D2C広告でおさえておくべきポイントとは?成功事例を交えて解説

最近注目を集めているD2Cという考え方。

顧客と企業がダイレクトにつながって商品販売までを一貫しておこなうD2Cでは、広告の手法も従来とは変わってきます。

D2C自体が新しい考え方なので、広告もさまざまなテクニックや手法が紹介されています。

この記事では、D2C広告で絶対におさえておきたいポイントを企業の成功事例を交えて紹介します。

なお弊社では、通販事業の方向けに紙で広告を出すための展開パターンや、出稿までの流れ・準備について紹介しています。

詳しく知りたい方はぜひ「通販広告の出稿マニュアル」バナーをクリックして、資料をダウンロードしてください。

そもそもD2Cとは何か?

D2Cとは、「Direct to Consumer」の略称で、簡単にいうと「企業が直接、消費者に自社商品を販売する」ことです。

従来のモデルだと、企業が製品を製造したあとは流通業者や小売業者など、仲介を通して販売していました。

しかしD2Cの場合、商品の企画・製造から流通・販売・カスタマーサポートをすべて自社で担当するので、顧客の声をダイレクトに集められます。

また、流通コストやマージンなど、仲介業者に払うコストも削減できるので、収益性が高いことも大きな特徴です。

D2C広告の従来の広告の違いとは

D2C広告の一番の特徴は、企業が特定の見込み客に向けて直接アプローチするプッシュ型のデジタル広告であることです。

従来の広告手法はテレビCMや街頭広告など、顧客の方から接触してくれるのを待つプル型広告が一般的でした。

また、D2Cと同じプッシュ型の広告でも、チラシやパンフレットといった紙媒体の広告だと、不特定多数の顧客に同じ内容の広告しか出せませんでした。

チラシやパンフレットといった紙媒体のチラシについては「リーフレットやチラシの特徴を解説!カタチや用途の違いとは?」の記事をご覧ください。

しかしデジタル領域では、個人情報やサイトの閲覧履歴、商品の購入履歴などから顧客の趣味嗜好を分析して広告を出稿できます。

個人個人に適した広告を出稿できるのがD2C広告の強みです。

セグメントごとに広告を出せる

D2C広告では、性別・年収・居住地域・家族構成・趣味嗜好といったデータを蓄積して、個人個人に合った広告が出せます。

同じ商品の広告でも、バナーや画像を変えるだけで反応がぐっと向上することもあります。

そのため顧客によって広告の内容を変えながら、一番適した広告を出せるのです。

SNSを中心に広告を出稿する

SNS広告には顧客のフォロワーや投稿内容から、趣味嗜好などの属性を把握する機能が充実しているものが多いです。

さらに最近は検索エンジンを使わない顧客も増えており、SNSのアカウントからダイレクトにブランドページにたどり着く顧客も多くなっています。

検索連動型広告よりも、SNS広告の方がD2C向けです。

顧客と相互にコミュニケーションが取れる

D2C広告で商品を宣伝する場合、商品を買った顧客からSNSのアカウントなどに、直接メッセージが届くことがあります。
そこから商品についてのレビューをダイレクトに吸い上げ、改善につなげられるので、顧客満足度を向上させやすくなるのです。

また、アンケート機能を使うことでも顧客の声を集められるので、より顧客と近い距離でコミュニケーションできるようになります。

より良い顧客の購買意欲が刺激できるようになる

20~60代の男女各500名、計1,000名を対象におこなった調査によると、およそ60%の人が「開発されるまでのストーリーに共感できる商品を買いたい」と回答したというデータがあります。

(参考:「応援消費」に関する意識・実態を調査

今は商品やサービスの品質で差をつけることが難しくなってきています。
消費者側も商品に対する共感から「支持したい」「応援したい」という気持ちで購買意欲を刺激されているという傾向です。

D2Cで顧客との距離が近くなれば、商品が開発されるまでのストーリーも伝わりやすくなるので、より購入されやすくなります。

D2C広告の種類には何がある?

D2C広告はデジタル広告に分類されますが、ひと口にデジタル広告といってもさまざまな種類があります。

それぞれの広告でテキスト、音声、画像、動画などメディアフォーマットが違い、それによって顧客の属性も変わってきます。

自社の商品が「どの層をターゲットにしているのか?」を考えて、その顧客がより多く見てくれそうなメディアフォーマットで広告を出稿することが重要です。

各広告の効果を最大化するには、クロスメディア戦略も有効になります。
クロスメディア戦略とは?成功した広告事例も併せて紹介」の記事もあわせてご確認ください。

リスティング広告

リスティング広告はヤフーやGoogleの検索結果の上位に表示される広告です。

SEO対策によって上位表示されているサイトよりもさらに上に表示されるため、クリックされやすいことが特徴です。

自社の商品を買ってくれる見込み客が検索しそうなキーワードを分析して、そのキーワードで検索すればコストを抑えながら広告を出稿できるでしょう。

リマーケティング広告

リマーケティング広告は、自社サイトに訪れたことがある顧客に繰り返し広告を表示させる手法です。

自社の商品やサービスに興味を持って、サイトの訪問までおこなった顧客にアプローチできるので、成約率が高い顧客を集めやすいのが特徴です。

一度はサイトを訪問したが購入を迷ってしまった、という顧客にも訴求できるので再び購入を検討してもらえます。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ上に画像や動画形式で出稿される広告のことです。

顧客に直接視覚で訴えかけられるので、美容用品や健康用品など、見た目で分かりやすい商品を広告するのに向いています。

また、ブランドの世界観をひと目でアピールできるので、潜在層にもアピールが可能です。

SNS広告

SNS広告は、Facebook、Twitter、InstagramといったSNSに出稿する広告です。

SNS広告は、フォローしているアカウントや投稿内容からターゲティングをおこないます。
より自社製品に興味を持ってくれそうな見込み客にアプローチが可能です。

各SNSによって、利用者層に特徴があります。
自社製品のターゲット層が多く利用しているSNSに広告を出稿すれば、ピンポイントで訴求できるのも大きなメリットです。

Instagram

Instagramは、10代~30代の比較的若い層が利用しているSNSです。

テキストのみの投稿はできず、画像か動画の投稿が必須になります。

写真や動画から視覚的な情報を得るのを好む顧客が多く利用しているので、テキストよりも画像や動画の作り込みが重要になってくるでしょう。

Twitter

Twitterの大きなメリットは、二次拡散を期待できることでしょう。
二次拡散とは、配信した広告が顧客によってさらに拡散されることです。

Twitterは通常の投稿も広告も、同じようにいいねやリツイートで拡散したりができます。
広告の内容が良ければ、どんどん顧客によって拡散されるでしょう。

二次拡散された広告は、課金対象外です。
うまくいけば、かなりの費用対効果が見込めるでしょう。

Facebook

Facebook広告では「キャンペーンの目的」を選択できます。

例えば目的をコンバージョンにすれば、予算内で最も多く成約するように自動入札されるようにになります。

また、リーチを選択すれば、予算内でより多くの顧客に広告がリーチされるように予算が消化されていきます。

目的に合わせて配信が自動で最適化されるので、最低限の労力で広告が出せるのが強みです。

利用者層としては、年齢層が高めのSNSとなっています。

LINE

すでに連絡ツールとして定着したLINEにも広告が出せます。

LINE広告ではトークリストの最上部やタイムライン、LINE NEWSやLINEマンガといったLINEの中で連携しているサービスに出稿が可能です。

すでに日本の人口の70%以上がLINEを利用しているといわれています。
顧客に偏りがなく、アクティブな顧客が極めて多いのが特徴です。

(参考:LINE利用率8割超え:10~50代まで8~9割が利用のデータを見る

TikTok

TikTok広告の最大の特徴は、ショートムービー形式で、BGM付きで広告が出せることです。

テキストや画像のみの広告よりも見てもらいやすく、記憶に残りやすい広告が作れます。

さらにBGMはアプリ内の音源を使うことが可能です。
TikTokで流行っている曲を使えば、より顧客に強烈なインパクトが残せます。

YouTube

YouTube広告の強みは、リーチできる人数の多さです。

YouTubeの月間利用者数は6,500万人といわれいます。
若年層だけでなく18歳~64歳のYouTube利用率は約82%です。

(参考:AirPhoto

さらに15秒、ないしはスキップされるまでの5秒は必ず動画を見てもらえます。
その時間で興味を引くことができれば潜在層のアプローチにつながるでしょう。

D2C広告の広告費が0円からでも可能な理由とは?

D2C広告は、極論0円からでも出すことが可能です。

広告費をかけられない場合は、SNSアカウントに自社のブランディングや世界観をアピールする投稿をしましょう。

興味のありそうな顧客からフォローしてもらえば、広告費は必要ありません。

アカウントの投稿の中に、自社商品を宣伝する投稿を入れておけば、そこから成約につなげられます。

広告費がかけられない場合は、自社のSNSアカウントを広告代わりに運用しましょう。

D2C広告の成功事例5選

D2C広告の成功事例を紹介していきます。

成功例から学び、自社のサービスにつなげましょう。

株式会社newn

出典:COHINA STORE公式サイト

newn(ニューン)は、身長155cm以下の小柄女性に特化したアパレルブランド「COHINA(コヒナ)」などのD2Cブランドを展開している企業です。

newnが急成長したD2Cの施策には、ターゲットである身長155cm以下の女性社員によるInstagramライブの配信があげられます。

自社の商品アピールをするのではなく、小柄だからこその悩みや「こんな服が欲しい」という顧客の声を集め、意見交換をすることで共感によるファン獲得に成功しています。

株式会社バルクオム

出典:BULK HOMME|男性の皮膚科学から生まれたメンズ美容高品質ブランド

バルクオムは、2013年頃からメンズスキンケアのD2Cブランドを展開しています。

商品を購入した顧客が自発的にInstagramなどにアップしているのを見て「顧客がどんな商品写真を上げているか?」というデータを収集したところ、広告クリエイティブの幅が広がったそうです。

また、たくさんのクリエイティブを収集できるようになったため、PDCAを回す速度が段違いに速くなりました。
消費者のレビューから新製品開発のアイディアもどんどん生まれています。

SNS広告経由での顧客獲得件数は、1年で約10倍にまで激増しました。
CPA(顧客獲得単価)は、約3分の1に削減されています。

ベースフード株式会社

出典:完全栄養食 BASE FOOD(ベースフード)

ベースフードは完全栄養のパン「BASE BREAD(ベースブレッド)」など、1食で必要な栄養素を取れる主食を多数販売している企業です。

ベースフードのD2C広告施策として有名なのは、Twitterを活用した体験型イベントを開催したことでしょう。

内容は「1ヶ月のうち、20食をBASE FOODにしてツイートする」というものです。

このイベント自体が広告となり、多くの人を巻き込むムーブメントとなりました。

ベースフードは顧客との近さ、関係性を重要視しています。

売ったら終わりという関係ではなく、購入した商品を使ってイベントを開催して、顧客により良い体験を提供することでファンを増やしています。

株式会社Sparty

 

出典:MEDULLA | Our brands | Sparty, Inc.

Spartyでは、スマホでおこなう診断結果を元に自分に合ったシャンプーを定期購入できるパーソナライズシャンプー「MEDULLA」等の商品を展開しています。

MEDULLAでは、自分に合ったシャンプーを提案してくれるというのが一番のポイントです。
しかし、実際に店舗で手に取った人の声を聞くと「香りがいい」という答えが返ってきたそうです。

そこでデジタル広告の作り方を「香り」に絞って出稿しました。
その広告が勝ちパターンとなり、新規顧客を伸ばすことにつながったのです。

顧客の生の声を聞ける機会を作って、広告作りに反映させたことが成功の要因です。

株式会社Morght

出典:NELL(ネル)マットレス|【公式】寝返りを科学した、あたらしいマットレス

株式会社Morghtは、NELLという寝具ブランドを展開しています。
睡眠の質を上げるマットレスの開発に力を入れている会社です。

「起床時に体が痛む」という顧客の声を商品開発に生かすために、120日間のフリートライアルを設けています。

120日間のフリートライアルというのが広告に役立ちました。
実際に商品を使ってもらうことで、顧客満足度を高めて購買につなげることに成功しています。

ポイントをおさえてD2C広告を成功させよう

D2Cというモデルは、企業と顧客が近いという性質があります。
D2C広告で成功している企業は、うまく顧客からの声やレビューを活用して、新規獲得につなげているのです。

ダイレクトに顧客の反応が見られる分、PDCAを高速で回すことができます。
広告のチューニングを早いスパンでおこない、改善できるのも大きな強みです。

自社製品と相性のよさそうな顧客にピンポイントで広告をだしましょう。

そこからの認知・購入・体験の追跡までの一連の流れを計測できれば、広告効果もどんどん高まっていくでしょう。

企業と顧客の距離が近いというD2Cの特徴を最大限生かし、顧客の動向を踏まえて広告を出稿しましょう。

なお弊社では、通販事業の方向けに紙で広告を出すための展開パターンや、出稿までの流れ・準備について紹介しています。

詳しく知りたい方はぜひ「通販広告の出稿マニュアル」バナーをクリックして、資料をダウンロードしてください。