EC事業を運営する中で、「新規顧客の獲得コストが高い」「売上が安定せず伸び悩んでいる」と感じている方は多いでしょう。
安定して収益を確保するには既存顧客に対して単品のリピート購入を促し、顧客の定着を図る戦略が重要です。
そこで本記事では、安定収益実現に効果的な「単品リピート通販」について詳しく解説します。最後まで読めばLTVを最大化し、持続的な成長を実現するための道筋が明確になるでしょう。
また弊社では、通販事業者向けに紙媒体で広告を出稿するための展開パターンや、出稿までの流れ・準備について紹介しています。
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目次
単品リピート通販とは

単品リピート通販とは特定の商品、あるいはごく少数の商品を、顧客に継続的に購入してもらうことを前提としたビジネスモデルです。
単品リピート通販最大の特徴は、一度きりの売上で利益を出すのではなく、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化を目的としている点にあります。
LTVとは、取引開始から終了までの期間に、1人の顧客が自社にもたらす利益の総額です。
単品リピート通販では、顧客一人ひとりと長期的な関係を築くことで、安定した収益を生み出す仕組みを構築します。
単品リピート通販はメーカーが顧客と直接つながるD2C(Direct to Consumer)モデルと相性が良いため、D2Cモデルを採用している企業におすすめです。
単品リピート通販のメリット

ここからは、単品リピート通販のメリットを5つ解説します。他のビジネスモデルと比較しながら、単品リピート通販ならではの強みを把握しましょう。
キャッシュフローを予測しやすい
単品リピート通販を実施すると、一度獲得した顧客が継続的に商品を購入してくれるためLTVが最大化されます。
LTVの最大化により新規顧客獲得にかかった広告費(獲得単価:CPA)を2回目、3回目の購入で回収すれば、着実に利益を積み上げられます。
そのため、毎月の定期購入者数から売上予測が立てやすくなり、安定したキャッシュフローが生まれる点が大きな強みです。
さらに将来の売上見込みを把握できることで、広告投資や仕入れ判断の精度も高まります。資金繰りの計画が立てやすくなることで、経営の安定性向上にもつながります。
価格競争から脱却できる
総合通販で起こりやすい価格競争を避けやすくなる点も、単品リピート通販のメリットの一つです。
商品の品質や独自性、ブランドが提供する世界観や体験に共感した顧客は、価格以外の価値で商品を選んでくれます。
その結果、適正な価格設定を維持しやすく、高い利益率の確保につながるのです。
さらに、継続利用によりブランドへの信頼が蓄積され、他社への乗り換えも起こりにくくなります。広告費高騰の影響を受けにくい収益構造を作れる点は、長期的な目線で見て大きなメリットです。
生産計画や在庫管理が効率的になる
定期購入者数という明確なデータに基づいて売上を予測できるため、生産計画や在庫管理が非常に効率的になる点もメリットです。
必要な分だけを計画的に生産・仕入れできるため、過剰在庫による保管コストや、廃棄ロスといったリスクを最小限に抑えられます。
また、欠品による販売機会損失も防ぎやすく、顧客満足度を維持しやすい点も特徴です。在庫回転率が安定することで、資金効率の改善も期待できます。
顧客データを蓄積しやすい
D2Cモデルを基本とする単品リピート通販では、顧客と直接つながれます。
これにより、購買履歴やサイト上の行動データ、アンケート結果といった貴重な一次情報を直接収集・分析できるでしょう。データを活用すれば、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズ施策や、ニーズに基づいた新商品開発が可能です。
また、解約タイミングや利用期間の傾向を把握することで、改善施策の精度も高まります。データの蓄積は、LTV最大化の重要な資産になります。
業務オペレーションを効率化できる
扱う商品が少なくなることで物流、在庫管理、顧客サポートといった日々の業務オペレーションを標準化し、効率化しやすくなる点もメリットです。
倉庫でのピッキング作業や梱包、問い合わせ対応などもシンプルになり、人件費や管理コストの削減につながるでしょう。
管理がシンプルになれば、より重要な戦略部分にリソースを集中できます。また業務が属人化しにくくなり、組織拡大にも対応しやすくなるのも大きな利点です。
単品リピート通販のデメリット

ここからは、単品リピート通販のデメリットと、デメリットを乗り越えるための対策を解説します。課題に正しく向き合い、対処することで、単品リピート通販の効果を高めましょう。
新規顧客獲得コストが高い
単品リピート通販ではリピートが前提となるため、初回購入の心理的ハードルが高く、広告費がかさむ傾向があります。
そのため、LTVを正確に算出し、許容できるCPAを設定しなければいけません。また、初回限定割引や無料サンプルでハードルを下げるのもおすすめです。
さらに、継続率の高いターゲット層を見極めて配信精度を高めるのも効果的です。誰に売るかの設計が、収益性を大きく左右します。
広告投資の回収が遅れる
単品リピート通販の戦略がスムーズに進んだとしても、顧客が商品の価値を実感し、リピートに至るまでには時間がかかります。
具体的な対策としては、短期的なROIにとらわれず、長期的な視点でKPI(顧客育成率など)を設定することが重要です。
また回収期間の長さを踏まえたうえで資金計画を立てておくことも重要です。中長期視点でのマーケティング判断を重視するよう意識しましょう。
ブランド認知の拡大に時間がかかる
独自のブランドを市場に浸透させ、信頼を獲得するには、継続的な努力と時間が必要です。
ブランド認知の拡大は短期間でできるものではないため、ターゲットに響く明確なブランドストーリーを構築し、SNSなどで一貫して発信することを意識しましょう。
また、広告だけに依存するのではなく、コンテンツ発信やレビュー蓄積も重視する必要があります。積み上げ型のマーケティングが、成果を左右します。
ターゲット層が限定される
単品リピート通販では特定の商品に特化するため、アプローチできる見込み客層が限られ、市場の成長に限界が生じる可能性もあります。
継続して収益を得るためには、ターゲット顧客のインサイトを深く掘り下げ、潜在ニーズに応える関連商品を開発することが重要です。
また、既存顧客からの紹介制度を設け、顧客層を広げるのも効果的です。単品リピート通販では、ニッチ市場の深掘りが成功の鍵となるでしょう。
商品が売れなかった場合のリスクが大きい
単品リピート通販では扱う商品が少ないため、その商品が市場に受け入れられなかった場合、事業全体へのダメージが大きくなります。
そのため、事前に徹底した市場分析と競合分析を行いましょう。事業開始後は、MVP(Minimum Viable Product)で小さく市場投入し、顧客の反応を見ながら改善することも必要です。
テスト販売やモニター検証を行うことでも、リスクを下げられます。継続して利用される商品になるかどうか、時間をかけて慎重に検証しましょう。
単品リピート通販を成功に導く3つの戦略

次に、LTVを最大化するための具体的な戦略を解説します。自社の課題がどこにあるかを見極め、適切な戦略を実行していきましょう。
アップセル・クロスセル施策
1つ目は、顧客単価を向上させるアップセル・クロスセル施策です。
顧客単価とは顧客1人が1回の購入で支払う平均金額のことであり、顧客単価を上げることでLTVは直接的に向上します。
アップセル・クロスセル戦略の内容は以下の通りです。
| 施策 | 内容 | 具体例 |
| アップセル | より高価格・高機能な商品を提案する |
|
| クロスセル | 購入商品に関連する商品を提案する |
|
施策を成功させる鍵は、提案のタイミングと内容の適切さにあります。
具体例は、以下の通りです。
- 購入完了ページでの提案:購入意欲がもっとも高いタイミングで、「この商品を買った人はこちらも購入しています」と関連商品を提示
- データに基づいたレコメンド:顧客の過去の購買履歴や閲覧履歴を分析し、興味を持ちそうな商品をパーソナライズして提案
- セット割引の設計:「化粧水+乳液セットで10%OFF」のようにまとめ買いによるお得感を演出し、複数商品の同時購入を提案
無理な押し売りではなく、顧客のニーズを先読みし、「これもあったらもっと便利になる」「こうすればもっと効果が出る」といった付加価値の提供が重要です。
顧客エンゲージメント施策
2つ目は、リピート率を高める顧客エンゲージメント施策です。リピート率とは、一度購入した顧客が、再度購入してくれる割合のことです。
リピート率を高めるためには、顧客との継続的な関係構築(エンゲージメント)が重要となります。顧客エンゲージメント向上に役立つ主な施策は以下の通りです。
| 施策 | 内容 | 具体例 |
| 顧客ランク制度 | 購入金額や頻度に応じて会員ランクを設定し、ランクごとに特別な特典を提供 |
|
| パーソナライズされたコミュニケーション | 顧客データに基づき、一人ひとりにメール、LINEなどを配信 |
|
| ロイヤルティプログラム | ポイント制度やスタンプラリーなど、購入を楽しみながら続けられる仕掛けを用意 |
|
リピート率を上げるには、顧客に「自分は大切にされている」「このブランドと関わっていると楽しい」と感じてもらうことが重要です。
一方的な情報発信ではなく、顧客との双方向のコミュニケーションを心がけましょう。
CX最適化・解約防止施策
3つ目は、継続期間を延ばすCX最適化・解約防止施策です。
継続期間とは、顧客が初めて商品を購入してから最後の購入に至るまでの期間のことです。継続期間を延ばす、つまり顧客の離脱(チャーン)を防ぐことは、LTV向上に直結します。
離脱を防ぐには、購入前から購入後に至るまでのすべての顧客体験(CX:Customer Experience)を最適化し、解約の兆候を早期に捉えて対策を打つことが重要です。
具体的な施策の内容は以下の通りです。
| CXのフェーズ | 施策内容 | 具体例 |
| 購入前〜購入時 | ストレスのない購入体験を提供する |
|
| 購入後 | 商品を使い始めてからの満足度を高め、次の購入へとつなげる |
|
| 解約検討時 | 顧客の不満や課題を解消し、継続を促す |
|
特に、初回購入から定期購入へのスムーズな誘導は極めて重要です。
初回購入時に「定期購入なら毎回15%OFF」「いつでも休止・解約OK」といったメリットと安心感を明確に伝え、顧客が安心して次のステップに進めるよう導きましょう。
単品リピート通販に向いている商材

単品リピート通販に向いている商材は、以下の3つの特徴がある商材です。以下の条件を満たすほど、LTVを最大化しやすいでしょう。
| 共通点 | 理由 |
| 消耗品である(リピート性) | 定期的に消費されるものなら、買い替え・買い足しの需要が自然に発生する |
| 効果を実感できる(継続性) | 使い続けることで何らかの効果や変化を感じられる商品は、顧客の継続利用のモチベーションを高める |
| 独自性がある(差別化) | 他では手に入らない独自の成分、製法、ブランドストーリーなどを持つ商品は、価格競争に巻き込まれにくい |
上記の3つの共通点を踏まえた上で、実際に単品リピート通販で多くの成功事例が生まれている商材カテゴリーを見ていきましょう。
| 商材カテゴリー | なぜ向いているかのポイント |
| 化粧品・コスメ |
|
| 健康食品・サプリメント |
|
| ヘアケア商品 |
|
| ペットフード・用品 |
|
| 食品・飲料 |
|
顧客の悩み解決や理想の実現に貢献し、長期的な関係を築きやすい商材には、単品リピート戦略が向いています。
単品リピート通販に関する注意点

単品リピート通販では広告表現が成果を大きく左右する一方、法規制への配慮が欠かせません。特に注意すべき法規制は、次のとおりです。
- 景品表示法:誇大表現や根拠のない優良・有利表示を禁止する法律
- 薬機法:化粧品や健康食品の効果効能表現を厳しく制限する法律
- 特定商取引法:定期購入条件や解約方法の明確な表示を義務付ける法律
- ステルスマーケティング規制:広告であることを隠した宣伝行為を禁止する規制
景品表示法では、根拠のないNo.1表記や誇大表現、薬機法では医薬品的な効果効能の訴求が禁止されています。
また定期購入を前提とする場合、最終確認画面で契約条件や解約方法を明確に表示する義務があります。
法令遵守と透明性の高い情報提供の徹底が、顧客からの信頼を守り、事業を長期的に成長させる土台です。
単品リピート通販は自社運用・コンサル委託の2種類

単品リピート通販を始める際は、自社運用かコンサル委託か、自社の状況に応じて選ぶことが重要です。
社内にEC運営や広告運用の経験者がいる、PDCAを回す体制が整っている企業は、自社運用がおすすめです。試行錯誤を通じてノウハウが蓄積されることで、コストを抑えながら事業を成長させられます。
一方、単品リピート通販が初めての企業や早期に成果を出したい企業、社内リソースが限られている企業にはコンサル委託が有効です。LTV設計や広告・CRMの最適化をプロの知見で進められるため、失敗リスクを抑えられます。
自社の人材・経験・スピード感を基準に、最適な運用形態を選択しましょう。
まとめ:単品リピート通販では顧客との持続的な関係構築が大切

本記事では、単品リピート通販の基本から市場性、メリット・デメリット、そしてLTVを最大化するための具体的な戦略までを解説してきました。
単品リピート通販を成功させるには、目先の売上を追うのではなく、顧客と長期的な関係を築くことが重要です。顧客の満足度を高い状態に保つことで安定した収益基盤を築き、成長を目指しましょう。
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