テレビ広告とは?特徴や種類・仕組みなどを詳しく解説

テレビは私たちの生活に欠かせないメディアとして様々な情報を発信しています。

インターネット時代になったといわれてはいるものの、多くの人に情報を届けられるテレビは、非常に強力な広告媒体です

テレビ広告にはテレビCM、ミニ番組、インフォマーシャルの3種類があります。

この記事では、それぞれどのような特徴があり、どのようなメリット・デメリットがあるかを詳しく解説します。

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テレビ広告とは

テレビ広告とはテレビを通じた広告のことです。

テレビCMが大半ですが、ミニ番組やインフォマーシャルという形式の広告もあります。

テレビ広告の仕組み

テレビ広告は映像、音声などを使って商品やサービス、企業そのものを伝える目的で発信されます。

広告の効果で売上アップや企業のイメージアップにつなげ、業績を向上させるのが狙いです。

広告を出したい企業は、広告代理店などに依頼するのが一般的です。

広告代理店の担当者は、広告主の企業と広告代理店で打合せをして、どのような形で広告を作るのか、予算はいくらか、どの時期に放送するのかを検討します。

広告代理店は、自社の制作部門や制作会社に依頼して広告用の動画を制作し、テレビ局の放送枠を購入します。

テレビ広告が実際に放送されるまでは、企画の段階から数カ月かかるのが一般的です。

テレビ広告の種類

テレビ広告にはいくつか種類があり、それぞれ特徴やメリットなどが異なります。

主なテレビ広告は、以下の4つです。

  • テレビCM
  • ミニ番組
  • インフォマーシャル
  • ペイドパブ

それぞれの特徴などを簡単に確認しましょう。

テレビCM

テレビCMとは、番組と番組の間や、番組中に流れる15秒や30秒程度のコマーシャルメッセージのことで、テレビ広告の大半がこのテレビCMといっても過言ではありません。

テレビCMには、放送する番組を指定できる「タイムCM」と、番組指定ができない「スポットCM」の2種類があります。

タイムCM

タイムCMとは、企業が個別の番組のスポンサーとして放送するCMのことです。

CMを放送したい番組と秒数を決めてその枠を購入する形式で、秒数は30秒・60秒・90秒です。

自社商品の顧客層に合う番組の視聴者に向けてイメージアップのCMが出せます。

番組の視聴者層に合わせることで、ターゲットを絞ったコンテンツの発信が可能です。

タイムCMのスポンサーとなると、番組のはじめもしくは終わりのタイミングで「この番組は〇〇の提供でお送りします」などのアナウンスを流してもらえ、ブランディングやイメージアップにつなげやすいでしょう。

スポットCM

スポットCMとは、番組の指定はできず、テレビ局が指定した時間に放送されるCMのことです。

期間の縛りがなく、金額、期間、放送したい時間帯などに合わせて放送できるのが特徴です。

放送秒数は15秒からで、契約期間の縛りがなく短期間でも問題ありません。

なお、タイムCMのように番組で提供アナウンスを流してもらうことはできないものの、幅広い層にアピールする場合や、地域・時間帯を絞った内容を放送する場合に適しています。

テレビのスポットCMについて「TVのスポットCMとは?タイムCMとの違いやメリット・デメリットを解説」で詳しく解説しているので、あわせて確認してください。

ミニ番組

ミニ番組とは、通常の番組と番組の間に5分間程度で放送される短い番組のことです。

通常は1社提供で発信されており、提供する企業のイメージや世界観に合わせた番組を作るケースが多いです。

スポンサー企業にとっては、イメージアップやブランディングにつながる広告であり、テレビ局にとっては広告枠が増えるため売上を伸ばしやすく、双方にメリットがあります。

インフォマーシャル

インフォマーシャルとは、インフォメーション(Information)とコマーシャル(Commercial)をあわせた言葉で、商品やサービスに関する情報をテレビで紹介する広告のことです。

テレビ通販などで用いられる1分、2分の短い枠のものから、30分程度の長いものまであります。

テレビショッピングタイプ、テレビ番組タイプ、番組内コーナータイプなどがあり、健康食品やサプリメント、車や家電などさまざまなジャンルの商品がインフォマーシャルで流れています。

インフォマーシャルは、もともとアメリカで放送されているテレビショッピングのジャンルのひとつで、日本では2000年前後から始まりました。

現在では、ジャパネットたかたなど通販のテレビCMが広く知られており、目にしたことがある方も多いでしょう。

テレビ広告の特徴

私たちの身近にあるテレビ広告には、どのような特徴があるか、確認しましょう。

  • 人々の認知に直結している
  • 信頼度が高い
  • 親近感を持ってもらいやすい

人々の認知に直結している

インターネット上のメディアが増え、スマートフォンなどで情報収集をする人も多いものの、まだまだ大テレビを通じて情報収集する人も少なくありません。

全国規模でも発信できるテレビは、広告のボリュームにもよりますが、多くの人に認知される特徴があります。

信頼度が高い

テレビには非常に高い影響力があるため、テレビ広告の発信には厳しい基準を設けた審査を通る必要があります。

視聴者側には、テレビで流れたものということで、信頼されやすい傾向があります。

親近感を持ってもらいやすい

テレビは未だに身近なメディアとして、日常生活の一部となっているでしょう。

好みの番組のスポンサーは、番組のイメージとともに視聴者に親しみを持たせる効果があります。

テレビ広告のメリット

テレビ広告がどのようなメリットがあるのか確認しましょう。

  • 幅広い層にリーチできる
  • 印象に残りやすい
  • 購入の後押しになる
  • 即効性がある

幅広い層にリーチできる

テレビ広告は、老若男女問わず幅広い層にリーチしやすいでしょう。

スマートフォンが普及し、動画を個別に見る視聴スタイルが広まってきていますが、今でも家族でテレビを見るケースも十分に考えられます。

また、何気なく流れているテレビ放送からCMを通じて商品やサービスを知ることも多く、これまで知らなかったものが一気に知られるようになることがあるでしょう。

印象に残りやすい

テレビCMは15秒や30秒という短い時間でメッセージを伝えるため、非常にインパクトの強い映像やメッセージにより印象に残りやすいです。

そして、短期間で何度も繰り返し視聴することになれば、視聴者の記憶に残るようになります。

売り場で商品を見たときに、テレビCMで見たことがある商品は、そうでない商品と比べて選ばれやすくなる可能性があるでしょう。

購入の後押しになる

テレビ広告には、視聴者の購入を後押しする効果があります。

売り場でテレビ広告で見たことある商品を手にした場合に、CMでやっていたから買って試してみようと思うことは少なくないでしょう。

テレビが持つ信頼感や親近感がさらに後押しする効果を高めているのです。

特に、テレビ通販では1回の放送で数億円の売上になることもあるため、その効果は非常に大きいといえます。

即効性がある

テレビ広告には即効性があります。

短い時間であっても、その中でインパクトのある訴求ができれば、それを見た消費者がすぐに行動に移す可能性があります。

また、有名タレントを起用すれば、タレントの認知度や好感度などによってはすぐに売上につながる可能性もあるでしょう。

信頼度が高く親近感をもってもらいやすい特徴があることで、目にした多くの人に行動を促せるのです。

テレビ広告のデメリット

テレビ広告には多くのメリットがありますが、デメリットについても確認しておきましょう。

  • 費用が高い
  • 効果測定しにくい
  • セグメントしにくい

費用が高い

テレビ広告は制作費や高額な放送料がかかり、他のメディアに出稿する広告と比較して金額が高くなりやすいでしょう。

特に、視聴率の高い全国放送の番組では、1回の放送でも1000万円近い放送料がかかることがあり、費用に効果が見合うのか考えなければなりません。

とはいえ、放送エリアや時間帯などをしっかりターゲットに合わせられれば、費用を抑えて広告を出せます。

テレビ広告にかかる費用を細かく把握したうえで、予算や目的に合わせて出稿するとよいでしょう。

テレビ広告の費用について

タイムCMの料金は、放送曜日や時間帯、視聴率によって異なります。

全国ネットの番組であれば、6か月間で1000万円以上の放送料がかかることになります。

  • 日本テレビ 15秒CM1本 75万~100万円
  • テレビ東京 25万~50万円
  • テレビ神奈川 4万円
  • 群馬テレビ 2万5000円

スポットCMの料金は「GRP」と「パーコスト」で決まり、計算式は以下の通りです。

「GRP×パーコスト=スポットCMの料金」

「GRP」とは世帯視聴率の合計値のことで、最近では個人視聴率の合計値であるPRPを用いることが主流になりつつあります。

「パーコスト」とは視聴率1%につきいくらという放送費の単価のことです。

パーコストの価格は、テレビ局側の事情と発注するスポンサーの要望を照らし合わせたうえで、見積りと交渉によって決定するため、放送局によって値段が異なる点に注意が必要です。

また、ミニ番組やインフォマーシャルの制作費は、放映料金の中に番組制作、キャスティング、CM放映費用が含まれたパッケージになっていることが多いです。

基本的なミニ番組の料金一般的に短尺で300万~600万円、長尺で600万~1,000万円超になり、インフォマーシャルの場合も数百万円ほどの費用が必要となるケースが多いでしょう。

効果測定しにくい

テレビ広告では、Web広告のような効果を測定する方法がないため、テレビ広告がどの程度届いてどれだけ売上につながったのかを測定しにくいです。

広告の効果でどれだけ売上アップや知名度アップにつながったのかを具体的な数字で見ることができないため、Web広告に比べると大きなデメリットといえるでしょう。

ただし、テレビ通販の場合は、1回の放送あたりの売上が集計できるので効果が分かりやすいです。

テレビ通販の会社は、放送のたびに細かくデータを集計しており、次の企画に活かそうとしています。

セグメントしにくい

テレビ広告は、時間帯と曜日などでターゲットを絞っていますが、正確なセグメントをするのは難しいです。

一方、Web広告では詳細な履歴情報などが得られるため、簡単にセグメントした情報発信ができます。

テレビ広告でセグメントするためには、リサーチデータを収集・分析した結果から仮説を立て、テストを行っていくとよいでしょう。

テレビ広告を効果的に使うには

テレビ広告を効果的に使うにはどうすればよいでしょうか。

ここでは、テレビ広告を効果的に使うポイントを解説します。

  • ターゲットを考慮した広告を制作する
  • 費用対効果を考える

ターゲットを考慮した広告を制作する

テレビ広告を制作する際は、ターゲットを考慮しましょう。

商品の特性やアピールポイントをしっかりと捉えたうえで、ターゲットの特性を十分リサーチし、そこにマッチする広告を作成することで効果を高められます

どのようなビジュアルやメッセージがターゲットに刺さるのかを確認して制作を進めていくとよいでしょう。

なお、ターゲットを単純なイメージで捉えるのではなく、リサーチやテストをしっかりやった上で広告を出すと効果が上がりやすくなります。

費用対効果を考える

テレビ広告は、費用対効果をしっかりと考えて出稿しましょう。

テレビ広告は、放送時間帯や曜日によって費用が大きく異なります。

ターゲット層の視聴傾向や想定視聴率・リーチ数などを推測し、効果をシミュレーションして費用対効果を高めることが重要です。

例えば、平日の昼間の時間帯は、主婦向け商品に適しているとされていましたが、共働き家庭が増えたことで昼間よりも夜や休日に放送するほうが効果が高い場合があります。

ターゲットについて深く考えることで、より効果を高めやすくなるでしょう。

なお、広告費の補助制度について「広告費の補助金制度とは?種類や申請時のメリット・デメリットも解説」で解説しているので、あわせて確認してください。

テレビ広告の主な事例

ここでは、テレビ広告の主な事例を紹介します。

  • 日清「どん兵衛」
  • サントリー「ほろよい」
  • Sansan「クラウド名刺管理」
  • ビズリーチ
  • リクルート「エアワーク」

日清「どん兵衛」

 

引用:日清

カップの即席麺で有名な日清食品が提供している「どん兵衛」のCMが話題になりました。

「どん兵衛」を食べる男性と、かわいらしいきつねの化身が登場する若年層を狙ったCMは、出演タレントや企画内容がマッチし、商品の売上アップに貢献しました。

日清食品のCMはターゲット層をち密に研究し、響くコンテンツが多く提供されていて度々ヒットしています。

市場が飽和状態の食品業界では、広告によって店舗における売り場の陳列の仕方にも影響し、売上も大きく変わってくることから、どのような広告を発信するかは非常に重要と考えられています。

サントリー「ほろよい」

引用:サントリー

飲料メーカーのサントリーが提供するアルコール飲料「ほろよい」シリーズのCMです。

「ほろよい飲んで、なにしよう?」をキャッチコピーとして、アニメーションを通じて気軽に楽しめるシーンを提案しています。

アルコール離れが叫ばれる若者層に、アルコール度数が低い飲料の楽しみ方を提示することで新たな市場の拡大に貢献しました。

ビールのような爽快感をアピールするCMとは違って、ゆるい雰囲気が若者の共感を得ることになりました。

Sansan「クラウド名刺管理」

引用:Sansan

BtoB向けサービスを手掛けるSansanは、同社のクラウドサービス「クラウド名刺管理」を広めていくために大きな予算をかけてテレビCMを展開しました。

実際にビジネスの世界で起こりそうなシーンをピックアップし、有名俳優を起用してユーモラスに表現することで、「クラウド名刺管理」が課題解決に役立つことを大いにアピールしました。

サービスの紹介とともに企業の知名度も上がり、その後の事業展開の大きなプラスとなったのです。

これまで多くの人は「クラウド名刺管理」のことを知らなかったため、利用することでどのようななメリットがあるのかがわかりませんでしたが、CMの効果でわかりやすく伝わりました。

知っている企業か聞いたことがない企業かは、導入の最終的な判断に大きく影響します。

ビズリーチ

引用:ビズリーチ

ビズリーチは、これまで日本ではあまり馴染みがなかったスカウトという採用方法であるため、どういった場面でどのように活用できるのかを、わかりやすくアピールしています。

ビジネスパーソンにとって、今や転職は当たり前になっている中で、ビズリーチに登録して自分の市場価値を図るという新しい流れを作ることに成功しました。

自分もビズリーチに登録すれば、魅力的な企業からのスカウトが来るのではないかと思わせる内容となっていて、自分も試しに登録してみようと考える人が増えたでしょう。

「ビズリーチ!」という言葉とキメのーズで、ブランディングにも大きく貢献し、ビジネスパーソンや企業経営者にビズリーチのサービスが浸透していきました。

他にもスカウトを行っている人材サービス企業は多くありますが、その中でもビズリーチは一躍有名な企業として知られるようになっています。

リクルート「エアワーク」

引用:エアワーク 採用管理

リクルートが新たに展開した無料で簡単に求人サイトが作れるエアワークの特徴を、有名タレントを起用し中小企業を舞台にしたコント芝居形式で紹介しています。

シリーズ化していくつものパターンを放送していくことで、エアワークの複数あるメリットを伝えることができ、中小企業の経営者や採用担当者にも響く内容となっています。

1つのテレビCMの中で多くのメリットをアピールしようとしてもなかなか伝わりません。

そこで、ポイントを絞ったCMをシリーズ化することで、多くのメリットを伝えることができました。

近年の人手不足で採用に悩む企業は非常に増えており、様々な企業が求人広告や転職サービスのCMを出すようになっています。

リクルートは、エアワークのテレビCMを通じて、新しい採用の形を広くアピールできました。

さらに、無料のサービスであるエアワークを入り口として、リクルートの他のサービスにも目を向けるきっかけとすることに成功しています。

テレビ広告の種類や特徴を理解しよう

テレビ広告は費用がかかるというイメージもあり、あまり導入を前向きに考えたことがない企業担当者も多いのではないでしょうか。

テレビ広告は、最近ではネット広告などの影響により価格が低下してきており、ターゲットに合わせた曜日や時間帯、放送局などを絞れば、それほど大きな予算をかけずに高い効果を狙えます。

また、現在では、自社の既存のチラシデータがあれば、テレビ広告にも使える動画を低価格で制作できる「チラシビジョン」という広告手法が注目を集めています。

Yahoo! JAPANのサイト上に展開が可能であるほか、TwitterやInstagramなどの5つのWeb媒体から選んで簡単に広告が出せるのがメリットです。

「チラシビジョン」の詳細はこちらからご覧いただけます。

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