「新聞に広告を出しても効果はあるのだろうか?」
「新聞広告を出してメリットはある?」
新聞広告の掲載を考えている方の中には、出して本当に効果があるのか不安に思う方もいるのではないでしょうか。
今の時代、新聞の発行部数が下がり続けています。
2000年には一般紙とスポーツ紙あわせて約5,371万部発行されていましたが、2023年10月には約2,800万部にまで減少しています。
(参考:総発行部数7.3%減 2859万486部 2023年10月新聞協会調べ | ヘッドライン|すべてのヘッドライン|日本新聞協会より)
新聞の発行が減りつつある今、確かに広告掲載に不安はありますが、実は新聞広告はいまだに効果の望める手法です。
今回の記事では新聞広告の効果やメリット、活用法について解説します。
新聞広告を検討されている方は、ぜひご覧ください。
また弊社では、新聞広告の効果や成功事例、出稿方法などを解説しています。
詳しく知りたい方はぜひ「新聞広告の解説本」バナーをクリックして資料をダウンロードしてみてください。
新聞広告とは
新聞広告とは、新聞上に掲載される広告のことです。
企業や団体が商品やサービス、イベントやキャンペーンなどを読者に知らせるために利用します。
新聞に折り込まれているチラシや拡販誌などは新聞広告に含まれません。
紙面の一部を使って視覚的に訴求するもので、全体的に文字や画像、写真などで構成されます。
読者層が特定の地域や年齢層に絞られるため、ターゲットに確実な訴求が可能です。
また、新聞広告は新聞の信頼性と相まって、高い信用度を持つ広告手段とされています。
新聞広告に信頼性の高さが保証されているのは、広告審査の厳正なる広告審査があるからです。
新聞広告は、新聞社の審査に通過したものでなければ掲載できません。
掲載しているだけで信頼性が高いといえます。
新聞広告については「新聞広告とは?段って何?その特徴や種類を徹底解説!」も参考にしてください。
新聞広告の種類は主に6つ
新聞広告の種類は主に以下6つです。
- 営業広告
- 記事広告
- 意見広告
- 社告
- 謝罪広告
- 案内広告
ひとつずつ解説します。
営業広告
営業広告とは、商品やサービスの販売促進を目的とした新聞広告のひとつです。
文章に加えて写真や画像も入れて掲載されるケースが多く、読者の目にも入りやすい広告となっています。
新聞の中でも目立つ位置に配置できるため、広告としての費用対効果も高めやすいです。
記事広告
新聞広告における記事広告とは、新聞記事のような形式で商品やサービスの魅力を伝える広告です。
広告主ではなく、掲載先の媒体社に依頼して作成します。
第三者の視点から記事が書かれるため、読者からの信頼を得やすい点や、ターゲットへ強く訴求できる点が魅力です。
スマートフォンなどで見る商品やサービスのPRは、広告とわかるとユーザーは敬遠しがちです。
しかし、紙の記事広告ならニュースや話題といったイメージがあるため、効果的にユーザーに広告を届けられます。
意見広告
意見広告とは、見開きや1ページといった大きな広告スペースで、社会問題や制度に対する広告主の主張を「意見」として公に発信するものです。
公に対する意見表明を目的としているため、個人への誹謗中傷や営業妨害といった内容は含められません。
さらに、意見広告には新聞記事と間違われないよう、さまざまな規制やルールが設けられています。
ただし、規制は厳しいものの、意見広告の掲載はテレビやラジオのような放送メディアだと現実的に難しいため、新聞は意見広告を掲載する媒体として広く活用されています。
社告
新聞広告における社告とは、情報や案内をするための広告です。
商業的な宣伝はしない広告で、取引先・株主・商品購入者など、限られた関係者へ向けて掲載します。
社告の例としては、以下の通りです。
- 商品のリコール
- 回収情報
- 株主への案内
- 経営者の訃報と葬儀に関する案内
- 人事異動
内容にあわせてデザインも地味なものが多く、社会面の下部2~4段がよく使われます。
謝罪広告
新聞の謝罪広告とは、企業や行政機関、公的団体など不祥事や商品・サービスの事故などを起こした際に、新聞に謝罪や公的にお詫びを掲載する広告です。
謝罪広告は、次のような目的で掲載されます。
- 誤りや不適切な行動によって被害を受けた人々への謝罪
- 社会的責任の履行
- 一般の人々への説明と情報提供
- 信頼回復
謝罪広告を掲載するケースは、自発的の場合と法的義務によって実施の場合とがあります。
案内広告
案内広告は、三行程度の文章で掲載する広告です。
「三行広告」とも呼ばれています。
特定の求人の募集や映画の宣伝などに利用されることが多いです。
例えば求人の場合は、職種・年齢・給与・連絡先などしか掲載せず、具体的な説明は省いています。
簡素なものが多く、わかる人にはわかるような内容が多いです。
新聞広告の効果・メリット8つ
新聞広告は、以下のようなメリットがあります。
- 信頼性が高い
- 多くの人に読まれる
- エリアを指定できる
- 高い世帯カバー率と即日性がある
- 中高年の層へアプローチできる
- 高収入層へアプローチできる
- ブランディング効果が高い
- インパクトのある広告を出せる
新聞広告が持つ8つのメリットを詳しく確認しましょう。
信頼性が高い
新聞は数あるメディアの中でも、最も信頼性の高い媒体のひとつといえるでしょう。
2023年におこなわれた「新聞オーディエンス調査」では、新聞に対する信頼度が一番高いという結果がでています。
はじめて新聞広告を出稿する企業は、新聞社や広告審査協会の事前審査が必要です。
だからこそ、新聞広告は公共性と社会的な信頼度が高い媒体といえます。
多くの人に読まれる
新聞は発行部数が減少していますが、2023年にはまだ約2,800万部の発行部数を誇っています。
新聞広告ほど、多くの不特定多数の人に見てもらえる広告は他にありません。
また、新聞は基本的に有料であるため、新聞を読む世帯ではしっかりと隅々まで読み込むことが習慣となっている場合が多いです。
さらに、ある程度の期間は保存されるケースが多いため、見返してもらえる可能性も高くなります。
エリアを指定できる
新聞広告を出す場合は、エリアを指定できます。
同じ新聞社であっても支社ごとに配布する内容が異なり、配るエリアも違うからです。
例えば東京都民に向けて届けたい内容であれば、東京支社で配られる新聞に単独掲載もできます。
東京支社に加えて大阪支社など、複数の地域をカバーすることも可能です。
もちろん、全国を対象に広告掲載もできます。
狙いたいエリアを選定してから出稿を決めると良いでしょう。
高い世帯カバー率と即効性がある
新聞は発行部数は減少していますが、2023年の時点での1世帯あたりの発行部数は0.49部です。
いまだに、およそ2世帯に1世帯には配られています。
他の媒体と比べると、非常に高い確率で購読されているといえるでしょう。
また、ターゲットに対し即日で広告を届けられます。
つまり、新聞広告ほどの高いカバー率と即日性を備えた媒体は、他には存在しません。
雑誌広告を半数以上の世帯数へ届け、さらに即日性のある情報を伝えることは不可能です。
また、インターネット広告で同じ効果を狙った場合は、広告費が非常に高額になってしまいます。
例えば、元旦に一面広告を出し企業のスタンスを表明するといった手法は、新聞広告にしかできません。
中高年の層へアプローチできる
新聞広告は、中高年に対して効果的にアプローチが可能です。
若年層の購読率は低いですが、60代以上の8割が新聞を読んでいます。
現にコラムなどを見ていると60~70代の投稿が多く、広告欄は中高年向けの商材が多いです。
反してインターネットの利用率について、国民全体の利用率82.9%に対し、65歳以上の利用率は53.4%にとどまっています。(参考:高齢者のインターネット利用率)
インターネット広告だと、中高年へのアプローチが難しい可能性があります。
広告のターゲットが中高年である場合は、新聞広告が最も効果的だといえるでしょう。
高収入層へアプローチできる
新聞に広告を掲載すると、高収入層へのアプローチができるという点は大きなメリットです。
株式会社キャリアインデックスによるCareerIndex年収・転職 実態調査 vol.1では、新聞の購読者には高収入層が多いと判明しています。
- 年収300万円未満は55%
- 年収300-500万円未満は56%
- 年収500-700万円未満は54%
- 年収700-1000万円未満は74%
- 年収1000万円以上は92%
上記のように、年収が上がると新聞を読む割合が増えることが示されています。
また、年収700-1000万円未満、1000万円以上では平均値を大きく上回る結果です。
収入が高いほど、新聞の購読率が高いといえます。
高収入層へのアプローチが可能な点は、テレビCMや雑誌広告などにはない新聞広告のメリットです。
ブランディング効果が高い
掲載によって公共性の高いイメージを印象づけられるのは、新聞ならではの大きなメリットといえます。
テレビCMも公共性の高い広告手法ですが、新聞広告だと費用を抑えられます。
新聞は政治・経済・事故など、公共性の高いニュースが多く掲載されている媒体です。
だからこそ、高いブランディング効果を生み出せます。
また新聞広告で発信したものに多くの人々が関心を持った場合、メディア取材などに発展するケースも少なくありません。
広告費が思ったより高かったとしても、新聞広告を出したことにより他の新聞社やメディアから取材依頼が舞い込めば、費用対効果としては十分です。
メディア取材に発展する可能性も含め、新聞広告はブランディング効果が高いといえます。
なお、新聞広告の料金については「新聞広告は「段」で数える!段の数え方から1段あたりの金額まで解説」の記事をご覧ください。
インパクトのある広告を出せる
新聞広告では、インパクトのある広告の出稿が可能です。
例えば大きな写真を掲載すれば、ターゲットを惹きつけられ、関心を持ってもらえます。
そしてターゲットに文章まで読み込ませることで、共感や親しみを持ってもらうことが可能です。
またクリスマスやバレンタインデーなど、特別な日に限った広告も限定で出稿できるため、イベントごとに消費者にインパクトを与えられるでしょう。
もちろん、SNSやインターネット広告との組み合わせもできます。
「新聞広告で話題になった事例9選!SNSで拡散された例も」では新聞広告で話題になった事例を紹介しているため、ぜひご参考ください。
新聞広告のデメリット3つ
テレビCMや雑誌広告、インターネット広告などと比べ、新聞広告が持つデメリットは3つあります。
- 若年層へのアプローチが難しい
- 細かいターゲティングができない
- 効果判定が難しい
メリットと合わせてデメリットも詳しく確認しましょう。
若年層へのアプローチが難しい
新聞広告を用いての若年層へのアプローチは難易度が高いです。
新聞を読んでいる20代は半数程度、30代でも6割程度とされています。
しかし電子版に関しては、20代30代ともに1割程度は読んでおり、高齢者層よりも高い数字となっています。(参考:新聞広告アーカイブより)
若年層の新聞離れが進んでいますが、若年層向けに新聞広告を掲載しているライバルは少ないです。
つまり工夫次第では、新聞広告を利用しての若年層へのアプローチも十分に効果的だと考えられます。
細かいターゲティングができない
新聞広告のターゲティング機能の低さは、残念ながらデメリットになります。
年齢・性別・住んでいる地域・アクセスするデバイス・趣味趣向、これらを非常に細かくターゲティングできるインターネット広告と比べると、ターゲティング機能の低さは歴然です。
しかし読者層は高齢者層がメインであるため、ある程度は年齢でターゲティングの効果はあります。
また地域を指定することもできるため、地域別のターゲティングなら可能だといえるでしょう。
効果測定が難しい
新聞広告で正確な効果測定をおこなうのは困難です。
厳密にいえば、効果測定はフリーダイヤルやハガキの利用数による直接のレスポンスによっておこなえます。
しかし、インターネット広告に比べるとそれほど的確に測定はできません。
新聞広告はコストパフォーマンスに優れているのかどうかを判断しにくい広告媒体のため、効果的の有無は主観で決めざるを得ません。
一方インターネット広告であれば、下記を細かく効果測定できます。
- 広告が何回表示されたのか
- 表示された広告のうち何回クリックされたのか
- 自社サイトを訪れた人のうち何人が商材を購入したのか
正確な効果測定をしようと、新聞広告にトラッキングコードを組み込んだQRコードを掲載したケースもありました。
しかし、新聞の読者は高齢者が多く、QRコードの読み取りまでできない方もいます。
わざわざQRコードを読み込んでくれる読者は少ないです。
効果測定が難しい点は、新聞広告のデメリットといえるでしょう。
新聞広告の効果的な使い方3選
メリットとデメリットがある新聞広告ですが、使い方によって効果的な使い方が可能です。
新聞広告をより効果的に使うための方法について紹介します。
テレビCMとの相乗効果
テレビCMは、視聴者の意思とは関係なく広告を届けられます。
視覚や聴覚を通じて強烈な印象を与えられるため、記憶にも残りやすいのがテレビCMの特徴になります。
認知を増やしたり、興味を促したりする「認知媒体」であるといえるでしょう。
しかし、テレビCMで商材の詳細を伝えるのは困難です。
15秒や30秒しか時間がないため、伝えられる情報量がどうしても限られてしまいます。
以上の弱点を補えるのが新聞広告の「理解媒体」としての機能です。
新聞は紙面であるため、多くの情報を掲載できます。
新聞の利点をいかし、テレビCMでは伝えきれなかった情報を新聞に掲載します。
テレビCMで認知度を上げ、新聞広告で足りない情報をフォローすることが理想的です。
テレビCMと同じキャッチコピーやロゴ、キービジュアル、タレントを使用するとより効果が得やすいでしょう。
インターネット広告との相乗効果
インターネット広告は細かなターゲティングが可能であり、なおかつ広告をクリックさせれば自社製品の購入ページへ誘導できます。
比較的どの広告主にとっても、使い勝手の良い広告です。
しかし、インターネット広告を出稿している企業は数知れず、結果として競争が激化しています。
他社と差別化を図ることが困難となってしまっている中で、活用したいのが新聞広告です。
新聞という公共性の高い媒体に掲載されることで、他の広告と比べて信頼性を得られます。
「新聞で見たことがある」という安心感も与えるので効果的です。
新聞広告だけでなく他の広告とも併用すれば、より大きな広告効果を生み出せるでしょう。
大きく使った新聞広告でのインパクト効果
新聞のスペースを丸ごと使い、インパクトのある新聞広告で成功した事例は多くあります。
下記の広告は、朝日新聞が漫画「左ききのエレン」とコラボレーションした事例です。
朝日新聞の見開き2ページを大胆に使った広告になります。
広告2社の企画案を朝日新聞に掲載しており、X(旧Twitter)投票で多い企画が、実際に朝日新聞に公告を掲載できるという企画です。
上記の企画はSNS上でも大きく話題となり、合計約1,000万のインプレッション数を達成しました。
新聞広告では紙面を大胆に使い、視覚的にインパクトを出し、話題につなげた事例は他にも多々あります。
「新聞広告で話題になった事例9選!SNSで拡散された例も」の記事もぜひご覧ください。
新聞広告の効果測定方法とは
新聞広告の効果測定方法としては、フリーダイヤルやハガキの利用数による直接のレスポンスなどが多いです。
新聞広告は効果測定が難しいですが、近年では効果の可視化に対する試みが各新聞社の間で広がっています。
日本経済新聞社では「日本経済新聞 紙面ビューアー」というアプリの閲読ビッグデータを分析し、新聞広告がどれだけ読まれたかを推計しています。
具体的には、紙面ビューアー読者の7割が、ある広告を一定以上の秒数をかけて見れば、視認率70%という数値が算出される仕組みです。
データを基に、紙新聞の読者の属性に合わせて数値を調整し、広告効果を個別に算出します。
データの分析によって、広告主はどんな読者層にどれほど広告が読まれたのか、効果をよりイメージしやすくなっているのは間違いありません。
読売新聞も似たような試みとして、購読者に対してアンケート調査を実施しています。
広告への印象や商材への購入意図などを把握できる「J-MONITOR」といった仕組みです。
新聞広告の効果判定に対する試みは、近年始まったばかりです。
よってまだ正確であるとはいい切れません。
少しでも効果を可視化できるようにと、各新聞社が工夫を凝らしています。
徐々に精度が上がっていくことは間違いないでしょう。
新聞広告はまだまだ効果的!
新聞広告の効果について、メリットやデメリット、より効果を上げる方法などについて解説していきました。
新聞広告のデメリットは、若年層へのアプローチが難しく、インターネット広告のような細かいターゲティングが不可能で、さらに効果測定が難しい点です。
しかし、新聞広告は信頼層が高く、不特定多数の人に読まれ、中高年へのアプローチに適しているというメリットもあります。
さらに高収入層へのアプローチも有効で、高い即日性とブランディング効果が高く、紙面の使い方次第でインパクトのある広告が出せます。
また新聞広告は、テレビCMやインターネット広告、SNSなどと組み合わせて掲載するとより効果的です。
新聞広告の効果を可視化する動きも広がっており、デメリットも改善されていくと予想できます。
新聞広告への掲載を検討している担当者の方はぜひ参考にしてください。
なお弊社では、新聞広告の効果や成功事例、出稿方法などを解説しています。
詳しく知りたい方はぜひ「新聞広告の解説本」バナーをクリックして資料をダウンロードしてみてください。
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