- 「通販・ネットショッピングを運営しているが、商品原価率の決め方に疑問がある」
「通販・ネットショッピングに興味があるが、値段の設定がわからない」
そのような悩みはありませんか。
販売価格は食料品などのカテゴリや人件費などによって変わるため、どうやって決めるかわからないですよね。
結論を言うと、通販でよく扱われる化粧品や、健康食品の原価率は15%~30%が平均的です。
この記事では、通販における販売価格や原価率の決め方について詳しく解説します。
なお弊社では、通販事業の方向けに紙で広告を出すための展開パターンや、出稿までの流れ・準備について紹介しています。
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原価・原価率・利益率とは?販売価格に必要な費用とは
通販の原価率について説明する前に、そもそも原価、原価率や利益率について定義が曖昧な方も多いのではないでしょうか。
簡単に言うと、原価とは価値を生み出した際に発生した費用のことです。
原価率はその原価が、売上に対してどれだけの割合を占めているかを表したものとなります。
利益率は、収益から費用を差し引いた際にでる利益が、売上に対してどれくらいの割合を占めているかを表すものです。
それぞれの算出方法について、詳しく解説します。
原価・原価率とは
商品やサービスを提供する際には、原材料費や給与が必要になります。
原材料費や給与の総額が原価です。
一般的に原価と呼ばれるものは「製造原価」のことであり、製造時にかかった人件費もまとめて原価に含まれます。
販売にかかった費用などは「販売費」と呼ばれる原価の一種で、通常は一般管理費としてセットで扱われている費用です。
現には製造原価以外にも、仕入原価や売上原価など、さまざまな種類があります。
原価率は売上に対する原価の割合なので以下の計算式で算出可能です。
原価 ÷ 売上 × 100 = 原価率
例えばパンの売上が100万円あるとします。
小麦などの原材料や、パン職人の給料を合わせた原価が10万円だと仮定すると、計算式は下記のとおりです。
10万÷100万×100=10
原価率は10%と表せます。
利益率とは?
まず利益とは何かについて解説します。
利益とは、収益から費用を差し引いた残額のことです。
収益と混同されがちですが、収益は費用を差し引かない残額のことです。
例えば、パン売って10万円手に入れればそれは収益です。
原材料費や人件費が7万円かかっていれば、利益は3万円になります。
そして利益率とは、その利益が売上に対してどれくらいの割合を占めるかを表す数字です。
利益÷売上=利益率で表せます。
例えばパンを売って売上が10万円、原材料費や人件費を引いた利益が3万円であれば、利益率は約33%になります。
原価以外に考慮すべき費用
ここまで原価率と利益率について解説しましたが、原価以外にも考慮すべき費用は存在します。
単純に原価だけ考慮していると、結果的に手元に残るお金が少ないことになりかねません。
また、業務の形態に応じて原価以外にもさまざまな費用がかかることに注意が必要です。
通販販売の場合、考慮すべき費用は代表的なものとして下記のものがあります。
- 送料
- 支払い時にかかる手数料
- ピッキング料金
- 既存顧客への販売促進費用
- 新規顧客を獲得するための広告
- コールセンター費用
商品原価率は15%から30%!原価率の決め方と、通販での原価率
原価率について理解できたところで、実際に原価率はどれくらいか解説します。
原価率の決め方と、通販で扱われやすい商品別の原価率についても解説するので、参考にしてください。
原価率の決め方とは
原価率は、基本的に同業種の販売価格や平均的な原価率から決めるのが一般的です。
原価率と販売価格は密接に関わっており、販売価格から原価率が導き出されることもあります。
販売価格の決定方法はさまざまなものがあり、下記の決定方法のほかに他に顧客の心理を利用した価格の決定方法も。
具体的な方法については、販売価格の決め方で詳しく解説するので確認してください。
- コストプラス法
- 競争志向型価格設定
- バリューベースプライシング
- スキミングプライシング
- ペネトレーション・プライシング(市場浸透価格)
- キーストーン価格
業種別の原価率
2021年経済産業省企業活動基本調査によれば、業種別の平均的な原価率は下記の通りです。
製造業 | 80% |
卸売業 | 87.6% |
小売業 | 71.2% |
原価率が高いと感じる方も多いのではないでしょうか.
例えば飲食業では通常、原価率の計算で人件費を考えません。
飲食業ではFLコストと呼ばれる食材費と人件費のコストについて気にする必要があり、原価である食材費は30%程度です。
通販は販売店を持たないため、平均は15%から30%と、原価率が低くなる傾向にあります。
紙媒体などの通販でよく扱われる商品の原価率
紙媒体などの通販でよく扱われる化粧品などの商品原価率について、簡単にまとめてみました。
品目 | 原価率 | 理想的な原価率 |
化粧品 | 10~20% | 15%以下 |
健康食品 | 10~20% | 15%以下 |
食品 | 30~40% | 35%以下 |
さまざまな価格の決定方法があるとはいえ、商品の原価率はある程度扱う商品によってある程度決められているのが一般的です。
製造業や卸売り業等と比べて、低い原価率であることがわかるでしょうか。
しかし、原価率が低い事は、必ずしも利益率が高くなることを意味しません。
化粧品や健康食品、食品といった通販商材は、他業者との差別化が必要になります。
どこを差別化するのが一番効果的かといえば、顧客へのリーチ方法となります。
つまり広告などの宣伝が大切です。
広告比率が70%を超えるオンラインショップもあります。
利益を出すためにはどれだけ効率的、効果的に顧客へと扱っている商品へと導くかが重要。
そのためには、紙媒体などさまざまなリーチ方法を選ぶのがおすすめです。
原価率が高いと感じたら
自分の商品の原価率が上記の商品の原価率より高く、焦っている方もいるのではないでしょうか。
利益が出ていればいいかもしれません。
しかし、高い原価率により利益が出ないと感じていたら、対策を講じる必要があります。
見直しによって業務を効率化する方法のほかに、戦略によって原価率を抑える方法があります。
基本的に在庫管理や販売方法が原価率を高くする原因になっているので、まずは在庫管理と販売方法を見直してみましょう。
見直す内容について下記にまとめました。
- 販売価格の見直し
- 在庫管理の見直し
- 仕入れ先の見直し
- 仕入れ量の見直し
- 原価率の低い商品への切り替え
- 原価率の違う商品を抱き合わせで売る
- ロスや不良を減らす
販売価格の決め方
原価率や原価・利益や費用について学んだところで、販売価格の決め方について解説します。
基本的な販売価格の決め方は、下記3つの方法があります。
- 原価から商品の値段を決める
- 利益率から商品の値段を決める
- 市場調査して、競合他社から商品の値段を決める
他にも販売価格の決め方が多くあるので、それもあわせてみていきましょう。
原価から販売価格を決める
販売価格の計算は、紹介した用語の中の原価率を使い計算します。
商品の原価から、販売価格を決める方法をみていきましょう。
販売価格を決める計算式
販売価格を決める計算式は、販売価格=仕入れ価格÷原価率です。
例えば原価が500円のパンがあり、原価率30%で販売する場合は下記の計算式です。
500円÷0.3=約1,666円
メリット・デメリット
原価をベースとしているため、簡単に販売価格を算出可能です。
しかし、競合他社に勝てない価格設定をしてしまう恐れがあります。
市場価格と離れてしまう恐れがあるのもデメリットです。
ある程度の市場調査はしたほうがよいでしょう。
利益率から販売価格を決める
利益率から販売価格を決める方法もあります。
どれくらいの利益が欲しいのか、明確に決まっている場合に有用です。
利益率から販売価格を決める計算式
原価÷(1-利益率)=販売価格
上記が利益率から販売価格を決める計算式です。
原価が500円のパンがあり、利益率70%で販売する場合は以下の通りになります。
500円÷(1-0.7)=約1.666円
メリット・デメリット
利益率から販売価格を決める方法は、売り手の計画に即した価格設定が可能です。
しかし、あくまで売り手の都合をベースとしている価格の決定です。
適正価格にならない恐れもあります。
利益率から販売価格を決める場合は、平均的な利益率を参考にして導き出すと計画がたてやすいでしょう。
市場調査して競合他社から商品の値段を決める
自分が扱っている商品と同ジャンルの市場で、競合他社と比較し、市場調査してから商品の値段を決める方法があります。
競争志向型価格設定はその方法のひとつで、価格と同等、もしくはそれ以下の商品価格を設定する方法です。
現代の市場はインターネットやWebサイトで簡単に価格を検索できるため、消費者は当然安いところから商品を購入します。
競合他社と比較することで、より消費者に選ばれる可能性を上げることが可能です。
しかし競合他社と値下げ競争を行うことで利益が出せなくなってしまう恐れもあります。
販売する商品の選定や、ネットだけでなく紙媒体などを使い宣伝することで、値下げ競争を回避するとよいでしょう。
その他の販売価格を決定する方法
販売価格を決定する方法は、原価や費用、需要供給ベースで考えるものから、人間の心理を利用したものなどがあります。
以下に。販売価格を決定する代表的な方法を紹介します。
コストプラス法 | 直接費+間接費+一定の利益=販売価格 |
バリューベースプライシング | 顧客価値に基づいて価格を決める |
スキミングプライシング | 新製品を高価格で売り資金回収する |
ペネトレーション・プライシング(市場浸透価格) | 市場シェアを獲得するために安く販売価格を設定する |
キーストーン価格 | 卸売り価格を2倍にする方法 |
抱き合わせ価格 | 複数の商品をまとめて売る |
ロスリーダー価格 | 値引きで顧客に他の商品も買わせる |
端数価格 | 2000円にするところを1999円などにして安く見せる |
名声価格 | 価格を高く設定してブランド性を持たせる |
アンカリング | 値下げ表示をして安く思わせる |
LTVから考える
LTV(ライフタイムバリュー)という販売価格の考え方もあります。
求め方は以下の方法です。
客単価×購入頻度×継続購入期間=LTV
1回だけでなく何回も購入されるような商品に使える方法で、その時だけでなく、長期的な目線で利益を求めることができます。
LTVで広告費が決められる!広告費の求め方や広告運用の方法も解説でもLTVについて詳しく解説しているので、参考にしてください。
通販の原価率は15%~30%!需要と供給の見極めが大切
原価率と販売価格の決め方についてお伝えしました。
原価率や販売価格を決める際は、市場や商品の特性を理解し、需要と供給の見極めが大切です。
販売利益を高めるためには、販売価格や原価率の決め方だけでなく、紙媒体などの広告掲載も必要となるでしょう。
紙媒体での広告に興味がある人は、資料をダウンロードしてください。
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