商品やサービスがある場合、マーケティング領域で重要なのがプロモーション戦略。
プロモーション戦略を理解し実践することで、効果的なマーケティングが可能です。
しかし「売りたい商品があるけど、プロモーションはどうしたらいいの?」「どうしたらプロモーション戦略が成功するのだろう?」と、疑問に思う方もいるでしょう。
今回の記事では、プロモーションの成功事例とプロモーション戦略に関して解説します。
さらに、戦略を立てる際のポイントや、おすすめフレームワークについても紹介。
売りたい商品やサービスがあるものの、プロモーション戦略を練れていない人におすすめの記事です。
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目次
プロモーション戦略とはプッシュとプル
まずプロモーション戦略とは、「広告や広報、人的販売などの手法を使い、顧客との関係を深めることで、「購買行動に結びつけるための行動」と考えられます。
プロモーション戦略の手法の前に、大きく分けて2つの種類があります。
「プッシュ型」と「プル型」という対照的な戦略です。
プッシュ型は押す戦略、プル型は引きだす戦略を意味します。
それぞれをうまく使い分けることが必要です。
プロモーション戦略における「プッシュ型」と「プル型」の違いや特徴を紹介します。
プッシュ型
プッシュ型は、日本語で表すと押すということ。
メーカーから小売業者へ、また小売業者から消費者へと、さまざまな場面があります。
今回は、広告を出す会社からターゲットを例に確認しましょう。
広告を出す会社は、購入してくれるターゲットに対して積極的に押し出すように働きかけます。
商品やサービスを売り込んでいくプロモーション戦略です。
プッシュ型は基本的にターゲットに対して、事前に承諾を得ずに広告を出します。
- 新聞折り込み
- テレマーケティング
- テレビCMの通販番組 など
Emailは注意が必要です。
以前はEmailもプッシュ型のプロモーション戦略として使用されていました。
しかし2008年に改正された特定電子メール法により、受信者の事前承諾なしにEmailでの広告を送信することは禁止されました。
個人情報保護の観点からも、プッシュ型戦略でプロモーションをしすぎることには注意が必要です。
プル型
プル型はプッシュ型と反対で引き出す手法です。
プロモーションを通して消費者の需要を喚起し、購入意欲をくすぐります。
- 新聞広告
- SNS発信
- クチコミ など
企業のブランドイメージ広告や、限定品などの広告を打ち出すことで、消費者となるターゲットに買いたいという衝動を持ってもらいます。
プル型のプロモーション戦略は基本的に、ブランドが広く認知され差別化されている企業であることが前提。
ブランド認知が低い場合は、大型のプル型戦略をおこなっても効果が望めません。
その場合は、ターゲットに直接押し出すプッシュ型が効果的です。
プロモーション戦略におすすめのフレームワーク
プロモーション戦略を立てる際におすすめできる、マーケティング環境分析のフレームワークは、「3C」そして「4P」と呼ばれるものです。
3Cとは3C分析とも呼ばれており、「Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)」の3つの頭文字を取ったものです。
顧客・競合・自社の3つを分析し、自社を取り巻く業界環境を知るのに役立ちます。
続いて4Pとは「Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(プロモーション)」の4つの頭文字を取ったもので、4P分析ともいいます。
上記の4つは、顧客にサービスもしくは商品を提供する際に、企業が検討すべき4つの要素です。
プロモーション戦略を立てる際には、まず3Cで自社を取り巻く環境を分析してから、4Pを組み合わせて施策をつくるとよいでしょう。
あわせて「成功例から学ぶ!マーケティングミックスを構成する4つの要素」の記事も、ぜひご覧ください。
プロモーション戦略に効果的な手法は7つ
プロモーション戦略の効果的な手法として7つが考えられます。
- 広告
- 広報
- 販売促進
- イベント
- 人的販売
- 動画
- SNS
それぞれ見ていきましょう。
①広告
広告は、プロモーション戦略のなかの宣伝戦略です。
宣伝をおこなう媒体として、以下の例があげられます。
- 雑誌広告
- 新聞広告
- 新聞折り込み広告
- テレビCM
- ラジオSM
- Webサイト など
商品やサービス、予算などにあわせて、広告を出稿する媒体を選びましょう。
②広報
広報は広告と混同されがちです。
しかし広報は、広告とは異なったプロモーション戦略のひとつ。
広報とは、経営方針や会社の社会貢献活動、業務などの企業に関する情報を開示すること。
プレスリリースや記者会見などが、広報です。
一般的に企業に対しての好感度や、信頼度を上げる効果があります。
③販売促進
販売促進とはその名の通り、販売を促進する活動のことを指します。
例えば、サンプリングやクーポンなど、ターゲットが商品やサービスを購入するための一押しになる活動です。
他にもプレゼントや限定品など、商品やサービスにあわせて販売促進をおこなうと効果があります。
④イベント
イベントとは、企業や商品自体に興味があるターゲットを集めておこなう催しものです。
イベントの開催は、見込み顧客としてのターゲットが顧客になることを目的にします。
イベントの満足度が、そのまま会社や商品への好感度へつながります。
イベントは、顧客との関係構築に最適の場です。
⑤人的販売
人的販売とは、ターゲットに対して販売員や営業担当者を通して、直接的な営業販売をおこなうプロモーション戦略のひとつです。
対面販売や顧客サービスを通し、直接的に顧客との関係を築きます。
⑥動画
インターネットの高速化や動画配信プラットホームの拡充、またスマートフォンの普及によって、動画を視聴することが日常生活の一部になりつつあります。
動画の情報量は文字情報の5000倍ともいわれ、短時間で圧倒的な情報を伝えられます。
動画を活用してプロモーションをするには、以前であれば高価な専門機材やノウハウが必要でした。
しかし、スマートフォンを使って手軽に高画質の動画を撮影や視聴ができるようになったことで、動画を使った発信のハードルが非常に低くなっています。
⑦SNS
スマートフォンの普及に合わせてSNSの利用者は爆発的に増えており、若い世代を中心に情報収集はSNS経由という人もいるほどです。
SNSにはほかのメディアと比べて拡散力が強いため、面白いコンテンツを発信できればコストをかけずに広められます。
動画コンテンツとも相性がよいことから、魅力的な動画をSNSで発信し拡散させるスタイルのプロモーションが近年の主流となっています。
プロモーション戦略を立てる時のポイント
続いてプロモーション戦略を立てる特におさえるべき、重要ポイントを4つ紹介します。
各ポイントをおさえるだけで、効果的な戦略をつくることが可能です。
ターゲットを明確にする
サービスや商品を効果的に販売するためには、ターゲット層の設定が重要です。
ターゲットを設定し、ニーズを理解することで、適切なプロモーションの方向性を決めれます。
ターゲットは年齢や趣味嗜好、ジェンダーや職業などの属性で決定が可能です。
プロモーション戦略を立てる際は、ターゲットを明確化し、効果のある施策を考えましょう。
コストを意識する
プロモーション戦略を立てる特には、施策と同時にコストと見合わせましょう。
目標とする結果と、使えるコストに差がありすぎた場合、戦略を立てていても継続が難しくなってしまいます。
プロモーションの初期費用や継続にかかる費用も、しっかり把握する必要があります。
市場シェアの目標とコストをすり合わせ、継続できる手法でプロモーションをおこないましょう。
「紙媒体の広告の料金はいくら?媒体別に相場を徹底解説!」の記事も、あわせてご覧ください。
分析を怠らない
プロモーション戦略を決定し、実行した後も、効果の分析は怠らないでください。
市場の動向は常に変化し、年々変わるスピードも加速化しています。
施策に効果があるのかを決めた時期ごとに分析し、必要に応じで柔軟に施策を変えていきましょう。
施策の実行と分析を繰り返すことで、プロモーション戦略をさらに効果的にアップデートできます。
目的にあったプロモーションをおこなう
目的にあったプロモーションをおこなうことで、より短期で効果的な成果が期待できます。
例えば「〇件の新規契約を得る」「売上目標〇%アップ」など、具体的な目的がプロモーションの際には不可欠です。
目的にあったプロモーションをおこない検証することで、施策の有効性を判断する基準になります。
目的に対して有効ではない施策は中断し、再検討するなど、余分なコストを削る効果もあるでしょう。
プロモーション戦略10の事例
プロモーション戦略のなかから、広告や広報、販売促進の観点から成功した10の事例を紹介します。
- 佐賀県
- マクドナルド
- 宝酒造
- ポーラ
- サントリー伊右衛門
- 君の名は
- 鬼滅の刃
- 伯方の塩
- ポカリスエット
- 今年の漢字
それぞれの自治体や企業がおこなった、施策と結果をみていきましょう。
①佐賀市
佐賀県が作成したYouTube広告は、「佐賀モデル」といわれるほどの成功事例です。
佐賀市はインバウンドの旅行客を拡大するために、2017年9月8日にYouTube動画を配信しました。
佐賀市の施策
佐賀市は動画を制作する際にGoogleに相談し、佐賀市にあったプロモーション戦略を導きだそうとしました。
結果、動画を流すプラットフォームとしてYouTubeを選択。
佐賀市の強みである「のどかさ」や「豊かな自然」を撮影し、海外の視聴者が好む動画広告を制作しました。
そして動画広告として、YouTubeのTrueView広告を選択。
Ture Viewとは動画を見る前や途中などで挿入される動画広告のことです。
スキップ機能をつけることで、広告がスキップされると料金は発生しない仕組みなので費用対効果が高くなります。
スキップ機能をつけたにもかかわらず、佐賀市の豊かな自然に目を奪われ最後まで視聴する人が増え2000万回以上の視聴につながりました。
結果:視聴回数が増えインバウンド成功
2021年3月現在、視聴回数は2135万回以上視聴されています。
他の市町村と比べても飛び抜けてよい結果です。
さらに佐賀市は広告でイメージを伝え、興味を持った人に対して来訪意欲を促進するLPページへとつながる工夫もしています。
結果的に当初の目標であった250万回視聴を超えました。
佐賀市が訪れた外国人を対象に実施したアンケートでは、23.7% の人がYouTube動画広告を見たことがあると回答。
そのうち 94.8% が佐賀に行きたくなったと回答しました。
広告を出稿するプラットフォームが多数あるなか、YouTubeを選択、動画広告がインバウンドの旅行客拡大への成功につながったケースです。
佐賀市の広告動画は、プラットフォーム選定がうまくいった事例です。
参照:Think with Google 2060 万視聴のインバウンド 広告「佐賀モデル」を発明した Google と佐賀市の戦略
②日本マクドナルド株式会社
引用:日本マクドナルド株式会社
日本マクドナルド株式会社は、2020年1月で既存店売上高プラスが50ヶ月連続となったことを発表しました。(参考:フードドリンクニュース)
客数は1.5%増、客単価は1.0%増で、既存店売上高は2.6%増えています。
マクドナルドは日本で最も有名な、ハンバーガーのチェーン店。
「お客さんにFUN(面白い体験)を提供する」をコンセプトにプロモーション戦略を立てている企業でもあります。
マクドナルドの施策①
2018年5月に「食べて投票! あなたが選ぶレギュラー争奪オーディション」というSNSを駆使したキャンペーンを開催。
過去に期間限定で販売して人気の高かった「たまごダブルマック」「てりやきチキンフィレオ」「マックリブ」の商品を約1ヶ月間、全国の店舗で販売しSNSで人気投票を募るというキャンペーンです。
Twitterの投票機能を活用し、誰でも投票できるようにするようにしました。
また、ボーナスチャンスや敗者復活などのイベントを設け、顧客が飽きずに興味を持ち続けられる工夫も。
結果、SNSから始まり大きな注目を浴びました。1位に輝いたのは「てりやきチキンフィレオ」。2018年秋からはレギュラーメニュー化しています。
マクドナルドの施策②
またマクドナルドは、2020年に俳優の木村拓哉さんテレビCMに起用し話題になりました。
木村拓哉さんが中指・人差し指と薬指の間にハンバーガーを挟む独特の持ち方もトレンドに。
2020年10月に公開された「ヤベェよ、ダブチ!」CMのダブチシリーズは、翌日には表示回数が1260万視聴を突破しました。
結果:SNSで話題になり動員数増加
SNSのキャンペーンを利用し、顧客を巻き込んだプロモーション戦略により集客に成功。
木村拓哉さんを起用したCMを通して、SNS上では「#キムタク持ち」のハッシュタグが目立ち、お店への動員数の増加にもつながりました。(参考:食品産業新聞社ニュース)
人気の芸能人を採用することで、好感度を上げて購入意欲を刺激できた「プル型」の戦略の成功例です。
③宝酒造
引用:宝酒造
石原裕次郎さんや渡哲也さんという昭和を代表する俳優を起用した、宝酒造の「松竹梅」の広告が話題になりました。
これは1970年に石原裕次郎さんが起用された第1弾から、2020年で50周年を迎えた記念です。
宝酒造の施策
50周年を記念して、石原裕次郎さんと渡哲也さんが時を越えた幻の共演をおこないました。
宝酒造は、新聞広告だけでなくテレビCMも放送。
さらに、記念の松竹梅「幻の共演〜石原裕次郎&渡哲也〜」特別限定の日本酒を販売しました。
予約分のみの限定生産、約1ヶ月間の期間限定で予約注文を受付し限定感や特別感を演出します。
結果:販売促進につながる
50周年の広告や限定の松竹梅の販売により、次のような結果になりました。
- 清酒「松竹梅」のブランドのイメージ向上
- 清酒市場の活性化
- 石原裕次郎さんや渡哲也さんのファンへのサービス
「限定」を駆使することで販売促進を成功させたプロモーション戦略です。
④株式会社ポーラ
引用:株式会社ポーラ
株式会社ポーラは2021年3月8日の国際女性デーから、女性や地域の可能性を広げるための、さまざまな取り組みを開始しました。
株式会社ポーラの施策
企業としてシワ改善の製品3月売上の一部を女性支援団体へ寄付することを決め、新たに2029年ビジョンに向けた行動指針を、「We Care More. 世界を変える、心づかいを。」と定めました。
また新聞広告には「ひとりの女の子を変えた、ひとりの女性の話」を掲載し、話題になりました。
結果:企業の好感度アップ
広報として企業HPに特設ページを設け、新聞広告として出稿することでブランドのイメージの向上や好感度を効果的に上げることに成功。
ブランドの宣伝だけでなく、POLAというブランドが女性にとって生きやすい社会にしていくために声を上げていること、女性が女性に対しておこなった支援を称賛する反応が多く見られる結果になりました。
⑤サントリー伊右衛門
引用:サントリー
ラベルを脱いだ伊右衛門が発売。
「裸の伊右衛門」として話題になりました。
サントリー伊右衛門の施策
広告の写真を撮影したのは、有名な写真家の篠山紀信さん。
また、商品の名前を示す上で重要なラベルという衣を脱ぎ捨てる斬新さも話題に。
恥じらいをも感じられる色っぽいペットボトルの姿に大きな驚きや反響がありました。
結果:販売数の増加
「裸の伊右衛門」はTwitterで拡散され、国内最大級のTwitterまとめメディアであるTogetterに掲載されると約6万ビューを記録。
販売週前比で378%、コンビニでは前比率190%を超え広告として成功。(参考:新聞広告データアーカイブ)
意外性や驚きを利用したプロモーション戦略の成功例です。
⑥君の名は
引用:テレ朝POST
「君の名は」は2016年に公開された新海誠監督による日本の長編アニメーション映画。
2016年の8月に公開され、12週連続で週末動員数1位を獲得しました。
「君の名は」の施策
「君の名は」の地上波放送の告知を盛り上げるためにつくられた新聞広告は、映画の世界観が紙面全体で感じるように設計されました。
27面には主人公の瀧くんが描かれ、真裏の28面には同じ場所に立つヒロイン三葉の姿が印刷されています。
この広告を光に透かすことで、お互いが向かいあう姿が映しだされています。
有名なクライマックスシーンを自分でつくりだせることのできる感動が話題になりました。
興行収入ランキングも上位でたくさんの人が知っている映画だからこそ、もう一度見たいという気持ちを持ってもらうことが重要です。
結果:話題になり視聴率も好調
新聞広告を撮影した写真はSNSで拡散され盛り上がり、Twitterでは135万ツイートを超え、トレンドには関連ワードが20以上ランクインしました。
さらに、地上波での放送終了時には世界のトレンド1位に。
(参考:新聞広告データアーカイブ)
番組平均視聴率も17.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で好成績を残しました。
「君の名は」の新聞広告は、自分で感動をつくりだせる特別感を与えることで成功したプロモーション戦略の例です。
⑦鬼滅の刃
引用:新聞広告アーカイブ
鬼滅の刃は、週刊少年ジャンプで2016年から2020年まで連載されていた、日本の漫画作品です。
漫画のみならず、アニメや映画としても公開され、記録的なヒットを生み出しました。
「鬼滅の刃」の施策
「鬼滅の刃」の映画におけるプロモーションでは、新聞でインパクトがある広告が出稿されました。
まず、フジテレビで初めてゴールデンタイムに全国ネットで放送されるということで、産経新聞に第一夜と第二夜を表面にレイアウト。
公開される劇場版のポスターのビジュアルを裏面にレイアウトしました。
また「鬼滅の刃」の最終巻である23巻の販売と累計発行部数1億冊を記念し、読売新聞・毎日新聞・朝日新聞・産経新聞・日本経済新聞の五大紙に作中のキャラクターたちを描いています。
新聞広告だけではなく、さまざまな媒体を利用してファンの心をつかみました。
結果:興行収入は史上最高に
漫画のみならずアニメーション映画としも成功をおさめ、2020年10月に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、社会現象といえるほどの大ヒット。
公開後の3日間で、なんと興行収入46億円に達しました。
多くのファンがTwitterなどで広告の画像を投稿し話題に。
顧客がさまざまなメディアを通しながら深い世界観に触れたことで、熱狂的なファンをつくった結果といえるでしょう。
⑧伯方の塩
伯方塩業の「は・か・た・の・しお♪」というCMフレーズは、「伯方の塩」を買ったことがなくても知っている、誰もが一度は耳にしたことがあるお馴染みのフレーズです。
伯方の塩の施策
誰もが知っているフレーズでも、長い間同じものを使っていては消費者に飽きられてしまい、マンネリ化は避けられません。
そこで、2019年5月に自社CMのフレーズを歌う「2代目声優」をSNSを通じて募集すると発表しました。
結果:ブランドイメージがアップしさらに知名度が上昇
誰もが知っているフレーズを使ったオーディションに簡単に参加できる、ということで大きな話題になりました。
SNSを通じて広く拡散され、一時は伯方塩業のウェブサイトがパンクするほどのアクセスが集中することになります。
結果として2000人以上の人がオーディションに参加し、動画を送ってきました。
子どもから大人まで楽しめるウェブイベントを主催する企業として、ブランドのイメージアップにつながり、知名度もさらに高まりました。
⑨ポカリスエット
引用:電通ウェブサイト
大塚製薬のポカリスエットは、スポーツを楽しむ人を中心に飲まれている健康飲料です。
国内で年間約6億本もの販売数を誇る大ヒット商品で、スポーツ飲料として定番商品となっています。
ポカリスエットの施策
定番商品であることで非常に安定はしていますが、しだいに停滞感も生じてくるのはやむ得ないかもしれません。
そこで、ポカリスエットのメインユーザーである中高生を巻き込んで、 新たなキャンペーンイベントを企画しました。
2020年4月、中高生に向けて歌唱動画をTikTokから投稿してもらうオーディション「ポカリNEO合唱」キャンペーンを開催しました。
多数の応募の中から97名の中高生が選ばれ、スマートフォンで撮影した歌唱動画を編集したCM作品が発表されました。
結果:ギャラクシー賞CM部門大賞を受賞し大きな話題に
コロナ禍で活動を自粛された中で、中高生世代の感覚と時代背景にマッチしたキャンペーンとして話題になり、多くのメディアでも紹介されることに。
そして、第58回ギャラクシー賞CM部門大賞の受賞につながります。
その後もポカリスエットのCMでは、合唱やダンスに現役の中高生たちが参加するスタイルが続き、新しいブランドイメージの確立に成功しました。
⑩今年の漢字
引用:NHK「首都圏ナビ」
「今年の漢字」は、1995年に日本漢字能力検定協会が主催する「漢字検定試験」のPRのために始められました。
年末になると京都の清水寺で大きな紙に「今年の漢字」を書く様子がメディアに報道され、毎年の恒例行事になっています。
「今年の漢字」の施策
1975年に開始された漢字検定試験は、第1回の受験者はわずか670人、そこから少しずつ受験者を増やし、文部省の認定を受けた1992年には12万人に達するまでになりました。
しかし、世間の漢字に対する関心は高いとは言えない状況であったことから、1995年に「今年の漢字」キャンペーンを企画します。
誰もが年末には1年を振り返ることにヒントを得て、その年の世相を表す漢字を公募し、清水寺の貫主が大きな紙に筆で書いて発表するイベントを行いました。
結果:12万人の受験者が2年後に100万人を突破
選ばれた今年の漢字を書く様子は、ニュースなどのテレビ番組や新聞など様々なメディアで紹介され話題となりました。
キャンペーンを実施する前の受験者が12万人でしたが、2年後の1997年には100万人を突破するほどの成果につながりました。
「今年の漢字」の公募は毎年行われるようになり、団体のPRキャンペーンからスタートしましたが、今では年末の恒例行事となるほど私たちの生活に定着しています。
成功事例に学びプロモーション戦略を効果的に立てよう
プロモーション戦略を実際におこなう手法は、多様です。
予算や、売りたい商品やサービスによって、プロモーション戦略を練るのが重要です。
- 広告
- 広報
- 販売促進
- イベント
- 人的販売
- 動画
- SNS
最も効果的な手法を見つけましょう。
ブランドとして認知がまだ低いのであればプッシュ型、購買意欲を掻き立てたいのであればプル型の戦略も効果的です。
また、プロモーション戦略を立てる時には、3Cと4Cというフレームワークで分析をおこなうのがおすすめです。
さらに戦略を立てる上で、以下のポイントも重視しましょう。
- ターゲットを明確にする
- コストを意識する
- 分析を怠らない
- 目的にあったプロモーションをおこなう
プロモーション戦略の効果についてさらに詳しく知りたい方は「プロモーション戦略の効果的な方法を解説」を参考にしてください。
なお、弊社では、紙媒体の広告を出稿をご検討の方に「紙媒体広告の戦略本」も紹介しています。
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