セールスプロモーションとは?成功・失敗事例を元に戦略を解説!

セールスプロモーションとは、企業の販売促進に関する活動全般を指します。

しかし、定義や手法はどんなものがあるのか、実はあまり知らない場合が多いのではないでしょうか。

この記事では、セールスプロモーションの定義や手法、具体的な事例と戦略のポイントについて解説します。

セールスプロモーションについての理解が深まると、ターゲットの購買意欲を引き出しやすくなることで企業の成長へとつながります。

企業のセールスプロモーション担当の方は、ぜひ参考にしてください。

また弊社では、紙媒体の広告を出稿をご検討の方に「紙媒体広告の戦略本」を紹介しています。

詳しく知りたい方はぜひバナーをクリックして、資料をダウンロードしてください。

セールスプロモーションとは?

セールスプロモーションとは、販売促進に関する活動全般のことです。
販売促進活動というと広告と混同されがちですが、違いは目的にあります。

広告は商品やサービスについての認知向上を主な目的とし、セールスプロモーションは広告によってかき立てられた消費者の関心を、購買行動に結びつけることが目的です。

新作ドリンクをテレビCM(広告)で認知させ、店頭で試飲キャンペーン(セールスプロモーション)をおこない購買につなげる、という具合です。

目的は異なりますが、広告もセールスプロモーションもプロモーション戦略の手法として知られています。

効果的なプロモーション戦略については「プロモーション戦略の効果的な方法を解説」をご参照ください。

セールスプロモーションの対象

セールスプロモーションの対象は、次の3つがあります。

  • 消費者向けプロモーション
  • 流通業者向けプロモーション
  • 社内担当者向けプロモーション

セールスプロモーションは、消費者・メーカーや流通業者・社内担当者間での施策なので、誰を相手におこなうかによって内容が変わりますが、大まかに下の表にある3つの型に分けられます。

価格訴求型値引き・割引、クーポンの配布
体験型試食・試飲、サンプル配布、トライアルキャンペーン
インセンティブ提供型商品購入でプレミアム特典、賞品・賞金

対象ごとにそれぞれどんな施策がどんな目的でおこなわれているのか確認しましょう。

消費者向けプロモーション

最終的に商品やサービスを購入する顧客に向けた販売促進活動です。

セールスプロモーションの多くが一般消費者に向けた活動であり、サンプル配布・割引・ノベルティ提供など幅広い方法が存在します。

消費者向けプロモーションをおこなう目的は、短期的な売上の増加と、消費者との関係構築にあります。

商品やサービス内容によって、年齢や性別でターゲティングするとより効果的です。

流通業者向けプロモーション

メーカーが、小売業者や卸売業者に向けておこなうのが流通業者向けプロモーションです。

自社の商品やサービスを販売してもらえるよう働きかけて、市場を活性化する目的でおこなわれます。
その結果、取り扱いの品数や種類を増やすことにもつながっています。

具体的には、協賛金や売上実績に応じた報奨金などのインセンティブを提供し、売り場面積の拡大や販売に有利な棚の確保してもらうことなどです。

インナープロモーション

社外ばかりではなく、社内の営業や販売担当者に販売意欲を高めてもらうことも重要なセールスプロモーションです。

具体的には以下のような内容があげられます。

  • セールスマニュアルの整備
  • 営業補助ツールの作成
  • 営業成績優秀者に対する表彰・報酬制度

さらなる販売促進のために、社内を活性化したいときに有効です。

セールスプロモーションの種類

セールスプロモーションは様々な手法があり、次の4つに分けられます。

  • ダイレクトマーケティング
  • インストアプロモーション
  • キャンペーンプロモーション
  • イベントプロモーション

各手法にあてはまる施策を下の表にまとめています。

ダイレクトマーケティング販促物(チラシ・パンフレット・ダイレクトメールなど)の配布
インストアプロモーション売り場のPOP、試食・試飲などのキャンペーン実施
キャンペーンプロモーション値引き・キャッシュバック、サンプル・クーポン・景品などの配布
イベントプロモーション展示会、デモンストレーション、コンテストなどの実施

4つの手法を、認知・購買・顧客化のステージに分けて使うとよいでしょう。

ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングとは、既存客や過去に購入した顧客、見込み客のリストを用いて、顧客に直接働きかける販促活動です。

具体的には、ダイレクトメール・メールマーケティング・ポスティング・ルートサンプリングといった施策が挙げられます。

ダイレクトマーケティングでは、マーケットの動向と顧客属性をベースに、これまでの購入履歴や指向性などに合わせて提案をします。

アプローチの結果を分析し、さらに精度を高めて実行するようなPDCAサイクルを繰り返すのが効果的です。

インストアプロモーション

店舗の中にいるお客さんに向けて購入を促すアプローチ全般をインストアプロモーションといいます。

具体的には、来店したお客さんの視線に合わせた陳列、四季の気候や行事に合わせたイベント企画、販売員による実演販売、POPやデジタルサイネージなどの店頭広告、またタイムセールや見切り割引などが含まれます。

キャンペーンプロモーション

期間限定で商品購入の特典を付けたり、特別割引やポイントを付与したりするのがキャンペーンプロモーションです。

期間を限定することで、「今買わないと損です」「今ならこんなにメリットがあります」という特別感をアピールし、新たな購入を促します。

キャンペーンプロモーションのやり方を工夫すれば、売上アップだけでなく、認知拡大やブランディングにも効果的です。

イベントプロモーション

イベントプロモーションとは、展示会や発表会・セミナーなどのイベントに参加したり、自社で主催したりする販促施策のことです。

展示会でのブース出展のほか、サンプルやチラシの配布・体験会などを行います。

大きなイベントでは共通の趣味嗜好や関心がある人たちが多数集まるため、そこで注目されれば有効なアピールとなります。

セールスプロモーションの手法

具体的にどのステージでどの手法を使うと効果的なのか、消費者向けプロモーションを例に解説します。

  • 認知拡大
  • 購買促進
  • 顧客化

各ステージに合った施策を実施していきましょう。

認知拡大

商品・サービスについての情報伝達や、実際に見る・体験することを主体としたプロモーションをおこないましょう。

プロモーションイベント消費者が商品そのものやブランドの世界観を体感するイベントを行う
デモンストレーション商品の使い方や特徴を顧客の目の前で実際に示す
サンプリング商品サンプルを無料配布する
モニタリング顧客に商品を使ってもらい使用感などを調査する
オープンキャンペーン購入や利用など参加条件を設けずに懸賞を実施する
ポップアップ・ストア空き店舗やイベントスペースに小規模なショップを期間限定で開設する

認知のステージでは、商品やサービスに興味や関心をもってもらうことが目的です。

チラシやパンフレットを配布したり、サンプリングやデモンストレーションで実際の商品を知ってもらったりする手法が有効です。

商品やサービスの特徴・魅力が伝わることが大切です。

購買促進

来店や購買という目標に対しての、動機付けに直結するような働きかけをおこないましょう。

クローズドキャンペーン商品の購入や利用した人だけが応募できる懸賞を実施する
クーポニング割引券や優待券などを配布する
価格プロモーション商品価格を一時的に下げて顧客を集める
カウンセリング専門知識を持つ販売員が対応して販売につなげる

購買のステージでは、すでにある程度商品やサービスについての情報を得ていることが多く、ひと押しになるようなプロモーションが必要です。

動機付けに強い効力がのぞめる手法は、クーポンや値引き、商品の購入を条件とした景品の配布などがあります。

また、いくつかの商品の比較検討をしたい場合に有効なのがカウンセリングです。

購入にともない知識や技術が必要な商品について、専門知識のあるスタッフが丁寧に対応することで、安心や信頼を得て購買につなげる手法です。

購買の意思決定につなげていくことを意識しましょう。

顧客化

おもにアフターフォローを通してリピーターの獲得を目指すプロモーションを考えていきましょう。

ポイントプログラム商品を購入・利用した顧客にポイントを付与する
会員プログラム会員限定のお得情報の発信やキャンペーンを実施する

すでに商品やサービスを購入・利用してくれた人たちとの関係の構築により、企業を支える顧客を増やすことは、企業の成長に欠かせない要素となります。

アフターフォローをしながら関係形成をはかり、長期的な購買につなげるのが大切です。

セールスプロモーションで使うツール

セールスプロモーションで成果を上げるためには、さまざまなツールを活用して情報発信し顧客の購買意欲を高める必要があります。

ここでは、セールスプロモーションに使われるツールを紹介します。

  • チラシ・リーフレット
  • パンフレット・カタログ
  • POP
  • DM
  • サンプル

チラシ・リーフレット

1枚の紙に商品購入のメリットや特長をまとめたチラシやリーフレットは、顧客が手にとって読んでもらえればしっかりと情報を届けられます。

また手元に残しておく人もいるため、長く効果が残ることがあるのがメリットです。

いかに顧客の目に留まるか、手にとって読んでもらえるかがポイントになります。

パンフレット・カタログ

パンフレットやカタログは、ある程度興味がある顧客に向けて、より詳しい内容を届けるのに役立ちます。

商品の魅力やメリットなどが伝わる写真や図版・データなどを盛り込み、わかりやすく紹介するのが重要です。

POP

POPは、店頭の商品の近くに設置し、商品の良さを伝えるツールです。

店内の顧客の目を止めて興味を持たせ、実際に手に取らせることを狙っています。

最近は小型モニターを商品棚に設置し、動画や静止画でメッセージを発信するデジタルサイネージも導入が進んでいます。

DM

既存客や過去の購入客・見込み客などに、購入を促すメッセージやキャンペーンのお知らせ、特別なカタログなどを直接送付するのがダイレクトメールです。

顧客の過去の購入履歴や関心事項などに合わせて適切な情報を送ることができれば、すぐに売上につながる即効性の高いプロモーションとなります。

郵送では送付コストがかかるため、送付許可を得て電子メールでダイレクトメールと同様の販促活動を行うケースも増えています。

サンプル

実際の商品を手に取ってみると、写真や文字以上に商品の魅力が伝わることがよくあります。

サンプルの配布は、コストはかかりますが、大きな効果が期待できるプロモーションです。

ここぞという場面で活用すると有効といえるでしょう。

セールスプロモーション成功事例

セールスプロモーションの手法を用いた成功事例について紹介します。

成功事例1:1つ買うと1つ無料

一つ商品を購入するともう一つ無料というキャンペーンプロモーション事例です。

購入者は同じ値段で2つもらえるので非常にお得感とインパクトがあります。
さらに売り手にとっても利益が上がる可能性の高い手法です。

分かりやすい事例として、飲食店の「1つ買うと、1つ無料」キャンペーン収支をご覧ください。

出典:「1つ買うと、もう1つ無料」のカラクリ 各社の実例から販促タイプと狙いを考える−販促会議

「1つ買うと1つ無料」事例の利益が、他の施策と比べ一番高いのがわかります。
海外でよく使われる手法ですが、国内ではコンビニでもよく見かける事例です。

成功事例2:顧客データを柔軟に活用したクーポン配布

月間のポイント対象金額に応じてクーポンハガキを配布するダイレクトメール事例です。
下の画像をご覧ください。

出典:株式会社オギノ

月間ポイント対象累計金額によって、10コマ〜32コマのクーポンハガキを配布しています。

一律還元ではなく、顧客データを活用してロイヤルカスタマー見極め還元していくスタイルで成功している事例です。

このほかにも、プロモーション戦略の成功事例についてを「プロモーション戦略とは?成功事例と共に紹介!」で紹介しています。

セールスプロモーション失敗事例

セールスプロモーションはもちろん必ず成功するわけではありません。
うまくいかなかった場合は、問題点を見つけ出し改善していくことが大切です。

次にあげる失敗事例を参考に、課題と改善策を解説します。

失敗事例①クーポンによるリピーター獲得の失敗

飲食店がクーポン付き広告を掲載したが、リピーターの獲得に至らなかったという事例です。

値引きのみを目的とした「クーポンハッカー」と呼ばれる人たちが、広告の掲載期間のみ来店していたためにおこった失敗です。

課題は、再来店してもらえる工夫をすることが挙げられます。

例えば、次のような方法を取り入れてみましょう。

  • 次回使えるクーポン・ポイントカードの発行
  • 店舗アプリや公式LINE登録
  • 誕生日特典などのサプライズ

参考記事:飲食店が新規顧客を獲得するための効果的な販促方法

失敗事例②チラシと実店舗とのギャップ

セレクトショップのようなオシャレな雑貨を安価で購入できるというチラシを作成してプロモーションしたが、顧客の獲得に至らなかった事例です。

商品自体は安価でも、ただ雑然と商品を並べただけの店内の雰囲気にイメージダウンしてしまったことが原因と考えられます。

陳列方法にバリエーションを増やしたり、商品が映えるライティングをセレクトしたりするだけでも、オシャレな雰囲気を演出できます。

チラシと実店舗の雰囲気を近づける努力をすることで改善を目指しましょう。

参考記事:販売促進の方法として効果的な施策・アイデア・事例を紹介!

セールスプロモーションのメリット

セールスプロモーションを実施することで、単に売り上げがアップする以外にもいくつかのメリットがあります。

ここでは、セールスプロモーションのメリットを解説します。

新規顧客を獲得できる

セールスプロモーションを実施することで、初めて商品を知り購入する新規客の獲得につながります。

既存客にばかり頼っていては、いずれ売上は低下します。

新規客の獲得はコストもかかり、プロモーションを実施したからといって必ずしも売れるとは限りません。

アピールを続けながら勝ちパターンを探っていく取り組みが重要です。

PDCAを回しながら、精度の高いセールスプロモーションに進化させると、継続的に新規顧客を獲得できるようになります。

既存顧客のロイヤリティを向上させられる

売上拡大のために大切なのは、既存顧客がしっかりと固定客となり、継続的に購入するようになることです。

既存客向けに特化したセールスプロモーションを実施し、特別扱いをすると大きな効果が期待できます。

新規顧客は、購入するまでに時間がかかりますが、既存客はすでに信頼関係ができています。

丁寧に関係を深めることでロイヤリティが高まり、固定客として定着するでしょう。

競合と差別化できる

効果的なセールスプロモーションが競合との差別化になることがあります。

他社とは違った魅力を伝え、他社がやらない販促活動を実施して、違った反響を得るようになれば、大きな差別化の要素になります。

競合と同じことをやっていていては、競争にはなかなか勝てません。

他社にはないセールスプロモーションを実施して差別化につなげましょう。

セールスプロモーションのデメリット

セールスプロモーションを行うには、コストがかかります。

適切なやり方を選択せずに大きな費用を投入すると、想定していた売上につながらず利益を減少させるリスクがあります。

セールスプロモーションを実施したからといって、必ず成果を得られる保証はありません。

少額でテストを行ったり過去のデータを分析したりして、事前にシミュレーションを行い、ある程度の成果が得られる確信を持ってから本格的に実施するようにしましょう。

セールスプロモーションの効果的な戦略

効果的なセールスプロモーション戦略を考える上で、重視すべきポイントを次の3つにしぼってご説明します。

  • 目的・ターゲットを明確にして共有する
  • 新規顧客よりリピーター獲得を優先する
  • 効果測定と改善をくりかえす

目的・ターゲットを明確にして共有する

セールスプロモーションを何のために誰に対しておこなうのか明確にし、関係者全員と共有することが大切です。

プロモーションに携わる人たち全てが目的・ターゲットを理解することで、セールスプロモーションの効果がどうであったか情報を共有し統合できます。

あとで課題・改善策を考えるためにも必要なことですので徹底しましょう。

新規顧客よりリピーター獲得を優先する

新規顧客の開拓とリピーター獲得のどちらも目的としてかかげられますが、優先すべきはリピーター獲得です。

新規顧客を開拓するには、認知・購買・顧客化のステップを始めから踏む必要があります。

しかし、既存顧客なら初回購入時に次へつながるプロモーションをしたり、アフターフォローをしたりすることでリピーターを獲得できる可能性が高くなります。

つまり、リピーター獲得を目指す方が手間やコストが削減できるのです。

効果測定と改善をくり返す

セールスプロモーション戦略を実行したら、必ずその結果を分析して効果の測定をしましょう。課題点の洗い出し、改善をくり返すことによってプロモーション戦略の精度が高まっていきます。

効果測定の方法は色々ありますが、アンケートによるセールスプロモーション前後の顧客満足度調査を実施するとよいでしょう。

自社の商品・サービスに対する満足度がセールスプロモーションによってどう改善されたのか、費用対効果はどれくらいだったのかを可視化できます。

セールスプロモーションは事例を参考に戦略を立てよう

セールスプロモーションとは販売促進に関する一連の活動であり、次の4つの手法を使い分けます。

  • ダイレクトマーケティング
  • インストアプロモーション
  • キャンペーンプロモーション
  • イベントプロモーション

成功・失敗事例を参考にしながら3つのポイントを重視した戦略を考えましょう。

  • 目的・ターゲットを明確にして共有する
  • 新規顧客よりリピーター獲得を優先する
  • 効果測定と改善をくりかえす

セールスプロモーションの理解を深め、さらなる企業の成長へとつなげていきましょう。

なお弊社では、紙媒体の広告を出稿をご検討の方に「紙媒体広告の戦略本」を紹介しています。

詳しく知りたい方はぜひバナーをクリックして、資料をダウンロードしてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA