ダイレクトメールやチラシといった紙を使った広告が、再び注目を浴びています。
最先端のデジタル技術を駆使している通販(EC)企業も、アナログなマーケティング手法を積極的に取り入れ始めているからです。
通販(EC)の世界に限らず、どんな業界でも最適なマーケティング施策を練るのは大切です。
記事を通して紙媒体のダイレクトメールの特徴を理解して、効率的な売上アップを目指しましょう。
なお弊社では、通販事業の方向けに紙で広告を出すための展開パターンや、出稿までの流れ・準備について紹介しています。
詳しく知りたい方はぜひ「通販広告の出稿マニュアル」バナーをクリックして、資料をダウンロードしてください。
目次
通販(EC)に有効な広告を紹介
通販(EC)業者が使う広告にはいろいろあります。
ダイレクトメールやチラシなど紙を用いた広告だけではありません。
通販の広告として効果的な媒体をみていきましょう。
ダイレクトメール(DM)
「ダイレクトメール」は、「DM」とも呼ばれます。
ただ、Twitter・InstagramなどのSNSにもDMがあります。
違いを次の表でまとめてみました。
紙媒体で送るダイレクトメールと、メールで送付するダイレクトメールがあるとわかります。
また、同じDMでもSNSを通したものは、ダイレクトメッセージです。
チラシ
チラシとは、昔から使われている集客の効果が高い広告です。
配布方法を次に紹介します。
- 街頭で配布する
- 新聞やフリーペーパーなどの宅配物に折り込む
- ダイレクトメールに同封する
- ポスティングする
チラシでの集客にかんしては「チラシで効果的な集客を得るには?事例もあわせて戦略を紹介」をチェックしてください。
テレビに出稿する広告
テレビコマーシャル以外にも、インフォマーシャルがあります。
それぞれの特徴をまとめたのが次の表です。
費用が多くかかってしまうのがわかります。
Web上に出稿する広告
GoogleやYahoo!JAPANで検索したときにテキスト表示されるのがリスティング広告。
アプリやWebサイトの広告枠に表示されるのがディスプレイ広告です。
イベントプロモーション
百貨店やスーパーマーケットなどのイベント時に、顧客となってくれそうなターゲットを担当スタッフみずからが見つけ、向かい合って販促します。
チラシの手渡しも可能ですが、営業力に近い高度な能力が問われ、スタッフの育成に時間を要するのはもちろんです。
イベントの規模を大きくするには、さらに時間が必要です。
時間的な余裕のあるときに打てる施策と考えていいでしょう。
電話を使った販促
かつてほどではありませんが、イベントプロモーションと同じく、通販の世界では今でも多く使われている集客法です。
スタッフの営業に近い能力が必要であることを知っておきましょう。
通販(EC)企業のダイレクトメール
ダイレクトメールとチラシ、どちらが有効なのでしょうか?
確かに、「ターゲットひとり当たりにかかるコストが小さいため、より多人数に配れる」優位性がチラシにはあります。
それでも、紙を使ったダイレクトメールでは、以下のメリットが得られます。
- 送付ターゲットを絞り込めるため、開封後の反応を得られる可能性が高い
- チラシを同封できる
ここでは、通販(EC)企業から発送する紙を用いたダイレクトメールについて、以下でより詳しく説明します。
郵送ダイレクトメール
郵便で送られてくるダイレクトメールは、2つに大別されます。
①はがきを用いる
掲載する情報量を最大化できるのは、圧着はがきです。
通常のはがきと異なり、ターゲットの個人的な情報を隠すのも可能です。
民間の企業が作成・市販する私製はがきを、ダイレクトメールとして発送するのも可能です。
②封書を郵送する
封筒でダイレクトメールが届いた場合、はがきを用いたものより、未開封の状態で捨てられる可能性は小さいです。
発送できる情報量もはがきと比べて圧倒的に多く、チラシはもちろん、クーポン券なども同封できます。
紙の封筒ではなく、「OPP袋」や「CPP袋」と呼ばれるポリプロピレンを引き延ばした透明の袋を使えば、雨にぬれたとしても肝心の同封物への影響はありません。
FAXダイレクトメール
FAXを設置する世帯数は、右肩下がりで減少しています。
とはいえFAXを設置している高齢者の世帯は少なくありません。
ターゲットをほぼ高齢者に限定するなら、FAXの使用は効果的な方法と考えられます。
FAXを受信する相手が、FAX用紙を消費してしまうのがデメリットです。
チラシをFAX送信することもできます。
ただし、カラーなのかモノクロなのかに注意しましょう。
カラーFAXに対応する機種を設置する世帯は少ないのが現実だからです。
ポスティング
ポスティングでも、ターゲットにダイレクトメールを届けられます。
住所など、ターゲットの個人的な情報がなくても、商品の情報を届けられるのもメリットです。
反面、広範囲にポスティングするには、人件費などのコストが余計にかかります。
ポスティング禁止のマンションなども増加しており、デメリットがまったくないわけではありません。
以下の記事でも、ダイレクトメール全般について詳しく解説しています。
>>DMとは?種類やメリット・デメリット、反応をUPさせる方法を解説
通販(EC)企業が送付するダイレクトメールのメリット
紙媒体のダイレクトメールの送付には、多くのメリットがあります。
送付の効果をできるだけ大きくするために、チェックしましょう。
①ターゲットに応じたマーケティングが可能
インターネット利用率は60歳付近を境として、年齢が上がるにつれて徐々に落ち込みます。
高齢者には、紙を使ったダイレクトメールが効果的です。
若年層でも既存の顧客なら、生年月日などの情報は把握できています。
誕生日のお祝いメッセージとともに、クーポンやキャンペーン情報を送るのがいいでしょう。
また、若年層はインターネットを利用する時間が多く、テレビを視聴する時間が少ない傾向です。
ダイレクトメール(紙・電子とも)の効果が、より期待できると考えられます。
ダイレクトメールの送付は、カートに商品を入れたまま通販(EC)サイトから離脱する「カゴ落ち」の対策にもなります。
7割近い率で生じるカゴ落ちによる機会損失は売上の約2倍といいます。
(参考:さぶみっと!)
商品の便利さなどの情報とともに、セール開催日のようなお得情報をダイレクトメールにのみ掲載し、カゴ落ちした顧客に送付しましょう。
かなり以前に購入した以降、まったく購入のない休眠顧客をターゲットにするのも効果的です。
一定の期間、通販(EC)サイトに訪問していない顧客です。
関心を持ちそうな情報をダイレクトメールに記載して送付しましょう。
②掲載できる情報量が多い
ダイレクトメールは、情報量を多く届けられるメリットがあります。
例えば、テレビコマーシャルがブランドイメージを表現する場合。
わずか15秒の間に、漠然としたブランドイメージ以外の情報をどれほど詰め込めるでしょうか。
その割には、巨額なコストがかかってしまうことも。
ダイレクトメールは、商品に関する情報のほかにクーポンやカタログなども送れます。
クーポンは売上増の期待ができ、カタログは掲載する情報量を増やせる上に、色彩あざやかにもできます。
海産物を販売する通販(EC)サイトを例に考えてみましょう。
例えば、冬に食べたいカニの華やかなカタログが効果を発揮します。
販売を始める2~3か月前からダイレクトメールを受け取った顧客に限り、予約を入れられるようにするのも効果的です。
特別感が得られた顧客の購買率が上がります。
また、旬の食材は大量の売れ残りが出ると、通販(EC)企業の運営に致命的な影響を与えかねません。
数か月も前に販売量の予測がつけば、売れ残りのリスク回避ができると同時に、機会損失(売り逃し)が生じる可能性も小さくできるでしょう。
③ブランドイメージの浸透
ダイレクトメールはブランドイメージを強く顧客に印象づけられます。
テレビコマーシャルとは違い、紙のダイレクトメールを送付された顧客に与える特別感は非常に大きい傾向です。
ブランドイメージの浸透から、リピーターになってもらえる可能性が高くなります。
以下の記事で、ブランド広告の知識を増やすのもいいでしょう。
>>ブランド広告とは?レスポンス広告との違いを詳しく解説!
通販(EC)のダイレクトメールにおける知っておきたい指標3つ
ダイレクトメールを送付する際には、以下の3つの指標を利用することが大切です。
- 開封率
- 反応率
- 損益分岐点
3つの指標を用いることで、定量的なマーケティング施策の立案が可能となります。
①開封率
式で表してみましょう。
開封率(%)=(開封されたダイレクトメール数)÷(送付したダイレクトメール総数)×100
「DMメディア実態調査2021(一般社団法人 日本ダイレクトメール協会2022年4月公開)」によると、家族宛のダイレクトメール開封率で52.9%。自分宛となると79.5%にもなるといいます。
電子メールを使ったダイレクトメールでは10%でした。
比較すると紙のダイレクトメールの回付率が高いとわかります。
開封率を測定するときには、次の表を参考にしてください。
②反応率
以下は、反応率の計算式です。
反応率(%)=(反応の件数)÷(送付したダイレクトメール総数)×100
式内の「反応」とは、具体的にはターゲットの次の行動を指しています。
- 商品の購入
- 問い合わせ
- 資料請求
- 来店
反応を起こした人は、見込み顧客と考えられます。
反応1件獲得に要した費用=CPR(Cost Per Response)を指標にするのもいいでしょう。
CPR=(ダイレクトメール作成にかかった総費用)÷(反応数)
ダイレクトメール作成には通常、次のような費用がかかります。
- デザイン制作料金
- 印刷費
- ダイレクトメール発送準備作業費
- 配送費
③損益分岐点
損益分岐点とは、ダイレクトメール作成に要した総費用を回収するために必要な受注数の最小値です。
ダイレクトメールの送付には、電子メールの送付より多くの費用がかかるというデメリットもあります。
次の計算式で送付ごとの損益分岐点を求め、送付の効果を注視するようにしましょう。
ダイレクトメール送付の損益分岐点(BEP)=(ダイレクトメール作成に要した総費用)÷(商品1つ当たりの粗利)
紙広告の費用対効果を考える際には「紙媒体の効果とは?Web広告の費用対効果と比較検証」の記事をチェックしましょう。
通販(EC)サイトにメリットが多いダイレクトメールの徹底利用!
ダイレクトメール送付というマーケティング施策は、盛んに用いられるようになってきました。
特に注目されるのは、紙媒体のダイレクトメールです。
デジタル全盛かと思いきや、むしろデジタル技術を得意とする通販(EC)企業が、紙を用いたダイレクトメールを積極的に導入しているのです。
デジタルツールだけでは、アプローチ不可能な顧客も増えててきました。
紙のダイレクトメールを増やしてみるのはいかがでしょうか。
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