新聞の特徴や種類を詳しく解説!五大紙についても徹底的に比較

横浜毎日新聞が1870年(明治3年)に創刊されてから、150年以上になります。

新聞は長い歴史を経て、大きなメディアとしての強大な影響力と信頼性を持つようになりました。

中でも「五大紙」といわれるのが日本の代表的な新聞で、それぞれに読者層や論調の違いがあります。

この記事では、この五大紙の概要とそれぞれの特徴を解説し、各新聞の歴史や個性についても併せて紹介し、五大紙以外の新聞についても解説します。

ぜひ最後までお読みください。

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新聞というメディアの特徴とは

新聞のメディアとしての特徴は、主に次の3つです。

  • 信頼性が高い
  • ニュースへの理解を助ける
  • 世論をリードする
  • マスメディアで唯一「個別新聞配達制度」がある

それぞれについて解説します。

信頼性が高い

新聞に対する世の中の人のイメージでは、非常に信頼性が高いメディアと思われています。

令和3年に総務省が行った「メディアに対する信頼」のアンケート調査結果からも、新聞に対する信頼性は、テレビやラジオ・雑誌などのマスメディアやWebメディアを抑えて最も高く、61.2%もの人が「信頼できる」と回答しています。

これは、新聞が「社会の公器」としての使命を果たし、理念を持って情報を伝え続けているためです。

社会の厚い信頼をもとに、掲載記事にはいまだに大きな影響力を持っています。

ニュースへの理解を助ける

最近では、テレビのニュースやネットニュースでわかるから十分だと思う人も増えています。

しかし、テレビニュースなどは新聞記事と比べて情報量が少なく、表面的なことだけしか伝わりません。

新聞紙面では、記事で書かれたことの背景を関連記事や解説記事で説明し、社説やコラムでもニュースの見方を示すことで、ニュースに対する理解を助ける役割を果たしています。

世論をリードする

各紙ともニュースを報道するだけでなく、社説などを通じて社会の出来事に対する新聞社としての意見や考え方を示しています。

これは新聞が、政治、経済、社会の行き過ぎを防ぐチェック機能を持ち、ニュースに対して世間に考えるヒントを提供する役目があるからです。

そのため新聞は、時に世論を形成しリードする大きな影響力となります。

マスメディアで唯一「個別新聞配達精度」がある

新聞は、日本特有の配信システムともいえる「戸別新聞配達制度」があることも大きな特徴です。

毎日、各家庭に情報が届けられる仕組みがあることによって新聞が巨大なメディアに成長したともいえるでしょう。

近年では、発行部数は減少傾向にあり、Web経由で配信する「電子版」に注力しています。

電子版ならではのコンテンツや検索機能によって、紙の新聞とは違ったメディアの魅力が生まれています。

「五大紙」と呼ばれる大手新聞の販売部数について

五大紙と呼ばれる大手新聞の全国版の発行部数は、下記の通りです。

新聞名全国版朝刊発行部数
朝日新聞約397万部
読売新聞約704万部
毎日新聞約193万部
産経新聞約103万部
日本経済新聞約157万部

どれも100万部を超えており、全国的に多くの方に読まれているといえるでしょう。

新聞の4つの種類

新聞には、大きく分けて以下の4つの種類があります。

  • 全国紙
  • ブロック紙・地方紙
  • 産業経済紙
  • スポーツ紙

ここでは、それぞれの特徴について解説していきます。

①全国紙

全国紙とは、全国向けにニュースを報じる大手の新聞のことです。

首都に本社を置くため中央紙と呼ばれることもあります。

一般的に、以下の5つの新聞を指します。

  • 朝日新聞
  • 読売新聞
  • 毎日新聞
  • 産経新聞
  • 日本経済新聞

これらは五大紙とも呼ばれ、全ての新聞の中で最も購読者数・販売数が多く、日刊紙の総発行部数のうち約5割を占めるようです。

そのため、社会に対する影響力も大きなものとなっています。

②ブロック紙・地方紙

全国紙について発行部数が多いのがブロック紙・地方紙です。

ブロック紙とは、複数の都道府県にまたがるような広域のエリアで販売される新聞のことです。

代表的なブロック紙として以下の新聞が挙げられます。

  • 北海道新聞
  • 中日新聞
  • 西日本新聞
  • 河北新報
  • 中国新聞

地方紙とは、都道府県単位で発売されている新聞で、有力な地方紙は次の4つです。

  • 静岡新聞
  • 高知新聞
  • 徳島新聞
  • 福井新聞

ブロック紙・地方紙は全国紙よりも地域に密着した情報が多く、それぞれの地域で大きな影響力があります。

③産業経済紙

産業経済紙とは、産業や経済などの分野に特化した新聞のことです。

一般的に朝刊のみ発売され、全国で同じ内容を掲載します。

産業経済紙の主なものとしては、以下の新聞が挙げられます。

  • 日経産業新聞
  • 中部経済新聞
  • 日経MJ
  • 日経金融新聞

一般紙では扱わないような専門的な情報を発信しており、その業界に携わる人たちにとっては、見逃せない情報源です。

④スポーツ紙

スポーツ紙とは、野球やサッカーなどのスポーツを中心として、芸能やレジャー・ギャンブルなど、幅広く娯楽的な記事を扱う新聞のことです。

主なスポーツ紙には、以下の新聞が挙げられます。

  • サンケイスポーツ
  • デイリースポーツ
  • 日刊スポーツ
  • スポーツニッポン

日本では第二次世界大戦の後に広まり、大衆向けの情報源として人気を集めてきました。

五大紙とは全国紙や中央紙

先述したように、全国的に発行される大手新聞のことを全国紙・中央紙と呼んでおり、具体的には下記の5つの新聞のことを指しています。

  • 朝日新聞
  • 読売新聞
  • 毎日新聞
  • 産経新聞
  • 日本経済新聞

この中でも、朝日新聞・読売新聞・毎日新聞の3紙を「三大紙」と総称しています。

ここでは、五大紙それぞれの特徴を紹介していきます。

①朝日新聞の特徴

引用:朝日新聞

この章では、朝日新聞の特徴を紹介していきます。

販売部数

朝日新聞の販売部数は、朝刊で約397万部、夕刊で約119万部です。

発行版ごとの部数の内訳は、以下の通りです。

朝刊夕刊
東京本社版約229万部約71万部
大阪本社版約107万部約44万部
西部本社版約32万部約2.6万部
名古屋本社版約22万部
北海道支社版約7.8万部約1.7万部

参照:朝日新聞媒体資料

読者層

朝日新聞の読者の年齢層は、男女ともに60代が最も多く、全体の22.2%を占めています。

読者の職業の特徴としては、特に行政団体の職員や、企業の管理職が多く、他の新聞紙に比べて主婦層も目立ちます。

大卒や大学院卒の割合が高く46.3%を占めており、世帯当たりの年収は771万円、世帯ごとの金融資産額は2076万円です。

経済的に余裕があり、知的で政治や医療などのテーマに関心の高い層というのが朝日新聞の読者のイメージです。

参照:朝日新聞媒体資料

論調の特徴

朝日新聞は1879年に創刊して以降、「報道中心主義(報道を中心とすること)」と「公平無私(ものごとを公平に捉えること)」を編集方針としてきました。

その精神は現在の朝日新聞が掲げる、「不偏不党(どの主義・党にもくみせず、公正中立の立場をとること)」の綱領へとつながっています。

論調としては、権力から独立したメディアを目指し、権力の監視を使命としていることもあって、政権批判など革新寄りの記事が多いです。

過去には夏目漱石や石川啄木などの文豪が入社した歴史もあります。

②読売新聞の特徴

引用:読売新聞

ここでは、読売新聞の特徴を紹介していきます。

販売部数

世界最大の販売部数を有する読売新聞は、全国紙で42.6%のシェアを誇っています。

全国版の販売部数は、朝刊で約704万部、夕刊で約171万部です。

発行版ごとの詳しい朝刊の部数の内訳は、以下の通りです。

朝刊
東京本社版約464万部
大阪本社版約185万部
西部本社版約54万部
北海道支社版約17万部
中部支社版約14万部
北陸支社版約7.8万部

参照:読売新聞広告局ポータブルサイト

読者層

読売新聞の読者の年齢層は、男女ともに60代が最も多く21.9%です。

職業別では、主婦、商工業の自営業者、経営者の割合が高いのが特徴です。

全国トップの販売部数を誇る新聞というだけあって、富裕層から庶民的な層まで、幅広く人気があります。

この傾向は記事内容にも反映されており、堅いニュースからエンタメ記事までバランスよく掲載されています。

また、近年ではSNSと連携した「よみバズ」という取り組みにより、10代~30代の若者への情報発信にも力を入れているようです。

参照:読売新聞広告局ポータブルサイト

論調の特徴

読売新聞の創刊は1874年。明治時代には、坪内逍遥や尾崎紅葉などの文豪が在籍し、文学新聞としても人気を博しました。

その後は、「よみうり婦人附録」の創設や、読売巨人軍の前身となる「大日本東京野球倶楽部」の設立など、幅広い事業を展開しており、現在の読売グループにつながっています。

「自由主義、人間主義、国際主義」を基本理念に掲げ、安全保障や行政改革など、多くのテーマについて提言をしており、論調としては保守的で政権寄り、いわゆる右派的な立場ともいわれています。

読売新聞の詳しい特徴や広告の料金については「読売新聞の広告の料金とは?特徴や種類について詳しく解説」を参考にしてください。

③毎日新聞の特徴

引用:毎日新聞

この章では、毎日新聞の特徴を紹介していきます。

販売部数

毎日新聞の全国版の販売部数は、朝刊で約193万部、夕刊で約60万部です。

発行版ごとの詳しい部数の内訳は、以下の通りです。

朝刊夕刊
大阪本社版約80万部約36万部
東京本社版約74万部約19万部
西部本社版約31万部約3.5万部
中部本社版約6.2万部約1.6万部
北海道支社版約2万部

引用:毎日新聞 配布エリア・販売部数

読者層

毎日新聞の年齢層は、60代が最多で26.8%。

世帯年収では、500万~700万円未満の層が一番多く、700万~1000万円未満の層が一番少ないのが特徴です。

読者の主な興味は、政治や社会福祉などとなっており、比較的堅い記事に関心が高いようです。

一戸建てに住む人が多いため、暮らしに関する広告に関心を示しやすい傾向があります。

参照:毎日新聞 読者データ

論調の特徴

毎日新聞は1872年、東京の浅草で創刊しました。

1875年には世界で初めて新聞の戸別配達を開始したことが有名です。

過去には原敬や芥川龍之介、新渡戸稲造や井上靖などの著名人が多く在籍していました。

現在では「言論の自由独立と真実の報道を貫く」ことを編集の基本方針とし、民主主義や世界平和などを尊重した報道を目指しています。

論調は中道的な立場をとっていましたが、最近では五大紙の中では、やや革新側に近い立ち位置になってきているようです。

毎日新聞の詳しい特徴や広告の料金については「毎日新聞の広告の料金とは?特徴や種類も紹介」にて解説しています。

④産経新聞の特徴

引用:産経新聞

この章では、産経新聞の特徴を紹介していきます。

販売部数

産経新聞の販売部数は、朝刊で約103万部、夕刊で約27万部です。

発行版ごとの詳しい部数の内訳は、以下の通りです。

朝刊夕刊
大阪本社版約60万部約27万部
東京本社版約43万部

参考:産経新聞 メディアガイド

読者層

産経新聞の読者の年齢層は、男女ともに50~60代が最も多く、平均年齢は54.8歳です。

三大新聞と比べると特に経営・管理職の層が18.0%と多いです。

世帯年収は658万円となっています。

高所得水準の家庭の割合が高く、興味関心がある分野としては、政治経済のほか、26.4%の方が資産運用・投資と回答しています。

参考:産経新聞 産経と読者

論調の特徴

産経新聞は、1933年に「日本工業新聞」という名で創刊。

読売、朝日、毎日に比べると比較的新しい新聞です。

自由と民主主義を守り、国益を第一に考える「正論」路線を基本としています。

特に歴史や国際問題を独自の立場から報じ、「モノを言う新聞」としてのスタンスが特徴的です。

産経新聞は初めて読む人にもわかりやすいと評判で、保守的な論調となっています。

過去には数々のスクープを発表し、新聞協会賞の受賞歴もあります。

⑤日本経済新聞の特徴

引用:日本経済新聞

この章では、日本経済新聞の特徴を紹介します。

販売部数

日本経済新聞の販売部数は、朝刊で約157万部、新聞+電子版有料購読数244万件です。

部数の内訳は、以下の通りです。

朝刊販売部数約157万部
紙面ビューアーアプリ利用者数約30万件
新聞+電子版 有料購読数約244万件

参考:日本経済新聞 NIKKEI MARKETING PORTAL

読者層

日本経済新聞の読者の年齢層は、ホワイトカラー、経営・管理職が大きな割合を占めています。

ビジネスの中核を担う50~60代が最も多く全体の54.7%となっており、課長クラス以上の役職者が45.7%です。

世帯年収では、1,000万円以上が全体の35%以上を占めており、世帯平均年収は909万円です。(日本人全体平均:697万円)

所得・金融資産が大きく、高い購買力があるのが特徴です。

参考:日本経済新聞 メディアデータ・読者属性

論調の特徴

日本経済新聞の歴史は古く、1876年に「中外物価新報」という名で創刊されました。

当時の発行者は、三井物産の初代社長、益田孝氏。

「​日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の協力を得ながら、明治維新から間もない日本に新しい風を巻き起こしました。

そんな日本経済新聞の現在の社是は「中世公平、わが国民生活の基礎たる経済の平和的民主的発展を期す」です。

世界最大の発行部数を誇る経済新聞であり、日本の役職者の7割が日経新聞をチェックしているといわれています。

経済に特化した新聞ですので、読売・朝日のどちらかと、二紙を購読する人も多いようです。

論調は中道的で、偏りはあまり見られません。

新聞社の種類や五大紙の特徴を比較して押さえよう

ここまで新聞の種類や、五大紙といわれる全国紙の特徴を詳しく解説しました。

同じ新聞でも読者層や論調にはそれぞれ違いがあります。

広告出稿を検討する場合は、各紙の特徴を押さえて比較したうえで検討するのがおすすめです。

新聞は長い歴史を持ち、未だに大きな影響力を持つメディアです。

新聞の特徴を活かした広告を出稿することで、大きな成果が期待できるでしょう。

なお弊社では、新聞広告の効果や成功事例、出稿方法などを解説しています。

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