ブランド・ジャパン2025ランキングから次世代の戦略を読み解く

ブランド・ジャパン2025ランキングから次世代の戦略を読み解く

日々変化する市場の中で、「自社のブランド価値をいかにして高めるか」という課題は大きなものです。

消費者の価値観は多様化し、競合の戦略も絶えず進化しています。

このような状況で羅針盤となるのが、客観的なデータに基づいたブランド価値評価です。

そこで本記事では、「ブランド・ジャパン 2025」の結果を基に、ランキング上位企業の成功要因や市場全体のトレンドを徹底的に分析します。

単なる順位の紹介に留まらず、明日からのマーケティング戦略に活かせる具体的なヒントやインサイトの提供を目指します。

自社のブランド価値の高め方についてお悩みの方は、ぜひご一読ください。

また弊社では、Web広告で思うような効果を得られない方に向けて「紙媒体広告の効果的な活用法」を紹介しています。

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「ブランド・ジャパン2025」とは

「ブランド・ジャパン2025」とは

出典:ブランド・ジャパン2025

「ブランド・ジャパン」は、株式会社日経BPコンサルティングが2001年から毎年実施している、国内最大規模のブランド価値評価調査プロジェクトです。

25回目となる今回は、全国の消費者やビジネスパーソン6万2000人以上を対象に、1,000を超える企業・製品ブランドの価値を多角的に測定しています。

その信頼性と網羅性の高さから、多くの企業が自社のブランドポジションを把握し、戦略を策定するための重要な指標として活用しています。

調査の概要と2つの評価軸

ブランド・ジャパンの大きな特徴は、「一般生活者」と「ビジネス・パーソン」という2つの異なる視点からブランドを評価している点です。

これにより、BtoC(消費者向け)ビジネスとBtoB(法人向け)ビジネス、それぞれの領域におけるブランドの強みを客観的に把握できます。

評価軸対象者調査対象ブランド主な目的
一般生活者編全国の消費者企業・製品ブランド1,000消費者視点でのブランドの親近性や利便性、革新性を評価
ビジネス・パーソン編全国のビジネス従事者企業ブランド500ビジネス視点での企業の将来性や信用力、人材力を評価

自社の事業内容に合わせ、どちらのランキングを重点的に分析するかが、効果的な戦略立案の第一歩です。

評価指標

ブランド・ジャパンでは、ブランドの価値を「総合力」というスコアで示します。

この総合力は、複数の評価指標を組み合わせて算出されており、ブランドの強みを多角的に理解する上で非常に重要です。

一般生活者編の評価指標は以下の通りです。

  • フレンドリー(親近性):どれだけ親しみやすく、身近に感じられるか
  • コンビニエント(利便性):利用しやすく、生活に役立つ存在か
  • アウトスタンディング(卓越性):品質や性能が他より優れているか
  • イノベーティブ(革新性):常に新しさや話題性を提供しているか

ビジネス・パーソン編の評価指標は、以下の通りです。

  • 先見力:将来の展望や成長性が期待できるか
  • 人材力:優秀な人材が集まり、活躍しているか
  • 信用力:信頼できる誠実な企業であるか
  • 親和力:親しみやすく、好感が持てるか
  • 活力:勢いがあり、活気に満ちているか

以上の指標を見ることで、あるブランドが「なぜ評価されているのか」を具体的に理解できます。

ブランド・ジャパン2025総合ランキング

ブランド・ジャパン2025総合ランキングTOP30

それでは、早速「ブランド・ジャパン 2025」の一般生活者編における総合ランキングTOP30を見ていきましょう。

一般消費者編

今年は、デジタルプラットフォームの強さが際立つ一方、消費者の生活に密着した小売業の躍進も目立つ結果となりました。

特に、TOP10のうち6ブランドを流通・ECモールが占めた点は、今年の大きな特徴です。

順位(前年)ブランド名総合力(Pt)
1位(2)YouTube89.1
2位(3)Google86.0
3位(40)LAWSON ローソン85.5
4位(17)MUJI 無印良品84.5
5位(10)UNIQLO ユニクロ84.2
6位(5)DAISO ダイソー83.6
7位(3)Amazon アマゾン80.7
8位(13)NISSIN 日清食品80.5
9位(29)業務スーパー79.7
10位(6)LINE79.5
11位(8)TOYOTA トヨタ自動車77.9
12位(39)Häagen-Dazs ハーゲンダッツ77.2
13位(23)Nintendo 任天堂77.1
14位(4)CUP NOODLE カップヌードル76.8
15位(45)Seria セリア76.3
16位(33)ニトリ75.7
17位(37)iPhone75.6
18位(25)山崎製パン74.7
19位(18)Calbee カルビー74.3
20位(75)House ハウス食品74.2
21位(66)AEON イオン74.2
22位(30)丸亀製麺74.0
23位(41)KAGOME カゴメ73.8
24位(19)MORINAGA 森永製菓73.6
25位(6)SUNTORY サントリー73.5
26位(24)Microsoft マイクロソフト73.3
26位(33)McDonald’s マクドナルド73.3
28位(44)AEON MALL イオンモール73.1
28位(12)Disney ディズニー73.1
28位(96)mizkan ミツカン73.1
28位(20)meiji 明治73.1

出典:ブランド・ジャパン 2025|ブランドランキングTOP100を発表(CCL.日経BPコンサルティング)

ビジネス・パーソン編|年代による認知・評価に差がある

ブランド・ジャパン2025のビジネス・パーソン編の順位は以下の通りです。

順位全体29歳以下50歳以上
1位TOYOTA トヨタ自動車TOYOTA トヨタ自動車TOYOTA トヨタ自動車
2位Disney ディズニーSTARBUCKS スターバックス コーヒーSONY ソニー
3位Nintendo 任天堂Nintendo 任天堂SUNTORY サントリー
4位SONY ソニーAmazon アマゾンANA 全日本空輸
5位SUNTORY サントリーApple アップルDisney ディズニー
6位GoogleDisney ディズニーPanasonic パナソニック
7位Apple アップルFamilyMart ファミリーマートNintendo 任天堂
8位ANA 全日本空輸楽天HONDA 本田技研工業
9位KAGOME カゴメGoogleGoogle
10位STUDIO GHIBLI スタジオジブリMcDonald’s 日本マクドナルドSoftBank ソフトバンク
11位Panasonic パナソニックSaizeriya サイゼリヤApple アップル
12位JAL 日本航空morinaga 森永乳業ジャパネットたかた
13位Asahi アサヒビールJCB ジェーシービーKIRIN キリンビール
14位楽天SONY ソニーAmazon アマゾン
15位NISSHIN 日清食品TOSHIBA 東芝ニトリ
16位Amazon アマゾンNTT docomo NTTドコモ星野リゾート
17位NTT 日本電信電話LAWSON ローソンJAL 日本航空
18位ジャパネットたかたKao 花王AEON イオン
19位ニトリKAGOME カゴメBRIDESTONE ブリヂストン
20位JCB ジェーシービーPanasonic パナソニック7-ELEVEn セブンイレブン

出典:若者に知られていない? 年代別評価に見る企業イメージの世代格差(CCL.日経BPコンサルティング)

ビジネス・パーソン編では、世代ごとに評価が異なりました。

コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスといった価値観に寄り添ったブランドが若い世代から、信頼や歴史・伝統のあるブランドが高年齢層から支持を集めました。

【徹底分析】ランキング上位企業に学ぶ、ブランド価値向上の秘訣

【徹底分析】ランキング上位企業に学ぶ、ブランド価値向上の秘訣

ランキングの順位変動は、市場や消費者の変化を映す鏡です。

以下では、ランキング上位に輝いた企業が、なぜ消費者の支持を集めたのか、その具体的な戦略や成功要因を深掘りしていきます。

一般生活者編|消費者の心をつかんだ戦略とは

消費者の生活に寄り添い、高い評価を得たブランドには、明確な戦略が存在します。

特に評価を伸ばした上位企業の取り組みを見ていきましょう。

順位ブランド名評価された主な指標成功要因と具体的な施策
1位YouTubeコンビニエント、イノベーティブAI活用による機能改善や多様なコンテンツ提供で、生活に不可欠なプラットフォームとしての地位を確立
2位Googleコンビニエント、イノベーティブインタラクティブな検索広告や日本市場向けの機能改善により、ユーザー体験を向上
3位LAWSON ローソンフレンドリー、コンビニエント「盛りすぎチャレンジ」など、物価高騰下でお得感と楽しさを両立させたキャンペーンがSNSで話題化
4位MUJI 無印良品アウトスタンディングサステナビリティへの関心の高まりを背景に、再生素材の積極採用などエシカルな姿勢が評価される
5位UNIQLO ユニクロアウトスタンディング「ヒートテック」など主力商品の継続的な改良に加え、「40周年感謝祭」などのイベントで顧客との絆を強化

3位に躍進したローソンは、人気商品を大幅に増量する「盛りすぎチャレンジ」を実施しました。

これは単なる値引きではなく、エンターテイメント性を持たせることでSNSでの拡散を促し、多くの消費者の共感を呼びました。

このように、現代の消費者は単に便利なだけでなく、「共感できる」「応援したい」と思えるブランドを求めていることがわかります。

急上昇ブランドから見る市場の変化

総合ランキングだけでなく、前年からスコアを大きく伸ばした「上昇ランキング」にも成功のヒントがあります。

ブランド名上昇要因の分析
ローソン「盛りすぎチャレンジ」に代表される、お得感とエンタメ性を両立したキャンペーンが奏功
Netflix話題性の高いオリジナルコンテンツの継続的な投入と、多様なニーズに応える料金プランが支持を拡大
生茶(キリン)健康志向の高まりを捉えたリブランディング戦略と、積極的なコミュニケーション活動が消費者に浸透

以上3つのブランドに共通するのは、市場環境や消費者の価値観の変化を的確に捉え、迅速かつ大胆なアクションを起こしている点です。

変化を厭わず、常に新しい価値を提供し続ける姿勢が、ブランドの成長を加速させています。

ランキング変動から読み解く、2025年の消費者トレンドと市場動向

ランキング変動から読み解く、2025年の消費者トレンドと市場動向

個別の企業の動向を分析すると、現代の市場を動かす大きなトレンドが見えてきます。

今回の「ブランド・ジャパン 2025」の結果からは、特に以下の3つのキーワードが浮かび上がりました。

トレンド背景・要因具体的な動き
お得感+エンタメ性物価上昇や可処分所得の減少を背景に、消費者の節約志向が強まっているローソンの「盛りすぎチャレンジ」のように、単なる安さだけでなく、楽しさや話題性を伴う施策が消費者の心をつかむ
サステナビリティ環境問題や社会課題への関心が高まり、企業の倫理的な姿勢が購買行動に影響を与えている無印良品の再生素材活用のように、製品やサービスを通じて社会貢献できるブランドへの共感が集まる
生活密着型プラットフォームデジタル技術の進化により、消費者の生活におけるオンラインサービスの重要性が増しているYouTubeやGoogleのように、情報収集からエンタメまで、生活のあらゆる場面で頼られる存在がブランド価値を高める

以上3つのトレンドは、業界を問わず、今後のブランド戦略を考える上で無視できない重要な視点です。

自社の製品やサービスが、これらの消費者ニーズにどのように応えられるかを検討しましょう。

過去のランキング(2021〜2025年)比較からブランド価値の長期的推移と今後の予測を考察

過去のランキング(2021〜2025年)比較からブランド価値の長期的推移と今後の予測を考察

短期的な順位変動だけでなく、長期的な視点でブランド価値の推移を捉えることも重要です。

過去5年間のランキング上位の推移を見ると、いくつかの大きな潮流が見えてきます。

一般生活者編の過去5年の順位変動は以下の通りです。

順位2021年2022年2023年2024年2025年
1位GoogleYouTubeTDR/TDSTDR/TDSYouTube
2位YouTubeGoogleYouTubeYouTubeGoogle
3位TDR/TDSTDR/TDSGoogleGoogleローソン
4位AmazonAmazonAmazonAmazon無印良品
5位楽天市場楽天市場ユニクロユニクロユニクロ

この推移から、以下の傾向が読み取れます。

  1. デジタルプラットフォームの定着:YouTubeやGoogleは常にトップ争いを演じており、生活インフラとしての地位を不動のものにしている
  2. 体験価値の強さ:コロナ禍からの回復を象徴するように、TDR/TDSは依然として高いブランド力を維持している
  3. 小売・アパレルの安定感:Amazon、ユニクロなども常に上位に位置し、生活に根差したブランドの強さを示している

今後もこれらのブランドが上位を維持しつつ、社会情勢や消費者の価値観の変化を的確に捉えた新たなブランドが躍進してくると予測されます。

デジタル時代に紙媒体がブランドの信頼性に与える影響

デジタル時代に紙媒体がブランドの信頼性に与える影響

今回のランキングではYouTubeやGoogleといったデジタルブランドが上位を占め、その影響力の大きさが改めて示されました。

しかし、ブランド価値の根幹をなす「信頼性」の構築において、デジタルだけがすべてではありません。

総務省の調査によると、全年代を通じてもっとも信頼されているメディアは「新聞」であり、インターネットの信頼度を大きく上回っています。

特に情報が氾濫する現代において、手に取って確かめられる紙媒体は、デジタルにはない安心感や説得力を持ちます。

媒体主な特徴ブランドへの貢献
デジタル広告拡散力、即時性、ターゲティング精度認知度向上、話題化、販売促進
紙媒体広告信頼性、保存性、記憶への定着信頼性構築、ブランドイメージ向上、深い理解促進

もちろん、どちらか一方が優れているわけではありません。

重要なのは、両者の特性を理解し、戦略的に組み合わせることです。

例えば、QRコードを掲載した雑誌広告からブランドサイトへ誘導する、DMで送付したカタログでじっくりと商品の魅力を伝えるなどの工夫で、顧客とのエンゲージメントを深められます。

参考:令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(総務省)

オフラインによるマーケティングとは?オンラインとの違いも解説

まとめ:ブランド・ジャパン2025のランキングから次世代のブランド戦略を考えよう

まとめ:ブランド・ジャパン2025のランキングから次世代のブランド戦略を考えよう

本記事では、「ブランド・ジャパン 2025」のランキング結果を多角的に分析してきました。

最後に、本記事の分析結果を皆様のビジネスに具体的に活かすためのアクションプランを3つ提案します。

アクションプラン詳細
自社のポジションを再確認するまずはランキング全体を俯瞰し、自社および競合がどの位置にいるのか、どの評価指標で強み・弱みがあるのかを客観的に把握しましょう。
市場トレンドと自社戦略を照らし合わせる「お得感+エンタメ性」や「サステナビリティ」といった市場の大きな潮流と、自社の現在の戦略が合致しているかを確認します。ズレがある場合は、戦略の軌道修正を検討する必要があります。
成功事例から具体的な施策を学ぶローソンや無印良品など、評価を高めた企業の具体的な施策を参考に、自社でも応用できることはないかを探ります。成功の本質を理解し、自社の文脈に合わせてアレンジすることが重要です。

今回の調査結果を参考として、変化の激しい時代を勝ち抜くブランドを築き上げていきましょう。

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ペーパーアド編集部
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