メディアミックスの正解は「多くのメディアを活用すること」だと思っていませんか?
現代の日本において、メディアミックスは商品やサービスの宣伝に欠かせない広告の手法です。
しかし、場面やターゲットに合わせて、メディアを上手に使い分けなければ十分な効果は得られません。
そこで今回は、メディアミックスを成功へ導く広告戦略について詳しく解説します。
メディアミックスの成功例と失敗例を参考に、効果的なメディア活用法を押さえておきましょう。
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メディアミックスの主な媒体
メディアミックスは、商品やサービスを複数のメディアで宣伝する広告手法のひとつです。
ここでは、4つの媒体について詳しく解説します。
① | インターネットメディア |
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② | ニッチメディア |
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③ | デジタルメディア |
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④ | アナログメディア |
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それぞれのメリット・デメリットをしっかり押さえておきましょう。
インターネットメディア
インターネットメディアは、インターネットを利用した広告のこと。
具体的には、以下のようなメディアがあります。
- インターネット広告
- Webサイト
- SNS
- ブログ
- 企業の公式サイト
- メルマガ
- 動画配信 など
インターネットメディアのメリットは、4つです。
- 世界中に情報を発信できる
- 広告費を抑えられる
- 特定のユーザーへPRできる
- 出稿した広告のCTR(クリック率)やCV(コンバージョン)から反響を測定できる
インターネットメディアのデメリットは、2つあります。
- エリアを絞った宣伝が難しい
- 検索されない限り人目に触れない
ターゲット層に合わせて、最適なメディアを選びましょう。
ニッチメディア
ニッチメディアとは、不特定のターゲットを対象としたマスメディアではない媒体のこと。
たとえば、以下のようなメディアです。
- 会員誌
- 顧客情報誌
- フリーペーパー など
ニッチメディアには、3つのメリットがあります。
- 特定のユーザーへPRできる
- 多くの人の目にとまりやすい
- 広告費を抑えられる
ニッチメディアのデメリットは2つです。
- 発行のタイミングに合わせて、広告を見直す必要がある
- 掲載する情報量に制限がある
以下のようにターゲットを絞ってPRする際は、ニッチメディアを検討してみてはいかがですか?
- 店舗の新規オープンに合わせて、近隣エリアへPRする
- 特定の悩みを持つ女性に商品・サービスを宣伝する など
デジタルメディア
デジタルメディアとは、不特定のターゲットを対象としたマスメディアのこと。
具体的には、以下のようなメディアを指します。
- テレビ
- ラジオ など
デジタルメディアには、メリットが2つあります。
- 商品やサービスの認知度を上げる
- エリアを絞った宣伝ができる
一方、想定されるデメリットは2つです。
- コストが高い
- 一過性である
商品やサービスを幅広いターゲット層に告知する際は、デジタルメディアを検討しましょう。
アナログメディア
アナログメディアとは、オフラインによる従来型のメディアのこと。
たとえば、以下のようなメディアがあります。
- 新聞
- 雑誌
- ダイレクトメール
- 街頭広告(デジタルサイネージ)
- 店頭広告
- チラシ
- テレフォンアポイントメント など
アナログメディアには、4つのメリットがあります。
- 情報量が多い
- 具体的なイメージを伝えやすい
- 情報が手元に残る
- 信頼度が高い
アナログメディアのデメリットは2つです。
- 一度発信した情報は、内容の変更が難しい
- クレームに発展するケースもある
年齢層の高いターゲット層にPRする際は、アナログメディアを選択してみてはいかがですか?
このほか、メディアミックスのメリットやデメリットに関しては、以下の記事をご確認ください。
>>メディアミックスとは?主な媒体とメリットを解説します!
メディアミックスの成功例
日本のメディアミックスは、成功例が多いといわれています。
ここでは4つの例をあげて、成功のポイントを解説します。
- ポケモン
- 鬼滅の刃
- Tokyo 7th シスターズ
- 日本沈没
①ポケモン
ゲームボーイ用のソフト「ポケットモンスター赤・緑」から始まったポケモンは、さまざまなメディアを介して幅広いターゲット層に支持されています。
具体的なメディアの組み合わせは、以下の通りです。
- ゲームソフト
- テレビアニメ
- カードゲーム
- 映画
- 漫画
- 関連グッズ など
参考:メディア・ミックスの推進
ポケモンが爆発的にヒットした背景には、小学生の口コミがあります。
ポケモンを集めて育成し、対戦・交換する楽しみを共有するなかで、認知度が徐々に高まっていきました。
小学生をファンにするモデルは、現在も続いています。
- ゲームボーイ世代のユーザーが親世代となる
- 子どもと一緒にゲームで遊ぶ
- アニメを視聴する
- 映画を観に行く
- おもちゃを購入する など
②鬼滅の刃
週刊少年ジャンプの連載から始まった「鬼滅の刃」は、幅広い年齢層に支持される人気作品。
以下のようなメディアの組み合わせにより、大ヒットしました。
- 漫画
- テレビアニメ
- 映画
- 小説化
- 関連グッズ
- 企業コラボ商品 など
人気漫画の映像化から、爆発的ヒットを生み出すケースは少なくありません。
- 「鉄腕アトム」
- 「るろうに剣心」
- 「DEATH NOTE デスノート」
- 「銀魂」
- 「プロミス・シンデレラ」/橘オレコ など
原作を忠実に再現することで、原作ファンはもちろん、新たなファンを獲得したのです。
メディアミックスは、幅広いターゲット層から安定して支持されるきっかけを作りました。
③Tokyo 7th シスターズ
iOS向けアプリゲーム「Tokyo 7th シスターズ」は、初めからメディアミックスを視野に入れて動き始めたといわれています。
- iOS向けアプリゲーム
- アイドルコンテンツ制作
- 声優イベント
- CDの販売
- 小説
- 漫画
- グッズ販売 など
多くのコアファンを獲得した背景にあるのは、プロジェクトの原作者が総監督としてメディアミックスをプロデュースしていること。
ゲーム内で推しキャラを見つけたユーザーがCDを購入して、ライブイベントに参加するメディアミックスの流れが完成しています。
ユーザーの期待を裏切らないサービスの提供ができるのは、プロジェクトとして軸がぶれていないからかもしれません。
④日本沈没
メディアミックスの起源といわれている小松左京の小説「日本沈没」。
この小説は、上下巻を合わせて385万部を売り上げた大ヒット作です。
1973年の刊行直後から、以下のメディアミックスをスタートしました。
- 小説
- 映画
- テレビドラマ
小説ブーム真っただ中の映画公開は、メディアミックスを成功させた要因の1つです。
映画やテレビドラマ化により、ヒロインがアイドルになるビジネスモデルを確立しました。
メディアミックスの失敗例
メディアミックスは、成功ばかりではありません。
日本でのメディアミックスには、以下のような失敗例もあります。
- FINAL FANTASY
- ビブリア古書堂の事件手帖
- 魔法先生ネギま!
ここでは、失敗の原因を簡潔にまとめてみました。
①FINAL FANTASY(ファイナルファンタジー)
世界的に人気のゲーム「FINAL FANTASY」シリーズは、15作目まで出るほど大成功を収めています。
しかし、2001年に公開されたフルCGのSF映画「ファイナルファンタジー」は、ギネスブックに「史上最も失敗した映画」と掲載されるほど大失敗に終わりました。
失敗の原因は3つあります。
- 制作費が高すぎた
- 脚本がゲームの制作側ではなかった
- 3DCGの経験が浅かった
非常にクオリティの高いゲームだったため、ユーザーの期待値が高すぎたのかもしれません。
最終的には、映画の公開期間が短縮され、映画産業から撤退する始末となりました。
②ビブリア古書堂の事件手帖
小説「ビブリア古書堂の事件手帖」は、累計700万部を記録するほどの人気作です。
角川つばさ文庫からスピンオフ作品が発売されるほど、読者から支持を得ています。
しかし、2012年の漫画化では、原作ファンから大ブーイングを受けてしまいました。
その理由は、原作の小説とあまりにもかけ離れた内容だったからです。
- 主人公の容姿や設定が変更されていた
- キャラクターの性格が違った など
メディアミックスの敗因は、原作ファンの期待を裏切ったことでした。
一方、2012年の漫画化は、原作の小説を忠実に再現していたため、良い評価を受けました。
③魔法先生ネギま!
週刊少年マガジンに連載していた「魔法先生ネギま!」は、シリーズ累計発行部数2600万部を突破した人気漫画です。
これまでにさまざまなメディアミックスを実施してきました。
- CD
- テレビアニメ
- 映画
- テレビドラマ
- 舞台
- パチンコ など
アニメ化以前からCDを販売するなど、声優ブームの火付け役となりました。
しかし、テレビアニメや映画は、失敗に終わってしまいます。
原因は、原作の漫画とあまりにもかけ離れた内容だったからです。
メインヒロインが火葬されるという前代未聞の展開により、作品が崩壊してしまいました。
もちろん原作とはまったく異なるオリジナル作品として評価されるケースもありますが「魔法先生ネギま!」は違ったようです。
原作に基づく展開を期待していた原作ファンを大きく裏切る内容が、メディアミックスの敗因となりました。
メディアミックスの成功例に関しては、こちらの記事もご確認ください。
>>クロスメディア広告の成功事例から学ぶメディアの組み合わせ
メディアミックスで成功する広告戦略4つ
メディアミックスを成功させるポイントは4つあります。
- 最適なメディアを選択する
- キャラクター設定を原作通りにする
- 最終目標(コンバージョン)から逆算してメディア戦略を立てる
- ターゲットのデータを取得・分析する
それぞれ詳しくみていきましょう。
①最適なメディアを選択する
メディアミックスは、「多くのメディアを活用するのが正解」だと思っていませんか?
やみくもにメディアを組み合わせるだけでは、思うような効果を得られません。
組み合わせるメディアを選択する前に、訴求ポイントを明確にしましょう。
認知度を向上したい | テレビ、ラジオなど |
商品・サービスの詳細を知ってもらいたい | 雑誌、新聞など |
新商品のPRをしたい | テレビ、SNSなど |
他にはない技術の高さをアピールしたい | 情報誌、フリーペーパー |
伝えたい内容によって、最適なメディアを選択することが大切です。
②キャラクター設定を原作通りにする
原作ファンを裏切るようなメディアミックスは支持されません。
小説や漫画をアニメ化する際は、以下の2点に注意しましょう。
- ストーリーを変更する場合は、主人公の設定を変更しない
- キャラクターを変更する場合は、主人公ではないサブキャラにする
ストーリーを変更しても、主人公のキャラクターが同じであれば「同じ作品」として認識されます。
原作ファンはストーリーではなくキャラクターを好きになる可能性が高いので、キャラクター変更は極力避けましょう。
関連グッズを販売する際も、キャラクター変更をしないことにより反響が出やすくなります。
③最終目標から逆算してメディア戦略を立てる
メディアミックスを成功させるためには、ターゲットの心を動かすコンテンツを制作しなければなりません。
まずは最終目標(コンバージョン)から逆算して、メディアの組み合わせを検討しましょう。
- どのような商品やサービスを販売するのか
- 訴求したいのはどのようなターゲット層か など
初めからメディアの種類を限定する必要はありません。
コンバージョンから逆算してメディア戦略を立てましょう。
④ターゲットのデータを取得・分析する
より正確にメディアミックス戦略を立てるには、ターゲットのデータを正確に分析する必要があります。
たとえば、以下のようなデータの取得が有効です。
- 商品やサービスを購入した人を対象としたアンケート
- ターゲットの購入履歴
- Webサイトの訪問履歴/閲覧履歴 など
ターゲットの傾向をしっかり捉えて、メディアミックスを成功させましょう。
メディアミックス成功例を参考に広告戦略を立てよう!
メディアミックスを成功させるポイントは、商品やサービスに合ったメディアを上手に組み合わせることです。
4つのメディアの特徴をしっかり押さえて、適切な選択をしましょう。
① | インターネットメディア |
|
② | ニッチメディア |
|
③ | デジタルメディア |
|
④ | アナログメディア |
|
また、以下の4点に注意して広告の戦略を立てることが重要です。
- 最適なメディアを選択する
- キャラクター設定を原作通りにする
- 最終目標(コンバージョン)から逆算してメディア戦略を立てる
- ターゲットのデータを取得・分析する
紹介したメディアミックスの成功例を参考に、どのようなアプローチが最適か検討してみてはいかがですか?
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