老人ホームや介護施設の集客につながる広告製作のコツを紹介

老人ホームや介護施設を運営している方の中には、広告を出してもなかなか入居者が増えないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

老人ホームの多様化が進んでいる現代ですが、実は今「多く集客できている老人ホーム」と「集客ができていない老人ホーム」の二極化が進んでいます。

なぜ大きな差が生まれてしまうのでしょうか。

老人ホームの集客には、入居検討者への理解度が関係しています。
まずは入居者が本当に求めていることを見直してみませんか?

本記事では、集客力をアップさせるアプローチ方法と広告を作成するコツをご紹介します。

老人ホームの集客力を高める取り組みを紹介するので要チェックです。

また弊社では、紙媒体の広告を出稿をご検討の方に「紙媒体広告の戦略本」を紹介しています。

詳しく知りたい方はぜひバナーをクリックして、資料をダウンロードしてください。

老人ホームや介護施設の広告を出す前に集客について確認

老人ホームや介護施設の集客で広告を出す前に、そもそも老人ホーム・介護施設の集客とはどういうことなのかを確認しておくべきです。

また、新しい施設は入居率が低い理由や入居者が施設に求めることなども知っておかないと、思うように集客ができません。

ひとつずつ解説します。

老人ホーム・介護施設の集客とは

老人ホーム・介護施設の「集客力」とは、施設における入居率のことです。

老人ホームや介護施設で介護サービスを受ける人が多ければ多いほど、入居率もあがります。

出典:厚生労働省

国土交通省発表の「サービス付き高齢者向け住宅の入居率」によると、2017年の入居率は89%と高い水準であることがわかります。

ただ、入居率が高いという調査結果が出ていても、新しい施設の入居率は低めです。

新しい施設の入居率が低い理由

日本は高齢化社会となっているため、老人ホームや介護施設を必要とする人たちは多くいます。
しかし、高齢者が増えてきているとはいえ、新しくできた施設の入居率は低めです。

実は、老人ホームを開設してから2年程度は入居率が低い傾向です。
理由としては、以下の3つが考えられます。

  1. 付帯するサービスの確認に時間がかかるから
  2. 入居まで家族やケアマネジャーとの調整が必要だから
  3. 入居者の状況に応じた受け入れ体制の確保に一定の時間を要するため

できるだけ早く集客力をあげるには、入居検討者が老人ホーム選びをする際に注目していることについて理解することが大切です。

入居者のチェックポイントを知る

老人ホームや介護施設に入居を考えている人が注目するポイントとは、一体何なのでしょうか。

入居者が施設に求めることや入居前に確認するポイントを解説します。

入居者が求めていること

老人ホームの入居検討者は、まず以下のような点を老人ホームや介護施設に求めています。
いくつかの老人ホームに絞れてきたら、施設見学や数日間の体験入居をするのが基本的な流れです。

立地条件自宅から近い、交通の便がよい、自然に囲まれている、面会しやすいなど
施設の規模大規模、中規模、小規模
部屋の間取り多床室、個室、ユニット型など
周辺環境医療機関や商業施設が近くにある、海や山が見えるなど
医療体制介護スタッフや看護職員がおこなえる医療行為の範囲、提携医療機関の有無など
サービス内容生活支援サービス、食事サービス、健康管理サービスなど
清掃やメンテナンス状況掃除が行き届いている、介護施設や病院特有の匂いがしないなど
月々の利用料、入居一時金など介護保険が適用される介護保険施設と民間施設で異なる

入居者が決める前に確認するポイント

入居者は「求めていることが得られそうな施設だ」と思えたら、次は以下を確認します。

  1. 経営状況
  2. 介護スタッフの離職率
  3. 入居者の状況

高齢者が増えていることから、老人ホームは新たなビジネスとして注目されています。
しかし、高齢者向けのサービスをおこなっていなかった企業が運営していたり、急速な事業展開をこなったりする施設は、倒産のリスクがあるため警戒されます。

異業種から参入した施設や事業展開が急速な施設は、魅力的なサービスを展開して集客を狙っているところが多いです。

反面「本当にサービスが受けられるのか?」「スキルがある介護スタッフがいるのだろうか?」といった実態が気になるのだと考えられます。

時間をかけて介護スタッフを育成していることや、低い離職率をアピールして安心感を与えましょう。

老人ホーム・介護施設の集客ができていない理由3つ

集客ができている施設と、集客ができていない施設には3つの違いがあります。

  1. 競合施設と差別化できていない
  2. 利用者を絞れていない
  3. 広告やプロモーションが不十分である

集客力を高めるために、しっかり原因を見極めましょう。

①競合施設と差別化できていない

集客力が低い理由のひとつとして、同じエリアにある競合施設と差別化できていないことがあります。

(出典:公益社団法人全国有料老人ホーム協会

公益社団法人全国有料老人ホーム協会の調査によると、入居検討者が抱える一番の悩みは「自分の条件にあったものがみつからない」の45.6%でした。

入居検討者はさまざまな悩みを抱えているため、利用料金の安さやイベント・食事内容など悩みを解消するような内容を広告に盛り込めれば、集客が見込めるでしょう。

競合施設にはない魅力を積極的にアピールすれば、集客力の高い老人ホームになれます。

②ターゲットを絞れていない

老人ホームや介護施設には、大きくわけて民間施設と公的施設があります。

社会福祉法人や医療法人が運営する公的施設
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • ケアハウス
  • 養護老人ホーム など
民間企業が運営する民間施設
  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 健康型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム など

民間施設も公的施設も自立度の高い人から要介護の人まで幅広く受け入れますが、集客力をアップさせるためにはターゲットを絞り込むことが大切です。

特に要介護度と認知症受け入れの有無に注目して、対象となる入居検討者を見極めましょう。

ターゲットを明確にすれば、適切なアプローチができます。

③広告やプロモーションが不十分である

老人ホームや介護施設の集客がうまくいかないのは、広告やプロモーションの不十分さが原因かもしれません。

老人ホームや介護施設の集客方法を考えたとき、実際に老人ホームや介護施設で働くケアマネジャーやソーシャルワーカーからの発信は欠かせません。
知人や入居者の紹介、自治体の窓口も有効な手段です。

しかし、集客力をアップさせるためには広告で必要な情報をしっかり発信しなければなりません。

テレビCMや新聞など独立したメディアを組み合わせたクロスメディア広告を採用してみてはいかがでしょうか。

顧客単価が高く、商品やサービスを吟味する必要がある老人ホームの広告には最適です。

ぜひ「クロスメディア広告の成功事例から学ぶメディアの組み合わせ」にも目を通し、クロスメディア広告について学んでみてください。

老人ホームや介護施設の集客力をアップさせる広告の特徴3つ

老人ホームや介護施設の集客力がアップする広告には、3つの特徴があります。

  1. 申し込み方法を複数提示する
  2. 問い合わせの流れを作る
  3. 勧誘・売り込みがないことを伝える

広告製作のポイントを詳しく解説します。

①申し込み方法を複数提示する

老人ホームの集客力をアップさせるためには、申し込み方法の複数提示が大切です。

  • 電話番号
  • 住所
  • メールアドレス
  • QRコード など

施設見学や体験入居をしたいと思ったときに必要な情報です。
見つけやすいところに繰り返し発信しましょう。

また、施設見学や体験入居の申し込みは、入居検討者の家族がおこなうことも多いです。
スマートフォンからでも気軽に申し込めるようQRコードも載せておきましょう。

誰でも簡単に申し込めることを示しておけば、老人ホームに対して親切な印象を持ち、集客につながりやすくなります。

②問い合わせの流れを作る

老人ホームに興味を持ってくれた方が、スムーズに老人ホームや介護施設へ問い合わせできるような流れを作りましょう。

以下のような流れを意識している広告を作成すれば、集客が期待できます。

  1. 気軽にアクションがとれる複数の申し込み方法を提示
  2. 問い合わせしやすいような文言を加える
  3. 体験入居/見学会のスケジュールを記載する

問い合わせしやすい文言は「見学は随時可能です」「スタッフが玄関までお迎えにご案内します」など、不安を抱える入居検討者に配慮した文言がベストです。

老人ホームや介護施設に対する不安を取り除くことで、入居希望者は問い合わせしやすくなります。

③勧誘・売り込みがないことを伝える

老人ホームや介護施設の集客では、勧誘や売り込みがないことを伝えましょう。

「気になる老人ホームや介護施設はあるけど、問い合わせをすると勧誘や売り込みがあるのでは」と躊躇している方は少なくありません。

申し込み方法の提示と一緒に勧誘や売り込みがないことも伝えれば、施設に対する不安を軽減できます。

  • 資料請求されたお電話にこちらからご案内を差し上げることはありません
  • セールスや勧誘は一切ございません など

問い合わせをしようか迷っている方に安心感を持ってもらい、集客力アップにつなげましょう。

老人ホームのチラシデザインについては「老人ホームのチラシをデザインする際に大切なこと3つ 」の記事も参考にしてください。

老人ホームや介護施設における広告戦略

広告を使って老人ホームや介護施設の集客をする際に立てるべき戦略は以下の通りです。

  • コンセプトをしっかり決める
  • 説明するときに使える魅力的なパンフレットを作成
  • ポスティングチラシでは介護施設の情報を伝える

ひとつずつ説明していきましょう。

①コンセプトをしっかり決める

老人ホームや介護施設で集客率をあげるには、老人ホームや介護施設のコンセプトを明確にする必要があります。
なぜなら、コンセプトが曖昧だと、ターゲットや広告デザインの方向性が決まらないからです。

例えば、施設のまわりが緑に囲まれている場所だとしましょう。
「豊かな自然に囲まれながらゆっくりと自分らしく時間を過ごせる場所」というコンセプトにすれば、使う色やデザインなどが浮かびやすくります。

コンセプトが明確にわかる広告であれば、他の数多くある老人ホームや介護施設の中から選んでもらいやすくなるでしょう。

介護サービスで集客率をアップさせるための方法やデザインでおさえるべきポイントについては「紙媒体の広告で介護サービスの集客率をアップする方法4選」でも解説しています。

②説明するときに使える魅力的なパンフレットを作成

老人ホームや介護施設で集客するためには、パンフレットも必要です。
以下の内容を盛り込んで作成しましょう。

  • 施設のコンセプト
  • 営業時間
  • 所在地
  • サービス内容
  • 職員紹介
  • 1日の流れ

上記の情報が載っているパンフレットがないと、職員たちが毎回説明をしなければならなくなり、手間と時間がかかってしまいます。
また、入居検討者も長い説明を聞くだけで疲れてしまい、入居する気持ちが減ってしまうでしょう。

パンフレットがあれば、入居を検討している人に渡してそのまま見学などの提案がしやすくなり、集客にも結びつけやすいです。

入居検討者も、家に帰ってからゆっくり考えられます。

写真を入れた職員の紹介や、施設での1日の過ごし方など、初めて施設を利用する人でもよくわかるような内容を意識しましょう。

③ポスティングチラシでは介護施設の情報を伝える

ポスティングチラシでは、老人ホームや介護施設での活動報告や最新情報を記載しましょう。

入居者の生活や普段楽しんでいることなど施設での様子が詳しくわかれば、入居検討者も安心できます。

また、集客を高めるなら、利用者だけでなくケアマネや居宅介護支援事業所に施設のイメージを伝えることも重要です。

例えば「最新のトレーニングマシンを導入!気軽にトレーニングできます!」といった文言を入れるとします。

トレーニングマシンで体を動かせる事実とあわせて「下肢の筋力を効果的に鍛えられるため、歩行や立ちあがりなど日常生活の動作に役立ちます」という内容のものを載せましょう。

入居者のニーズに絡めた文言があると、より明確にケアマネジャーの頭へインプットされます。
インプットされれば、パンフレットを見せながらより詳しく入居検討者に説明できるでしょう。

詳しく説明を受けた検討者は、老人ホームや介護施設に入ることで得られるメリットが明確にわかるため、結果的に集客へとつなげられる可能性があります。

ポスティングで効果的に集客するなら「効果的に集客を!チラシのポスティングの押さえるべきコツを紹介」が参考になるため、ぜひご一読ください。

老人ホームや介護施設での広告に関する規則を知っておこう

老人ホームや介護施設に関する広告を作る際は、広告に関する規則にそった内容にしなくてはなりません。
規則を破ると罰金や懲役などの罰を受けることになるため注意が必要です。

老人ホームや介護施設での広告に関する規則について、詳しくお話しいたします。

「介護保険法」にそった広告を

老人ホームや介護施設は「介護老人保健施設」に該当します。
介護老人保健施設は、介護保険法によって広告に載せられる内容が決められているため注意が必要です。

医療施設として位置づけられている施設のため、介護保険法が関与してきます。

参考:介護保険法|厚生労働省

介護保険法では、職員の配置員数やレクリエーションルームの広さの記載など細かく決められています。
広告の製作に入る前にしっかり確認しておきましょう。

老人ホームの広告規制や広告で注意すべきことについては、ぜひ「違法ではない?有料老人ホームの広告規制について」もあわせてご覧ください。

老人ホームや介護施設での広告規制がわからないときの対処法

老人ホームや介護施設の広告に載せていいか判断できないことがあれば、以下の対処法をとります。

  • 保健所に確認
  • 弁護士に確認

介護保険法は、厚生労働省の管轄です。
広告の内容については厚生労働省の出先機関である地域の保健所に問い合わせましょう。

ただ、満足のいく回答が得られなかったり、個別の対応はしていないと断られたりすることもありえます。

もし保健所に問い合わせても解決できなければ、弁護士に相談しましょう。

集客力を高める老人ホームの取り組み3例

老人ホームの集客力をアップさせるためには、競合他社にはない魅力の発信が重要です。

  1. 生きがいを感じられるイベントを開催する
  2. 医療依存度を高める
  3. アートや文化を取り入れる

3つの成功例を参考に、老人ホームや介護施設の集客力を高める取り組みについて紹介します。

集客力をあげるためにも、施設全体でおこなっている楽しい取り組みを広告に盛り込みましょう。

①生きがいを感じられるイベントを開催する

(出典:おとなの学校

東京都世田谷区にあるおとなの学校 世田谷等々力校では「おとなの学校」をコンセプトに学校のような運営をしています。

  • 1日のスケジュールは学校のような時間割制
  • 学びの場を提供する
  • 昔のことを思い出してもらう回想法などを活用 など

入居者の知的好奇心をくすぐりながら、機能低下を予防する試みが魅力的です。

また、学校というコンセプトのため、もう一度青春を過ごしているような気持ちになれ、介護施設であることを忘れるぐらい楽しい生活が送れます。

日常生活に生きがいを感じられる取り組みをおこない、競合他社との差別化を図りましょう。

②医療依存度を高める

医療依存度の高い高齢者でも対応できる老人ホームは、集客力がアップします。

(出典:ナーシングホームあい

群馬県にあるナーシングホームあいは、一般的な老人ホームでは受け入れが難しい医療依存度の高い高齢者も対応できる体制が整っています。

  • スタッフの2人に1人が看護師の有資格者
  • 地域の医療機関やケアマネジャーと連携
  • 訪問看護ステーションへ移設で365日24時間サポート など

万が一入居後に医療依存度が高くなったり、介護度が重度化したりしても、他施設へ転居させる必要がありません。
同じ場所で安心して生活できるのが強みです。

周辺の競合他社に比べて医療依存度が高い場合は、積極的にアプローチしましょう。

③アートや文化を取り入れる

入居者にとって、自宅で過ごしていたときと同じようにアートや文化に触れられる環境は非常に魅力的です。

(出典:加世田アルテンハイム

鹿児島県南さつま市にある加世田アルテンハイムは「福祉に文化を」をモットーに、まるで美術館のような施設作りを徹底しています。

モダンで独創的な建物の中には絵画や彫刻が点在しており、刺激的な生活を送れます。

介護施設であることを忘れさるような空間作りも、集客力をアップさせる取り組みのひとつです。

広告を活用して老人ホームや介護施設の集客力をアップさせよう

老人ホームや介護施設の集客力があがらない理由は3つあります。

  1. 競合施設と差別化できていない
  2. 利用者を絞れていない
  3. 広告やプロモーションが不十分である

しっかり原因を見極め、集客力アップへつながる効果的な広告を製作しましょう。

広告を作成するときには、申し込み方法を複数提示したり、問い合わせの流れを作ったりするなどの工夫も大切です。

入居への不安を払しょくするため、勧誘や売り込みがないことも伝えましょう。

アートや文化を取り入れている・医療依存度が高いなど、競合他社にはない魅力を発信することも忘れてはいけません。

魅力的なサービスとポイントをおさえた広告で、老人ホームや介護施設の集客力をアップさせましょう。

なお、弊社では、紙媒体の広告を出稿をご検討の方に「紙媒体広告の戦略本」を紹介しています。

詳しく知りたい方はぜひバナーをクリックして、資料をダウンロードしてください。