紙媒体でおもしろい広告を作るメリットは?参考にしたい広告7選

「Webにはおもしろい広告があふれているけど、紙では不可能なの?」

「今の時代、紙でおもしろい広告を載せても見てもらえるかどうか……」

こうした不安から、紙媒体での広告制作に二の足を踏んでいる企業は多いのではないでしょうか。

実は、紙媒体ならではの特性・特徴を活かせば、Webに匹敵するおもしろい広告を作れます。

この記事では、紙媒体×おもしろい広告の実例を参考に、さまざまなメリットを解説!

紙媒体で広告を出稿すべきか悩んでいた企業の迷いを払拭するヒントを紹介します。

また弊社では、紙媒体の広告を出稿をご検討の方に「紙媒体広告の戦略本」を紹介しています。

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紙媒体ならではのおもしろい広告

世の中には、企業が知恵を絞って作ったおもしろい広告があふれています。

ここでは、紙媒体×おもしろい広告の中でも、特に話題になった新聞広告を紹介します。

  1. KINCHO「もうどう広告していいかわからないので。」
  2. 北海道庁「北海道新幹線開業」
  3. 集英社「かわることを、おもしろがろう。」
  4. 相鉄ホールディングス「キャッチコピーなし」
  5. 新聞広告クリエーティブコンテスト作品「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」
  6. SmartHR

それぞれ順番にチェックしていきましょう。

①KINCHO

引用:KINCHO

2020年5月29日付の朝刊です。

2020年4月に緊急事態宣言が発令される中、1か月先の広告をどのように打ち出すべきか悩む広告会社が多くありました。

そんな状況を逆手に取って、大日本除虫菊(キンチョウ)が出したのが、ゴキブリ駆除剤「ゴキブリムエンダー」の新聞広告。

この広告には、おもしろいポイントが2つあります。

  1. 企業の本音を包み隠さず伝えたこと
  2. 「KINCHO」の文字を使った商品紹介

インパクトのある「もう どう広告したらいいのかわからないので。」というコピーの下には、企業の素直な思いが添えられています。

日々状況が変わる毎日です。だれも、先のことはなにも想像できない2020。
この広告の掲載日に、世の中の空気はどうなっているのか、人々の気分はどんな調子なんだろうかと考えあぐねて、いろんなバリエーションを用意しました。

中央縦に並んだ「KINCHO」の6文字には、新型コロナウイルスの感染状況に応じた6パターンのQRコードが設置されています。

緊急事態・外出自粛などが、まだ継続している場合Kタイプ
いまだ学校などが完全に再開されていない場合Iタイプ
なにを言ってもクレーム、炎上、袋叩き。広告なんてやってやる場合か! の場合Nタイプ
近いうちに収束するぞ! と先行きの見通しが立ってきた場合Cタイプ
晴れてコロナに打ち勝ち、飲食店にもお客さんが戻り始めている場合Hタイプ
おめでとう! コロナに打ち勝った! の場合Oタイプ

QRコードを読み込むと、Webサイトに飛ぶような仕組みです。

例えばKタイプは、「STAY HOME SAY GOODBYE TO COCKROACH/いまだから、やろう!在宅殺虫!」と、ステイホーム中のゴキブリ退治を提案する広告が表示されました。

ゴキブリ駆除を呼びかけるコピーと、コピーの周りを囲む世界中の人々の笑顔写真が印象的です。

先が読めない感染状況と同じように、「QRコードを読み込まないと先が読めない」という打ち出し方が反響を呼び、すべてのコードを読み込もうとする人が続出。

SNSには、「おもしろい!」「この広告めっちゃ好き」と絶賛する投稿や、「掲載スピードの遅い広告は、本当に難しい」など、同業他社から共感する声も上がりました。

結果、一時サイトにつながりにくい状態になるほど、大日本除虫菊(キンチョウ)のHPにアクセスが集中しました。

②島根県

引用:島根県

2020年4月29日の山陰中央新報です。

この広告にはおもしろいポイントが2つあります。

  1. 家族に会えない寂しさに共感できる
  2. 手紙のような文面

家族や恋人など、大切な人のために外出自粛を呼びかける広告です。

大型連休前に出稿された手紙のような広告は、2パターン出稿されました。

出雲地域向け早く会いたいけん、今は帰らんでいいけんね
石見地域向け早く会いたいけぇ、今は帰らんでいいけぇね

地域の住民に寄り添った広告は、ふるさとを思い出すきっかけになったそうです。

  • 地元を好きになった
  • 優しさに涙が出た
  • 新聞をきっかけに家族と連絡と取った など

②北海道庁

引用:新聞広告データアーカイブ

2016年3月26日の読売新聞の夕刊です。

広告主は北海道庁で、北海道新幹線が開業になったことを打ち出しました。

この広告には、紙媒体ならではのおもしろいポイントが2つあります。

  • 新幹線が一面から最終面まで続いているように見える
  • 新幹線の形が活かされている

パッと見たときの大きなインパクトは、紙媒体ならではのおもしろさです。

③集英社

引用:集英社

集英社が2020年元旦に出した日経新聞の広告です。

この広告のおもしろいポイントは、2つあります。

  1. キャッチコピーが別の言葉に変わる
  2. 新聞社ごとに違う種類の広告を出稿した

「かわることを、おもしろがろう。」というキャッチコピーとともに描かれている言葉は、上下逆さまにすると別の言葉に変わります。

まさに、変わることをおもしろがった目新しい広告です。

見方を変えることでいろんな読み方・解釈ができるデザイン法「アンビグラム」を用いています。

集英社は毎年元旦の広告に力を入れており、新聞社ごとに違う種類の広告を出稿したのもおもしろいポイントです。

新聞名文言
日経新聞「変革⇄原点」
読売新聞「可能性⇄無限大」
朝日新聞「さく花⇄芽ぐむ」
毎日新聞「才能⇄努力」
産経新聞「未来⇄栄光」

④相鉄ホールディングス

引用:ウェブにつながる新聞広告~「調べたい」気持ちを刺激する秀逸アイデア

2019年11月29日の日本経済新聞です。

相模鉄道がJR東日本と相互直通運転を始めたことを知らせる広告には、おもしろいポイントが2つあります。

  1. イメージ写真が一切ない
  2. ユーザーの欲求を呼び起こしている

相模鉄道を連想させる駅や車両の写真はありません。

キャッチコピーなどは一切なく、Webサイトの検索窓が並んでいるだけです。

検索窓と一見何の関連もないキーワードですが、読んだ人は「これは何なんだろう?」「気になるから調べたい」という衝動にかられます。

これが相模鉄道の狙いです。

Webと紙のコラボは画期的で、おもしろいアイディアだと話題になりました。

⑤新聞広告クリエーティブコンテスト受賞作品

引用:新聞広告データアーカイブ

2013年に日本新聞協会広告委員会が実施した「新聞広告クリエーティブコンテスト」で最優秀賞に輝いた新聞広告です。

この広告のおもしろいポイントは、意外な視点から描かれているところ。

桃から生まれた少年が鬼を退治しに行く「桃太郎」は、有名な童話のひとつです。

しかし、この作品は桃太郎ではなく「桃太郎に退治されてしまった鬼の子ども」の目線で描かれています。

作者は岐阜県出身のコピーライターで、以下のようなコメントを残しています。

ある人にとってしあわせと感じることでも、別の人からみればそう思えないことがあります。反対の立場に立ってみたら。ちょっと長いスパンで考えてみたら。別の時代だったら。どの視点でその対象を捉えるかによって、しあわせは変わるものだと考えました。」

引用:新聞広告データアーカイブ

主人公の視点がすべてではないことを訴えた斬新な広告です。

視点は1つではなく、違う視点から見るとまったく違った見方ができるというメッセージが込められています。

SmartHR

引用:クラウド人事労務ソフト「SmartHR」公式Twitter

2020年5月6日朝刊です。

クラウド人事労務ソフトサービスを提供する「SmartHR」が出稿した広告は、大きな注目を集めました。

この広告にはおもしろいポイントが2つあります。

  1. インパクトのあるキャッチコピー
  2. 企業/労働者が共感できる内容

テレワーク推奨が叫ばれているタイミングで出稿した広告は、企業・労働者に響く内容でした。

緊急事態宣言下にもかかわらず、在宅勤務できない人の訴えを代弁しています。

新聞広告のほか、交通広告でも掲示しました。

  • 東京メトロの都内主要16駅
  • JR首都圏全線の電車内
  • JR新宿駅の駅ナカ中央通路など

SNSでの反響も良く、多くの企業から「導入を検討したい」と問い合わせがあったそうです。

おもしろい広告の特徴は2つ

おもしろい広告には、2つの特徴があります。

  1. 1番最初に見た情報に影響される
  2. ポジティブ印象を抱いてもらえる

それぞれ詳しくみていきましょう。

1番最初に見た情報に影響される

広告とは、商品やサービスを広く知らせて、人の関心を引きつけるもの。

1番最初に目に入った情報が良いか悪いかによって、商品やサービスに抱くイメージが決まります。

この「1番最初に目に入った情報によってイメージが決まること」を裏付けるものが、「初頭効果」です。

初頭効果(プライマシー効果, primacy effect)とは、最初に与えられた情報が印象に残って長期記憶に引き継がれやすく、後の評価に影響を及ぼす現象のこと。情報を並列に扱った場合に起こりやすいとされる。人物や物事の第一印象が長期間に渡って残るのは、初頭効果の影響である。

参考:シマウマ用語集

わかりやすく説明するために、「広告」を「人」に置き換えてみましょう。

例えば、初対面のときに小さい声で元気がなさそうに話しかけられると、「気が弱そうな人だな」と思われがちです。

しかし、初対面であっても大きな声で明るく話しかけられると「しっかりしている人だな」と好印象を抱きます。

新たな出会いの場でも、明るい人に対しては「この人はどんな人なんだろう」「もっと話しかけたい」と興味が湧く人が多いでしょう。

人付き合いも、広告も、第一印象が肝心ということです。

人は最初に受けた情報によって大きく影響されます。

広告を見た瞬間「おもしろい!」と感じられる広告を作れば、商品やサービスは広く認知され、自然と売上も伸びていくでしょう。

ポジティブ印象を抱いてもらえる

広告には、人の気持ちを前向きにさせる力があります。

例えば、苦しい状況下ので励まされる広告を見ると、もう少し頑張ってみようと思います。

ポジティブな広告は、人を前進させることが可能です。

  • この商品を買ってみようかな
  • このサービスを利用してみようかな など

例えば、2020年元旦に西武・そごうが出稿した広告をチェックしてみましょう。

引用:新聞広告データアーカイブ

一見したところ、ネガティブなメッセージです。

  • 「大逆転はできない」
  • 「自分を貫くなんて馬鹿げている。勝ち目のない勝負は諦めるべき」
  • 「為す術もなく押し込まれる。絶体絶命だ」

しかし、下から読むと、絶体絶命から大逆転へ意味が変わるメッセージに。

「絶体絶命だ。勝ち目のない勝負は諦めるべき。でも自分を貫いて立ち向かえば大逆転は起こりうる」

人の心を動かす方法はさまざまですが、大切なのはおもしろい表現の仕方です。

おもしろいというだけで、人はポジティブな気持ちになれます。

デジタル時代でも、おもしろい広告を出すなら「紙」

「今の時代に紙で広告?」

「紙なんてもう古い!」

という方は増えていますが、紙媒体も負けてはいません。

たとえデジタル時代であっても、紙はいつも私たちの近くにあります。

近くにあるからこそ、おもしろい広告を出すのに適した媒体です。

必ず手に取ってもらえる特性

今やスマホさえあれば、どこにいても必要な情報が手に入る時代になりました。

しかし年齢が上がれば上がるほど、いつも新しい情報を手に入れるのが難しいこともあります。

主な理由は、2つです。

  1. ミドル世代やシニア世代は、デジタルよりもアナログに慣れているから
  2. PCやスマホの操作があまり得意ではないから

シニア層はWeb広告に触れるという機会は少ない傾向にあります。

おもしろいテレビCMが流れていても、シニア世代にはあまりリーチしません。

  • 放映時間が限られている
  • 流れが速い
  • どんな広告だったのか思い出す前に終わってしまう など

自宅でゆっくり過ごす時間が長くなるシニア世代へのアプローチは、紙媒体が最適です。

新聞やチラシなどの紙媒体には、メリットが2つあります。

  1. 自宅に届くから見てもらえる確率が高い
  2. 自分のペースでゆっくり見ることができる

必ず手に取ってもらえる媒体におもしろい広告を出稿すれば、高い訴求効果が期待できるでしょう。

シニア層でも抵抗なく見てもらいやすい

PCやスマホなどを使ってWeb広告を見る場合、一目で全体を把握できません。

画面を上下、左右に動かすスクロールという作業が必要です。

しかし、新聞や折り込みチラシなどの紙媒体は、一目で情報全体を見られます。

紙媒体×おもしろい広告のメリットは3つです。

  • 直接手に取って読める
  • 信頼感がある
  • 安心感がある

おもしろい広告は、たとえ紙媒体でも幅広い世代にリーチします。

シニア世代がターゲットの場合は「シニアマーケティングの成功事例まとめ!失敗しないコツとは?」を参考にしてみてください。

インパクトがある広告が出せる

紙媒体の広告は、紙ならではの表現ができます。

  • 紙の厚さ
  • 素材
  • 加工 など

墨がベースの新聞広告でも、見せ方によってインパクトのある広告に仕上がります。

  • カラーよりはキャッチコピーなどでPRする
  • 読み物としておもしろい文章

反響のあるデザインには、以下のような工夫も必要です。

  • コントラスト
  • インク総量
  • フォント
  • サイズ

ユーザーに「おもしろい」と思ってもらえる広告は、高い反響が期待できます。

新聞広告を制作するポイントに関しては、こちらの記事をご確認ください。
>>新聞広告デザインは誠実さやインパクトでユーザーをつかむ!

紙媒体でおもしろい広告を出すメリット

紙媒体でおもしろい広告を出すメリットは4つあります。

  1. 一覧性がある
  2. 信頼性がある
  3. 長く保管できる・記憶に残る
  4. 感触が記憶の定着になる

順番に詳しくみていきましょう。

①一覧性がある

Webはスクロールしないと全体がわからないのに対し、紙媒体は一目で情報全体をチェックできます。

ページを開いてすぐそこにおもしろい広告があれば、しばらく忘れられないはずです。

すぐに情報が脳に伝わり、印象に残ります。

新聞や雑誌などに関しては、1ページずつ読むのではなく、とりあえず一通り見てから気になったページや好きな記事を読むという人も多いので、訴求効果は見込めるでしょう。

②信頼性がある

スピード感のあるWeb広告は、もし間違った情報が載っていたとしても、すぐに修正できます。

また、クライアントから指示されている期限を厳守すれば、それほど納期は厳しくありません。

一方、紙媒体は「入稿制限」が設けられているため、期限を過ぎると広告を発行できないことも。

発行後の修正は難しく、ミスをすると大切なスペースに空欄を作ってしまうため、時間をかけて繰り返しチェックしたうえで印刷・配布されます。

色々な人が紙媒体の広告をチェックします。

  • 発行責任者
  • 編集者
  • ライター
  • デザイナー

紙媒体の広告に求められるのは、正確性です。

厳しい期限があり、間違いが許されない紙媒体は、緻密な作業のうえに成り立っています。

そのため、Web広告よりも紙媒体の広告は信頼性が高いといえるでしょう。

③長期間保管でき、記憶に残りやすい

紙媒体は物理的に手元に残るため、何度も繰り返し目にしてもらえます。

すぐに見なくても、保存しておけばいつでも見ることができます。
何か月や何年たっても保管が可能です。

これに対して、Web広告は時間がたつと見ることができなくなったり、広告を載せていたサイト自体が削除されてしまったりすることがあります。

見る術を失ってしまうと、もう繰り返し見ることはできません。
せっかく得た知識も、時間の経過とともに薄れていってしまうでしょう。

紙媒体のメリットは、記憶への定着力です。
何度も繰り返しも見て思い出せるため、記憶に残ります。

紙媒体からこそ、普通の広告よりもおもしろい広告を載せれば効果が得られやすいでしょう。

④感触が記憶の定着につながる

実際に手に取って見る紙媒体の広告は、インクの香りや紙の手ざわりを感じられます。

以下のような感触は、記憶の定着につながる重要なポイントです。

  • 紙自体から感じられる質感
  • 文字や写真から得た情報

視覚的要素と感覚的要素により、脳が活性化されて記憶が定着しやすくなります。

手ざわりや香りが感じられる広告におもしろさがあれば、より認知されやすくなるでしょう。

紙に触った感触やにおいを思い出すことで、必要な情報の引き出しに役立ちます。

紙媒体でもおもしろい広告を作れば集客できる

この記事では、紙でもおもしろい広告が作れることを、実例とともに紹介しました。

今の時代、何でもWebが主流になっていることが多いです。
しかし、広告の場合は主流の方法であっても見てもらえなければ意味がありません。

重要なのは、ユーザーに「おもしろい」と思ってもらえるかどうかです。

もう一度ポイントを見直して、紙媒体での広告出稿を検討してみてはいかがですか?

紙媒体には以下のようなメリットがあります。

  1. 一覧性がある
  2. 信頼性がある
  3. 長く保管できる・記憶に残る
  4. 感触が記憶の定着になる

信頼性の高い紙媒体は、幅広い世代に手に取ってもらえます。

PRしたい商品やサービスに合わせた媒体の選択が必要です。

  • 新聞広告
  • 雑誌広告
  • 折り込み広告 など

ユーザーに心から「おもしろい」と思ってもらえる広告で、反響アップを狙いましょう。

また弊社では、紙媒体の広告を出稿をご検討の方に「紙媒体広告の戦略本」を紹介しています。

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