネス目的であり、決裁権を持つ役職者が利用する割合が高いのが特徴です。

そのため、大手企業のブランディング広告や企業向けサービスなどの広告によく利用されています。

車両の3列席前に掲載されるポスターボードタイプの広告や、車内に設置されている電光文字盤を活用した、メッセージタイプの広告があります。

タクシー広告

タクシー広告とは、タクシーを利用した広告のことです。

タクシーは高所得者の利用率が高いため、富裕層向けの広告や、経営者に訴求するBtoB向けの広告などに適しています。

タクシー広告の種類には、ドアステッカー・アドケース・車体広告などがあり、最近は前席の背もたれ部分に設置されたデジタルサイネージによる広告が急速に広まってきています。

タクシー車内のサイネージ広告は、乗客の目の前で動画で訴求できるため、非常に効果的な広告手法です。

プライベートな空間であることから、体や健康に関する広告などデリケートな内容の広告も出しやすい媒体といわれています。

高齢者の利用率も高いため、高齢者をターゲットにした健康食品や旅行商品などの広告にも利用しやすいです。

タクシー広告については「タクシーサイネージ広告とは?特徴やメリット・デメリットを解説」もご覧ください。

空港広告

空港広告とは、空港内に掲出できる広告のことです。

空港広告の種類はさまざまであり、代表的なものとしてはデジタルサイネージや電照看板広告などが挙げられます。

空港広告はグローバルなイメージの広告を展開しやすく、海外展開をおこなうビジネスやサービスのブランディングに有効です。

また近年急速に拡大している訪日外国人向けのインバウンド広告としても利用しやすい媒体といえるでしょう。

平日はビジネスパーソンが多く利用するため、ビジネス向けの広告出稿にも適しています。

交通広告の特徴

交通広告には、下記のような3つの特徴があります。

  • 信頼感が強い
  • 他広告媒体に比べて嫌悪感が抱かれにくい
  • ユーザーのスピーディーなアクションが期待できる

それぞれの項目について確認しましょう。

信頼感が強い

交通広告は、公共交通機関に掲示されることから信頼感が強いメディアです。

広告表現に関する制限もあり、インターネット広告などと比較して広告の審査も厳しいため、ユーザーは安心して広告に接触できます。

交通広告に対する高い信頼感が、広告主企業に対する信頼感や安心感にもつながっているといえます。

まだ知られていない新しい企業や新商品の広告には、こうした交通広告の信頼感が有効です。

他広告媒体に比べて嫌悪感を抱かれにくい

交通広告は、他の広告媒体に比べて嫌悪感を抱かれにくいのも大きな特徴です。

広告を見るかどうかは乗客の意思に委ねられていて、強制的に見せるタイプの広告とは異なります。

そのため広告が読み込まれる確率も高くなり、反応が得やすい傾向があります。

ユーザーのスピーディーなアクションが期待できる

交通広告が掲示されている公共交通機関は、コンビニエンスストアやデパート、専門店などが近くにあるため、広告を見て気になる商品があればすぐにアクションにつながりやすいです。

テレビや雑誌の場合は、広告を見て商品に興味がわいたとしてもすぐに買いに出かけるのは面倒に感じることも多いでしょう。

交通広告は、広告に接する人と購買ポイントが近いため、行動につながりやすいのが大きな特徴です。

交通広告のメリット3つ

交通広告には下記の3つのメリットがあります。

  • 細かいターゲティングができる
  • エリアを限定して広告を出稿できる
  • ユーザーに広告を覚えてもらいやすい

それぞれのメリットについて解説します。

細かいターゲティングができる

交通広告には不特定多数向けの広告といったイメージがありますが、ある程度細かく属性やターゲットを絞って広告を出稿できます。

例えば、タクシー広告は経営者・管理職などの富裕層や高齢者の利用が多いことから、こうした層に向けて高級ホテルや健康食品などの広告を発信すると反響が期待できます。

新橋駅や大手町などビジネス街の駅広告は、ビジネスパーソン向けや企業向けなどにターゲットを絞った新サービスやセミナーなどの広告が適しているでしょう。

また、ファッションや美容に興味が高い女性が集まる表参道駅では、化粧品や美容院などの広告が効果的です。

掲出場所の選択でターゲットを絞り込み、無駄な広告費を削減して広告の効果を高められます。

エリアを限定して広告を出稿できる

駅広告や電車広告、バス広告などは、エリアを絞って地域の生活者や通勤・通学者向けに広告を打てるメディアです。

地域に密着した店舗系の事業やサービス事業などには、効果的な広告の一つといえるでしょう。

ユーザーに広告を覚えてもらいやすい

通勤・通学で利用する電車・バス・駅の広告は、毎日のように繰り返し目にするため、記憶に残りやすく、覚えてもらえる可能性が高くなります。

日常的に接するため、商品やサービスに親近感を持ってもらいやすく、信頼性アップにつながりやすいでしょう。

交通広告のデメリット3つ

交通広告には下記のような3つのデメリットがあります。

  • データの計測が難しい
  • 広告掲載までに時間がかかる
  • 差別化が難しい

それぞれ詳しく確認しましょう。

データの計測が難しい

何人が広告を見て、何人が商品を購入したかなどの詳細なデータの計測が難しく、広告の効果測定がしにくいのが大きなデメリットです。

交通広告は、どちらかというと長期的な認知の拡大やブランディングの浸透に適したメディアといえるでしょう。

とはいえ、近年ではスマートフォンの機能と連動させたりデジタルサイネージとカメラを連動させたりと、広告効果の可視性アップも進められています。

広告掲載までに時間がかかる

公共交通機関に掲示する交通広告は、事前に厳格な審査があるため、Web広告のように申し込みをしてすぐには広告を掲載できません。

特にポスターなどの紙媒体の場合は、印刷工程にかかる時間を要します。

広告枠を押さえて広告の審査をし、印刷して掲出するには少なくとも2週間は必要です。

そのため、ある程度時間がかかることを念頭に置いておくのが無難でしょう。

なお、デジタルサイネージの場合は印刷不要であるため、1週間程度と短い期間で出稿可能です。

差別化が難しい

掲示される看板やポスターの大きさは規定があり、同じサイズのものが並んでしまうため差別化が難しいのがデメリットの一つです。

見る人の注意を集めインパクトを与えるためには、デザインやメッセージなどクリエイティブ面での工夫が求められます。

交通広告の成果を上げるためのコツ4選

交通広告の成果をさらに上げるためのコツとして、下記の4つを紹介します。

  • 交通機関に合わせた広告にする
  • 動画を積極的に活用する
  • インパクトの強さを重視する
  • 他社の広告を参考にする

それぞれについて解説しましょう。

交通機関に合わせた広告にする

交通広告の成果を上げるためには、交通機関ごとのユーザー層に合わせて広告展開することが重要です。

例えば、タクシー広告では、ビジネスパーソンや経営層が利用することが多いため、プレミアム感のあるサービスや高額商品を訴求すると効果的です。

一方、電車広告では通勤・通学で利用するビジネスパーソンや学生が多いため、日常的なニーズに応える商品やサービスが適しているでしょう。

このように交通機関ごとの利用者層に合わせたメッセージを配信することで、広告の効果を高められます。

動画を積極的に活用する

交通広告で成果を上げるためには、動画の活用が非常に有効です。

交通広告の手段として、交通機関に設置されたディスプレイの設置が広まっています。

ディスプレイを使った広告では、静止画よりも動画はユーザーの視線を引き、短時間で多くの情報を伝えられます。

また、動画は動きや音楽、音声を組み合わせることで、感情や感覚に訴えかけやすくブランドのストーリーテリングにも最適です。

視覚と聴覚の両方に訴えてユーザーに強い印象を残せるため、広告効果がさらに高まります。

インパクトの強さを重視する

視覚的なインパクトを強調することで、広告の効果をさらに高められます。

特にデジタルサイネージを活用する場合、動画やアニメーションはユーザーの目を引く大きな要因となります。

LEDディスプレイは、従来の印刷広告や看板に比べて非常に明るく鮮やかで、注意を引きやすいのが特徴です。

こうした特性を活かし、視覚的に強い印象を残すクリエイティブなコンテンツを制作することが効果的な広告運用につながります。

他社の広告を参考にする

交通広告の効果を上げるためには、他社の広告を参考にすることも重要です。

実際に駅やバスなどの交通機関を利用すれば、さまざまな広告を目にすることができ、広告手法やデザインのヒントが得られます。

また、SNS上で話題を呼んでいる広告は、注目を集める要素が詰まっていることが多いので、それを参考に自社の広告に活かすのが効果的です。

少し探すだけでも、こうした有益な事例を簡単に集められます。

交通広告の成功事例4選

ここでは実際に交通広告に出向して成功した事例を4つ紹介します。

  • 博多一風堂
  • フジテレビ ドラマ『ルパンの娘』
  • 芝公園歯科
  • ダイヤモンドダイニング

これらの事例を参考に自社の広告を検討してください。

博多一風堂

参考:一風堂

博多発祥の豚骨ラーメンチェーン『博多一風堂』が湘南エリアに初めて店舗をオープンした際の事例です。

江ノ島電鉄の中吊り広告と駅の屋外広告を掲示し、湘南地域一帯の世帯向けに新聞折込チラシを配布してメディアミックスした広告展開をおこないました。

江ノ島電鉄沿線の住民にターゲットを絞り、通勤・通学の利用者に向けて中吊り広告り広告でオープンを告知しました。

店舗が幹線道路沿いに位置するため、誘導看板を設置して地域住民と観光客に認知を広めることに成功しています。

広告出稿はオープンの2週間前の限られた時間の中で実施されましたが、オープン日には約1,000人以上が来店し行列になりました。

なお、複数のメディアを組み合わせるメディアミックスについては「メディアミックスとは?事例をもとに成功するポイントを解説」を参考にしてください。

フジテレビ ドラマ『ルパンの娘』

参考:フジテレビ『ルパンの娘』

フジテレビはドラマの新番組『ルパンの娘』の番組告知として、泥棒一家のストーリーにかけたポスターを各駅に掲示し話題になりました。

「銀」や「しんじゅ(真珠)」などお宝に関連する文字が入った駅名標から、駅名の一部分が盗まれたようなクリエイティブを作成しました。

例えば、新宿駅では「新宿」の文字部分を隠し「”しんじゅ”はいただきました」とメッセージをつけています。

ファンの間では、どの駅で何が盗まれたのかを探してSNSで知らせ合うことがブームとなり広まりました。

芝公園歯科

参考:芝公園歯科・国際インプラント

インプラントなどの自由診療を中心に行っている芝公園歯科は、富裕層をターゲットにしたタクシー広告を展開しました。

東京エリアの700台のタクシーのアドケースを使って、1カ月間で約9,000枚のリーフレットの配布に成功。

結果として、歯科医院の認知が高まり、Webサイトのアクセスにもつながっています。

これまでは紙媒体とWebを介した広告を展開していましたが、富裕層や高年齢層に絞った広告媒体としてタクシー広告を利用したことで、新たなユーザーに向けて発信できました。

ダイヤモンドダイニング

参考:ダイヤモンドダイニング

首都圏に約90店舗の居酒屋を運営するダイヤモンドダイニングでは、忘年会シーズンを狙って新宿駅に掲示していた駅看板を冊子用のラックに交換しました。

ラックには新宿エリアにある自社店舗の詳細な情報を掲載した冊子を備え、目にした人が誰でも自由に手に取れるようにしたのです。

その結果、掲載から1か月で3,000冊以上の冊子が手に取られ、新宿エリアにある約20店舗の集客に大きなプラスとなりました。

冊子の数で反響の状況をつかめたうえに、冊子内のクーポンの利用状況で効果を測れたことも大きな収穫でした。

ユーザーの導線に合わせ、タイミングよく仕掛けたことで大きな成果を得られた事例です。

交通広告はネット時代でも有効な広告手法

ここまで、交通広告について6種類を紹介し、特徴やメリット・デメリットと4つの成功事例を解説しました。

電車の中吊りや駅の看板など、交通広告は昔から続く広告の形態です。

インターネット広告が盛んになっている状況でも、交通広告ならではのメリットを活かして大きな成果を上げる企業も少なくありません。

ぜひ御社の広告戦略にも採り入れてみてはいかがでしょうか。

交通広告の出稿をお考えであれば、弊社へお気軽にお問合せください。