少子高齢化の今、様々な業界で注目されているのがシニアマーケティング。
しかしシニア向けにどう戦略を立てればいいのか、わからない部分が多いですよね。
内閣府の調査によると、2018年の人口に占める65歳以上人口の割合は28.1%を記録し、2055年には38%に達するとされています。
シニアマーケティングの知識を活かせば、今後の継続的な売り上げアップを期待できます。
今回の記事では、シニアの定義からポイント、効果的なペルソナまで、シニアマーケティングには欠かせない情報を紹介。
是非この記事を読んで、戦略に役立ててみてくださいね。
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シニアマーケティングとは
シニアマーケティングとは、文字通りシニア世代をターゲットとしたマーケティングです。
少子高齢化が進む近年、シニア市場は大きなビジネスチャンスとして注目されています。
この章では、シニアの定義からシニア市場の規模と消費動向までを紹介します。
シニアマーケティングにおけるシニアとは?
シニアは日本語で「高齢者」と訳され、マーケティングにおいて一般的に65歳以上の男女を指します。
しかし厳密な定義が無いため、業界によっては60歳以上、50歳以上等と定める場合も。
この記事では、内閣府の統計やWHOの表記に則って65歳以上をシニアとし、その世代に向けたマーケティングを紹介していきます。
シニアの人口
内閣府の調査によると、2018年時点で65歳以上の人口は、約3,558万人。
人口に占める65歳以上人口の割合は28.1%を記録し、2055年には38%に達するとされています。
男女別にみると、男性は25.1%、女性は31.0%で、女性は全世代のうち3人に1人がシニア。
男性よりも平均寿命が長く、全体の人口に占める割合も高いことから、今後は特にシニア女性をターゲットとしたビジネスが増えることが予想されます。
シニア向けビジネスの市場規模
日本政策金融公庫の調査によると、シニア向けビジネスの市場規模は毎年1兆円ずつ拡大傾向にあり、2025年には108兆円にまで拡大する見通しです。
家計消費市場全体でみると、47.2%がシニアの消費となる計算。
日本全体の消費の中で、他の世代を押さえ約半数がシニアによる消費になるということです。
また、全体的な市場は少子高齢化を受け縮小傾向にあるため、今後は様々な業種で選別が起こることが予想されます。
少子高齢化が進む中、シニア市場は生き残りをかけたビジネスチャンスの宝庫とも言えます。
シニアのニーズが高い7分野
日本政策金融公庫の調査では、以下の7つのカテゴリーにおいて特にシニアのニーズ・関心が高いと考えています。
- 老化防止/虚弱化予防…サプリ、運動など
- 健康チェック・管理…血圧計測器など
- 認知症予防…医療、学習塾など
- 健康長寿…カラオケ、レジャーなど
- 自立生活支援…車、外食、介護など
- 在宅ケア支援…ロボットなど
- 快適性…家電、おむつ、かつらなど
今後シニア向けビジネスを展開する場合は、この7つのカテゴリーを参考に戦略を立ててみましょう。
シニアのペルソナは大きく分けて4種類
かつてはシニアと言えば「家でゆっくりと過ごすお年寄り」というイメージがありました。
しかし生き方が多様化している現代では、彼らの生活様式も様々。
効果的に売り上げを上げるためにも、シニアとひとくくりにするのではなく、ペルソナに合わせた戦略を立てるようにしましょう。
シニアにおいては、大きく分けて4つのペルソナを想定することが可能。
シニアのペルソナは、必ずしも年齢と連動するわけではないので注意が必要です。
積極的に働く現役シニア
医療が発達し、以前より健康寿命が延びている現代では、定年を過ぎても積極的に働く現役シニアが増加傾向にあります。
内閣府の調査では、現在「60~64歳」の就業率は約70%。
2008年~2018年の10年間に「60~64歳」「65~69歳」「70~74歳」「75歳以上」全てのカテゴリーにおいて就業率が上がっています。
生涯現役が珍しくないなか、現役シニアの必要性をくみ取ることが必要です。
運動が好きなアクティブシニア
アクティブシニアとは、日常的に外へ出て運動を楽しむシニアのこと。
元気で活発なため、「自分はシニアである」と思っている人が少ないことが特徴です。
人によっては80代、90代になってもこのカテゴリーに分けられる場合があります。
アクティブシニアは地域のコミュニティやイベントに積極的に参加し、新しい仲間や健康への関心が強いです。
アクティブシニアをペルソナとする場合は、ただ商品の魅力を伝えるだけでなく、そこで得られる仲間や健康的な生活をアピールしてみましょう。
穏やかに暮らすノンアクティブシニア
ノンアクティブシニアとは、家の中で穏やかに過ごすことを好むシニアのこと。
76歳以上の後期高齢者に特に多いタイプです。
アクティブシニアよりも家で過ごす時間が長いため、庭や居間でできる趣味を好む傾向にあります。
身の回りのことは自分でできるものの、健康や今後の人生に漠然とした不安を抱えていることもしばしば。
生活上の小さな困りごとや、家族との繋がりにフォーカスしたアピールが求められます。
要介護状態のパッシブシニア
パッシブシニアとは、日常的に第三者の支えが必要な、要介護状態のシニアのこと。
高齢になればなるほど多くなりますが、人によっては60代でもパッシブシニアに当てはまる場合も。
近年ではパッシブシニアをターゲットとしたお洒落な商品も増えつつあります。
医療や介護サービス等のキーワードを意識した戦略を立てましょう。
シニアマーケティング4つのポイント
シニアマーケティングには、他の世代に向けたマーケティングとは異なる戦略が必要です。
より高い効果を得るための4つのポイントを紹介していきます。
①ターゲットの年齢層を絞る
シニアと一言で言っても、その年齢は65歳~100歳代まで。
約40歳も幅があるため、年齢によって価値観が大きく異なります。
まずは、シニアの中でも何歳をターゲットとするのか、その年齢層にはどんな傾向があるのか、徹底的にリサーチしましょう。
②シニアのペルソナに合わせて戦略を立てる
ターゲットの年齢を決めたらそれで終わりではありません。
同じ年齢でも、シニア層になると健康状態や生活様式は様々。
シニアには大きく分けて4つのペルソナが存在します。
年齢とペルソナを掛け合わせてターゲットを絞ることで、より効果的な戦略を立てることができます。
③シニアの消費動向を理解する
シニアマーケティングにおいて、事前に市場にどのような傾向があるか理解することが必要です。
様々な機関のデータをもとに、近年のシニアの消費動向を紹介していきます。
「楽しみながら健康になる」がブーム
日本政策金融公庫の調査によると、シニアの全てのペルソナ、年齢において、近年「楽しみながら健康になる」という視点からのアプローチが増えています。
例えば、「健康カラオケ」「シニア向けフィットネスクラブ」などは、仲間と楽しく過ごしながら継続的に運動できる代表的な事例です。
健康に関連する商品を紹介する際は、商品を通してどのような時間を過ごすことかできるかもアピールしていきましょう。
シニア特有の「孫消費」を活かす
シニア特有の特徴として、家族や孫への出費が多いことが挙げられます。
ソニー生命が実施した「シニアの生活意識調査2020」では、1年間に平均112,715円を孫に使ったという結果が出ました。
出費の内訳は以下の通りです。
- 1位「おこづかい・お年玉・お祝い金」(75.0%)
- 2位「一緒に外食」(46.6%)
- 3位「おもちゃ・ゲーム」(40.6%)
- 4位「本・絵本」(32.2%)
- 5位「衣類などファッション用品」(26.6%)
シニアのニーズが高い7つの分野または「孫消費」を意識したアプローチで、シニアの心に響く宣伝をしましょう。
④アナログとデジタル両方を活用する
内閣府の調査によると、60代のインターネット利用率は70%以上。
お年寄り向けのスマホやSNSの普及により、年々シニアのインターネット利用率は高くなっています。
シニア向けのホームページやランディングページを作成する際は、大きめの文字とわかりやすい配置を心がけましょう。
とはいえ、未だ多くのシニアが新聞折り込みやチラシなどのアナログ媒体を利用することも事実。
商品を宣伝する際は、アナログとデジタル両方を活用することが効果的です。
ポイントを押さえて効果的にシニアマーケティングをしよう
シニアマーケティングの概要と、戦略的なポイントや詳しいペルソナを解説しました。
シニアの定義は業界によって異なるものの、マーケティングにおいては65歳以上を指す場合が多いです。
今後も拡大し続けるシニア市場を制するには、詳しくペルソナを設定することが大事。
シニアのペルソナは大きく分けて以下の4つがあります。
- 積極的に働く現役シニア
- 運動が好きなアクティブシニア
- 穏やかに暮らすノンアクティブシニア
- 要介護状態のパッシブシニア
シニアのペルソナは、必ずしも年齢と連動するわけではないので注意が必要です。
詳しいペルソナを設定したら、以下の4つのポイントを意識した戦略を立ててみましょう。
- ターゲットの年齢層を絞る
- シニアのペルソナに合わせて戦略を立てる
- シニアの消費動向を理解する
- アナログとデジタル両方を活用する
シニアをターゲットとしたビジネスの具体的な成功事例については、「シニアマーケティングの成功事例まとめ!失敗しないコツとは?」を参考にしてください。
シニアマーケティングを理解して、今後の継続的な売り上げアップに役立てていきましょう。
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