TVer広告を活用して効果的なプロモーションを行うには、適切な戦略とともに正確な入稿が不可欠です。
TVer広告の入稿には決まった流れがあり、動画やコンパニオンADなど、異なる形式でそれぞれの入稿規定があります。
また、配信までには厳しい審査も通過しなくてはなりません。
本記事では、TVer広告の入稿規定に焦点を当て、TVer広告の特徴や費用から、入稿規定・入稿の流れ・審査の通過基準などについて詳細に解説します。
TVer広告を最大限に活かし、ターゲットに効果的にリーチするためのノウハウが理解できるでしょう。
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目次
TVer広告とは?
TVerとは、近年登録者数が右肩上がりの動画配信サービスです。
TVer広告とは、TVer内でテレビ広告の方に配信される広告を指します。
まずは、TVer広告の特徴について解説します。
なお、TVer広告の概要について詳しくは「TVer広告の特徴や仕組みとは?クリックされるためのポイントも解説!」を参考にしてください。
TVer広告の特徴
TVer広告は、他の動画広告に比べても完全視聴率が高く、商品やサービスを視聴者に非常に強く訴求できる広告媒体です。
独自のターゲティング方法や課金方法があり、また配信には厳しい審査を通らなければならないのも特徴です。
その分、広告の安心・安全・品質が担保されており、視聴者にとっては受け入れやすい広告でしょう。
TVer広告のターゲティング
TVer広告は、独自のターゲティング方法をもっています。
TVerのアプリは無料でダウンロードできますが、初回登録時に年齢・性別・居住地域などのアンケートの入力を求められます。
また、DPMというユーザー属性の外部データがあり、これらを組み合わせることで詳細なターゲティングが可能です。
TVer広告の課金方式
ここからは、TVer広告の2種類の課金方式について解説します。
CPA課金
CPMは、広告が表示されるごとに課金される仕組みで、1000回表示あたりの金額が決まっています。
固定単価のため、どれくらいの広告視聴数があるかを確認することが容易です。
また、CPCVよりも優先的に表示されるメリットがあります。
一方で、CPCVの市況によりオークションで安く広告枠が獲得できる場合でも、固定の金額で購入しなければならない点がデメリットとして挙げられます。
さらに、広告が表示された時点で課金がされるため、必ずしも視聴者が最後まで広告を見ているとはりません。
広告クリック率などのデータを取りたい場合には注意が必要でしょう。
CPCV課金
広告動画を最後まで視聴したユーザーにのみ課金されるのがCPCVです。
これは「動画広告を途中で離脱したユーザーは課金対象外にできないか」という、広告主側からの強い依頼を受けて導入されました。
動画広告とは最後まで視聴してもらうことで本来の効果を発揮するので、より強く視聴者に商品やサービスを訴求できます。
費用はオークション形式で、市況によっては通常の費用よりも安く広告配信が可能です。
しかし、CPM課金よりも広告動画を流す優先度が低く、広告が露出されない場合もあります。
広告が露出しなければ広告の効果も発揮されないので、まずはCPMでの出稿が一般的です。
TVer広告の費用
TVer広告の費用は、CPM(広告表示1000回)あたりの料金が1表示につき2~40円程度、最低金額が50万円というのが一般的です。
とはいえ、TVer広告の出稿費用は問い合わせが原則で、広告担当者へ問い合わせて見積もりを出してもらう流れとなっています。
広告の内容・長さ・配信回数・目的などによって費用が異なり、中には20万円前後から出稿できるものもあるので、一度問い合わせてみてください。
「TVer広告の料金・費用はいくら?課金の仕組みや出稿の流れも解説」では、TVer広告の料金や費用について詳しく解説しています。
TVer広告の入稿規定
ここでは、TVer広告の入稿規定について確認しましょう。
TVer広告には動画とコンパニオンADがあり、それぞれに入稿規定があります。
入稿規定は項目・CM尺・ファイル形式・ファイルサイズなどが決められています。
動画入稿規定
TVerの動画広告入稿規定はかなり細かく項目が分かれているため、広告動画の制作時には注意が必要です。
主な入稿規定は、以下の通りです。
項目 | ハイレート (SD/PC) | プレミアムレート (CTV) |
---|---|---|
CM尺 | 6秒~60秒の間で任意設定 | |
ファイル形式 | MP4 (moov atom ; 先頭必須) | |
ビデオサイズ (pixel) | (W) 1280 × (H) 720 | (W) 1920 × (H) 1080 |
映像アスペクト比 | 16:9 | |
映像ビットレート | 1,500kbps ~ 2,100kbps | 2,500kbps ~ 3,500kbps |
音声タイプ | ステレオ (モノラルは疑似ステレオ) | |
音声ビットレート | 64kbps または 128kbps または 192kbps (192kbps推奨) | |
総ファイルサイズ | 12MB以内 (15秒素材:6MB推奨) | 18MB以内 (15秒素材:9MB推奨) |
参考:TVer広告入稿規定
テレビアプリに配信する場合は、ハイレートとプレミアムレートをセットで搬入することが定められています。
一方で、テレビアプリに配信しない場合はハイレートのみの搬入で問題ありません。
コンパニオンAD入稿規定
コンパニオンADの入稿規定は、以下の4つが設けられています。
- コンパニオン広告 PCレクタングル
- コンパニオン広告 SDバナー
- コンパニオン広告 アイコン+テキスト+ボタン
- コンパニオン広告 テキスト+ボタン
ひとつずつまとめたので、詳細は以下をご覧ください。
入稿形式 | PNG |
---|---|
容量 | 150KB以内 |
サイズ (横×高) | 300×250ピクセル / 600×500ピクセル (推奨) |
アニメーション | 不可 |
URL | 必須 (httpsのみ可) |
入稿形式 | PNG |
---|---|
容量 | 150KB以内 |
サイズ (横×高) | 600×120ピクセル |
アニメーション | 不可 |
URL | 必須 (httpsのみ可) |
入稿形式 | PNG |
---|---|
容量 | 150KB以内 |
サイズ (横×高) | 512×512ピクセル |
アニメーション | 不可 |
URL | 必須 (httpsのみ可) |
文字数 | 25文字まで |
ボタン文字 | 「詳しくみる」「詳細こちら」「ダウンロード」「チェック」「無料体験」「相談受付中」「資料請求」「予約こちら」「購入こちら」「今すぐ購入」から選択可能 |
クリックURL | 必須 (httpsのみ可) |
---|---|
文字数 | 25文字まで |
ボタン文字 | 「詳しくみる」「詳細こちら」「ダウンロード」「チェック」「無料体験」「相談受付中」「資料請求」「予約こちら」「購入こちら」「今すぐ購入」から選択可能 |
また、以下のような事例については広告掲載不可となる場合があるので注意が必要です。
- ユーザーの誤動作を誘発するおそれのある表現
例:「再生マーク等が表示されている素材」、「検索窓が表示されている素材」など - 公式に権利を持たないキャラクターや商標、番組タイトル等を利用し、あたかも「公式」サイトのように見せかけ誘引を促すもの
- その他、TVerが掲載不可と判断するもの
参考:TVer広告入稿規定
TVer広告の出稿の流れと審査について
ここからは、TVer広告の出稿の流れと審査について解説します。
広告が不承認になる理由もあわせて確認しましょう。
TVer広告の出稿の流れ
Tver広告出稿の基本的な流れは、以下の通りです。
- TVer広告へ問い合わせ
- 広告担当者と打ち合わせ
- シミュレーション・見積もり提示
- 業態考査(各放送局が広告主を審査し、アカウントを開設)
- 広告の発注
- 素材考査(各放送局が動画広告の素材を審査)
- 媒体申し込み
- 広告配信開始
- 配信結果のレポート提出
特に、業態考査と素材考査では「企業の健全性・信頼性」や「過激または悪質な事業内容・広告ではないか」という点を厳密に審査されます。
両方の審査を通過した放送局から、順次広告が配信されます。
問い合わせから配信までの日程にかかる期間は、20営業日ほどなので、配信までのスケジュールに余裕をもって出稿してください。
TVer広告の審査
TVer広告には業態考査と素材考査という2種類の審査があり、それぞれにテレビ広告と同じ水準の厳しい審査基準が設けられています。
業態考査とは広告主の審査です。具体的には、広告主である企業の健全性や信頼性が審査されます。
また、素材考査とは広告素材の審査で、業態考査が完了後に放送する広告素材が審査対象です。
具体的には、法令や放送基準などを守っているかという内容です。
他にも、動画入稿規定が守られているかも確認されます。
尺・ファイル形式・映像アスペクト比・サイズなど細かく項目が決められているため、広告動画の制作時には注意が必要です。
TVer広告が不承認になる理由
審査によっては、TVer広告が不承認になる場合もあります。
審査に通らないと思われる例を以下にまとめました。
業態考査で不承認になりうる理由 | 素材考査で不承認になりうる理由 |
|
|
一般的に、広告考査は「日本民間放送連盟 放送基準」というガイドラインがありますが、最終的には広告を放送する側が判断するものです。
上記例の他にも、TVer側が相応しくないと判断した場合には、広告が不承認になる場合があります。
TVer広告の5つのメリット
ここからは、TVer広告の5つのメリットについて解説します。
- 広告の視聴完了率が非常に高い
- 広告が受け入れられやすい
- ターゲティングの設定方法が豊富
- あまりテレビを見ないユーザー層に訴求できる
- テレビ広告との相乗効果が期待できる
それでは、1つずつ順番にみていきましょう。
広告の視聴完了率が非常に高い
TVer広告の最大のメリットの1つは、広告の視聴完了率が非常に高いことです。
TVerの公式発表では、スマートフォン・PC・コネクテッドテレビのいずれの媒体であっても、視聴完了率は95%以上と非常に高い値となっています(参考:TVer公式HP)。
これは、TVer広告はスキップができず、最後まで視聴をしないと番組の続きが見られないという仕組みがあるからです。
広告は、最後まで視聴してもらって初めてその効果を十分に発揮できるので、視聴者に対してより強く商品やサービスを訴求できるでしょう。
また、さまざまな動画を視聴するユーザーは繰り返し同じ広告を目にすることになるので、商品やサービスを記憶してもらいやすくなる効果もあります。
広告が受け入れられやすい
広告が視聴者に受け入れてもらいやすいのもTVer広告のメリットです。
TVerは、テレビと同じタイミングで広告を配信するため、視聴者は違和感なく広告を受け入れることができます。
YouTubeのように、動画再生中に予告もなく突然広告が入ると、わずらわしいですよね。
TVer広告はテレビと同じように広告を流すタイミングについてもしっかりと構成しているので、視聴者はわずらわしさを感じにくいのです。
また、TVer広告には配信までに厳しい審査があるため、他の動画広告に見られるような過大広告や過激な広告などがありません。
このことも、視聴者が安心して広告を受け入れられる下地になっています。
しかもTVer広告は、視聴している番組と広告の相性なども審査されてから配信されるため、番組と広告を続けて視聴しても違和感がないのです。
ターゲティングの設定方法が豊富
TVer広告は独自のターゲティング方法を持っており、ターゲティングの設定方法が非常に豊富です。
TVerはアプリをダウンロードした際に、生年月日・居住地域・好きなジャンルなどのアンケート登録が求められます。
さらに、ユーザーの検索履歴・年齢・性別などのDPMという外部データをもっており、これらのデータを組み合わせることで、詳細なターゲティングが可能なのです。
年齢・性別・居住地域などに加えて、好きなジャンル・検索履歴などの情報でユーザーを細かく絞り込めるため、興味関心の高い層に効果的に広告を配信できるでしょう。
中でも、特徴的なものでは「天気連動配信」というものがあり、特定の天候や気温を条件とした広告配信もできます。
あまりテレビを見ないユーザー層に訴求できる
TVer広告は、普段あまりテレビを見ないユーザーに対しても広告を配信できるメリットがあります。
近年、10代・20代のテレビ離れはさまざまなところで指摘されています。
しかし、リアルタイムで見ることはないものの、サブスクリプションのサービスなどで後からテレビ番組を視聴するというユーザーは少なくありません。
TVerはまさにこの需要に合致するサービスです。
テレビ離れが進む若年層やTVerの利用者比率が高い女性層に対しては、特に高い訴求効果が期待できるでしょう。
テレビ広告との相乗効果が期待できる
TVer広告でテレビ広告の弱点を補うことによって、ブランドリフト効果が期待できます。
テレビ広告は圧倒的な数のリーチ力がある一方、不特定多数が視聴するため、ターゲティングが難しいのが特徴です。
また、テレビ広告はリアルタイムで番組を視聴するユーザーにのみ配信されます。
しかし、TVer広告は年齢や性別など詳細なターゲティングが可能です。
加えて、TVerは「見逃した番組を好きな時に見られる」ため、TVer広告はテレビ番組を見逃してしまったユーザーにもリーチできます。
TVer広告とテレビ広告の特徴を理解し、これらを組み合わせて配信することで、さらに幅広い視聴者へのリーチが可能となるでしょう。
テレビ広告については「テレビ広告の効果・メリットは?効果を最大化するポイントも解説」も参考にしてください。
TVer広告を出稿するときの3つのポイント
ここからは、TVer広告を出稿するときに押さえるべきポイントを3つお伝えします。
- ターゲティングを狭くし過ぎない
- スマホでの視聴をベースに動画の質を担保する
- 審査期間を考慮して余裕をもって入稿する
ポイントを押さえ、効果的な広告を出稿しましょう。
ターゲットを絞りすぎない
TVer広告を出稿する際は、ターゲットを絞りすぎないようにしましょう。
TVer広告は独自のターゲティング方法により、高精度にターゲットを絞れる点がメリットとして挙げられます。
しかし、ターゲットを狭くし過ぎると広告の表示回数自体が減ってしまい、広告の予算が消化されません。
また、広告が表示されなければ、当然ですが予想するような広告の効果は得られないでしょう。
最初は広い範囲に配信し、結果を見ながらより反応がよいユーザー層へターゲティングを狭めていく方法が一般的です。
スマートフォンユーザーを意識して動画を作成する
TVer広告の動画は、スマートフォンに配慮したものにしましょう。
TVerは、スマートフォン・PC・コネクテッドテレビなど様々な媒体で視聴でき、中でもスマートフォンからの視聴がほとんどです。
動画のサイズを考えて広告を出稿しないと、画質が落ちたり、逆に動画が重くて再生が困難になり表示に時間がかかったりします。
既に制作してあるテレビ広告用の動画などを流用する場合は、画質を落として動画のサイズを軽くする、文字のサイズを大きくするなど、スマートフォンユーザーを意識した工夫が必要です。
また、洗練されたテレビ番組の流れに、いかにも素人が作ったような広告が流れてしまうと、それだけでイメージダウンになりかねません。
広告動画はできる限りクオリティにこだわる必要があるので、注意してください。
スケジュールに余裕をもって出稿する
TVer広告は、スケジュールに余裕をもって出稿しましょう。
TVer広告の出稿には、資金調達・動画の素材調達・動画作成から、確認・入稿・審査など、さまざまな過程があります。
特に、各局の2つの審査を通過するために時間がかかります。
広告動画を1からつくるという場合であれば、最初に問い合わせをしてから配信するまでに一般的には20営業日ほどが必要です。
TVer広告の配信を考えるときは、事前にスケジュールををしっかり組み、早めに制作・入稿するのがよいでしょう。
また、ワンストップサービスで動画制作から配信までを引き受けてくれる代理店を選ぶなど、ハインまでの時間を短縮する戦略も重要です。
TVer広告の入稿規定を押さえて効果的に出稿しよう
TVer広告を活用する上で、入稿規定を理解し、効果的に出稿することはマーケティングの成功に欠かせません。
動画やコンパニオンADの入稿規定に注意し、余裕をもって出稿することで、ターゲット層にしっかりとアプローチできます。
審査のポイントやプロセスもきちんと理解し、広告がスムーズに配信されるように心掛けることが大切です。
本記事で紹介した5つのメリットや3つのポイントを押さえつつ、TVer広告を最大限に活かしてビジネスを飛躍させてください。
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