【2023年】EC業界の市場規模は今後どうなる?業界別に徹底解説

新型コロナウイルスの影響により、人々の生活スタイルは大きく変化しました。

ネット上で販売・購入する人の割合が増え、ますますEC業界の市場は拡大しています。

流れに乗りたいけれど、自分のサービスが今後市場でやっていけるのかと不安になっていませんか。

EC業界において悩んでいる方に向けて、業界別に詳しく解説します。
EC市場の現状と今後の流れを把握し、戦略を立てていきましょう。

なお弊社では、通販事業の方向けに紙で広告を出すための展開パターンや、出稿までの流れ・準備について紹介しています。

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そもそもEC市場とは?

ECとは、Electronic Commerceを略した言葉です。
Eコマースとも呼ばれています。

どちらかの呼び方で耳にしたことがあるのではないでしょうか。

経済産業省の「電子商取引に関する市場調査(令和元年)」でも、「インターネットを利用して、受発注がコンピューターネットワークシステム上で行われること」と定義されています。
引用:「平成22年度我が国情報経済社会における基盤整備」

インターネット上で電子商取引をおこなうECの市場全体のことをEC市場といいます。
ネット上のサービスの需要・供給関係全般のことです。

日本のEC市場規模の現状

EC市場はBtoBとBtoCがメインとなっています。
BはBusiness(企業・会社)、CはCustomer(一般消費者)のことです。

企業間の取引がBtoB、企業と消費者の取引がBtoCと呼ばれます。
最近では、CtoCと呼ばれる個人間EC市場も急速に拡大していることが特徴です。

CtoC:EC市場規模の現状

CtoCもBtoCのEC市場と同様に、新型コロナウイルスの影響を受けて拡大しています。

SNSでも、個人で商品を販売している人を多く目にするようになってきました。

令和4年8月に発表された「令和3年度 電子商取引に関する市場調査報告書」のCtoCにおけるEC推定市場規模の表です。

経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」

CtoCのEC市場規模は2020年の1兆9,586億円に対し、2021年は2兆2,121億円と2,535億円も増加しています。

1年で12.90%も拡大していることが読み取れます。

BtoB:EC市場規模の現状

BtoBにおけるEC市場規模のグラフをみてみましょう。

経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」

2021年のBtoBによるEC市場規模は372兆7,073億円です。
2020年と比較して11.3%増加しています。

2020年は市場規模の数値では現象がみられますが、EC化率は右上がりになっており市場が拡大していることがわかります。

EC化率とは「すべての商取引において、EC(電子商取引)の市場規模が占める割合」を計算したもの。
実店舗などを合わせた、すベての市場のうちEC上で取引された割合を示す値を指します。

つまり2020年は、商取引全体の割合は減少し、ネット上での商取引は増加していることがわかります。
おそらく2023年も同様に右上がりになるでしょう。

BtoC:EC市場規模の現状

2021年度のBtoCによるEC市場規模は20兆6,950億円となり、初めての20兆円の大台に乗ったことを国が報告しています。

また前年度からは、1兆4,171億円増加しています。

令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書

BtoCではどの業界でより成長がみられたのかを分析するために、物販系やサービス、デジタルの3つに分けられています。

物販系分野は、2020年と比べると緩やかな増加です。
2021年は自粛生活が緩和され、実店舗利用が増えましたが、ネット販売も利用され続けていることがわかります。

サービス分野は、新型コロナウイルスの影響により2020年大きく減少しました。
しかし2021年では増加がみられ、旅行や飲食店利用が少しずつ戻ってきていることも読み取れます。

制限が少しずつ緩和され、人の動きは戻りつつあります。
大きな打撃を受けていたサービス業の分野も、今後は増加していくことが予想されます。

業界別の市場規模の動向と予測

EC市場での買い物パターンが、最近では定着しつつあります。
BtoCにおけるEC市場は、ますます拡大していくでしょう。

市場規模やEC化率を把握して戦略を立てるために、それぞれの分野別に細かくみていきましょう。

物流業界の市場規模

物販系分野の商品ごとのEC化率をみてみましょう。

令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書

すベての分類においてEC化率が増加していることがわかります。

外出自粛宣言を受け、2年ほどは自宅で過ごすことが増えました。
書籍や映像、音楽といった自宅で楽しめるサービスへの需要が高くなっています。

また在宅ワークなど自宅での滞在時間が増えたことから、生活雑貨や家具、インテリアでも増加がみられます。

「おうち時間」という言葉も定着し、自宅でのQOLをあげるためにお金を使う人も多くなりました。

サービス業界の市場規模

令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書

2020年だけをみると旅行サービスと飲食サービス、チケットサービスが前年と比べて大きく減少しています。新型コロナウイルスの影響を大きく受けた業界です。
2021年も思うように新型コロナウイルスは収束せず、旅行サービス、飲食サービスでは減少が続いています。

チケットサービスは、ネット上での公演など別の方法で数値に回復がみられました。

ただし市場規模が大きく下落した2020年において、変わらずサービス系市場では、旅行サービスが割合を占めています。
リモートワークによりワーケーション利用する人が増えたことが背景にあるでしょう。

デジタル業界の市場規模

令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書

デジタル系分野は、全体的に増加しています。

巣ごもり需要に合わせたデジタル書籍や有料動画のサブスクリプション、音楽配信などを利用する人が増えたためでしょう。

デジタル化に伴い、事業者はターゲットがどのようなサービスをメインに利用しているかを考える必要があります。

最近の若者はテレビを見ないことも多いため、集客の方法はCMだけがメインではありません。

EC事業で効率的に集客する方法について、詳しくは「通販の始め方を詳しく解説!効率的に集客する方法とは?」の記事で説明しています。

越境EC市場の動向について

越境ECの市場も拡大しています。
これから越境EC事業を始める人は視野に入れておくとよいでしょう。

越境ECとは国際的な取引のこと

越境ECとは、国境を越えて取引をおこなうことをいいます。

国内ではなく、海外の顧客向けに商品を販売することです。

令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書

2021年の国別のBtoCにおけるEC市場の規模トップ10のグラフをみると、中国が52.1%、続いて米国の19.0%が大きく占めていることがわかります。

消費者にも越境ECが認知されつつあるのです。

自分の国以外の商品を海外の消費者をターゲットにしたいと思う事業者も増えてきている背景から、今後も大きく拡大していくことが予想されます。

日本も中国・米国との越境ECを盛んにおこなっており、2国との総市場規模は3,727億円にのぼるほどです。

トップ国である中国の越境ECの市場規模

中国におけるEC市場は年々拡大しており、今後も増加していくことが見込まれています。
トップ国の越境EC市場を利用する消費者についてみてみましょう。

越境ECを利用する年齢層と利用者たちが使用しているデバイスについて、経済産業省より公表されています。

令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書

年代としては、20〜40代の世代での利用者が多とわかります。

しかし50〜60代の世代でも利用者がいて、若い世代に教えてもらいつつ利用している人がいるのではないかとみられています。

令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書

また、デバイスとしてはパソコン利用者よりもスマートフォン利用者が多い傾向です。

日本でもおそらく同様な結果が出るでしょう。

日本のEC市場における販売方法のトレンド

ECを利用して買い物をする手段は、消費者に定着しつつあります。
ネットでの購入の便利さや、不安感の減少により、利用客は今後も変わらず増加するでしょう。

制限が緩和されてきたからこそ、新たな販売戦略も出てきています。
新しい時代に合わせて、貴社の戦略を立ててみてはいかがでしょうか。

実店舗とECの融合で売り上げアップ

店舗を訪れて、実際に商品を手にしたり試着をしたりすることで消費者は自分の目の前で確かめることにより、購入意欲が増します。

新型コロナウイルスの影響で実店舗からEC販売に切り替えていた店舗でも、再び実店舗の在り方が見直され始めているのです。

ライブ配信やオンライン接客、商品をみて触って確かめられるショールーミング店舗など、ECと実店舗を掛け合わせた新たな方法も多く出てきています。

また商品は実店舗で受け取ることもでき、オフラインとオンラインを使い分けて楽しめる工夫をしている店舗も多いのです。

サブスクリプションで購入へのハードルを下げる

巣ごもり需要で利用者が増加した、動画配信サービスや音楽アプリのサブスクリプション。

在宅ワークに伴い、自炊する人が増えたことによる料理レシピアプリのサブスクリプションなど、ジャンルは多岐に渡っています。

サブスクリプションは月額料金が安いことから、消費者は利用しやすいと感じやすい傾向です。

消費者にサービスを認知してもらうために、サブスクリプションを活用した方法もあります。

いかに長期的に継続してもらえるかが、成功のカギです。
詳しくは「サブスクマーケティング全盛期!紙媒体の広告でアプローチ」の記事をチェックしてみましょう。

EC市場の広告の動向と今後を勝ち抜くためには?

EC市場が今後も拡大していくことは、理解できましたでしょうか。

課題となるのが、販売競争に勝ち抜くことです。
時代に合わせた戦略として、必要になる広告の活用を紹介します。

紙媒体の広告が見直されている

最近ではWebサイトやSNS広告が市場を拡大するために有効といわれることが多くあります。

しかし、技術の進歩により紙媒体でも効果測定ができるようになりました。
紙媒体などを中心としたオフラインの広告も見直されてきています。

広告手法を導入する場合、自社の商品・サービスの特性に合ったターゲティングをおこないましょう。

ターゲットにアプローチしやすい広告媒体を選ぶことが重要です。

実際に手に取って好きなときに何度でも見返せる紙媒体は、ネット上の広告よりも記憶に残りやすいメリットがあります。
広告費を無駄にしない方法として改めて注目されています。

紙の広告の種類はひとつじゃない

紙媒体には、さまざまな種類があります。

  • 新聞
  • 折り込みチラシ
  • ポスティング
  • 雑誌
  • フリーペーパー
  • ダイレクトメール など

最近では、紙の広告の費用も下がってきています。
ターゲットに合わせた方法で、手に取ってもらいやすい方法を考えましょう。

それぞれの種類については「EC広告は紙媒体がベスト!成功事例から学ぶ集客のポイントとは?」 の記事で詳しくまとめています。

EC市場の動向に合わせて戦略を立てよう

EC市場はまだまだ拡大していきます。

競争率の高い市場に入っていくには、どれだけ戦略を正しく設定できるかがカギです。

宣伝する広告の媒体も、効果が出やすい効率のよいものを見極めて選択しましょう。紙の媒体は、今後も改めて活用されていくもののひとつです。

EC市場の動向を確認しつつ、時代に合わせた方法で貴社のサービスの拡大しましょう。

なお弊社では、通販事業の方向けに紙で広告を出すための展開パターンや、出稿までの流れ・準備について紹介しています。

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