「ダイレクトレスポンスマーケティング」という言葉を聞いたことがありますか?
ダイレクトレスポンスマーケティング(Direct Response Marketing)とは、商品の販売をスムーズにし、リピート顧客を獲得するマーケティング手法のひとつ。
言葉だけではなかなか具体的なイメージが湧きにくいですよね。
これは100年以上に渡って、直接お客さんに商品を販売する際に使われてきました。
ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)を活かせば、効果的に集客・販売をおこなえます。
この記事では、ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)の概要と効果的な進め方について解説します。
ぜひ最後まで読んで、今後の継続的な売り上げアップにお役立てくださいね。
また弊社では、紙媒体でのマーケティング方法を「紙媒体広告の効果的な活用法」でご紹介しています。
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目次
ダイレクトレスポンスマーケティングとは
ダイレクトレスポンスマーケティング(Direct Response Marketing)とは、広告に対して反応(レスポンス)のあったユーザーに、直接(ダイレクトに)商品を販売する施策のこと。
ダイレクト | 集客 |
レスポンス | 教育 |
マーケティング | 販売 |
ユーザーに「商品やサービスを購入した方がよい」理由を説明して、納得したうえで販売する手法です。
たとえば、以下のようなケースがあげられます。
- CMの最後で電話番号を強調する
- 「続きはWebで」と公式ホームページへ誘導する
- 試供品やプレゼントつきのダイレクトメールを送る など
ダイレクトレスポンスマーケティングのターゲットは、能動的な反応があったユーザーです。
とても効率的な手法のため、さまざまな事業で活用されています。
- 個人事業主
- 中小企業などの小規模事業者
- ブロガーやアフィリエイター など
DRMの歴史
ダイレクトレスポンスマーケティングは、1880年代のアメリカで始まりました。
商品のカタログをターゲットの自宅に送付して、問い合わせのあったユーザーに商品を販売する通販スタイルです。
当時は現在の通販のように仲介業者や実店舗を介すことなく、企業とユーザーが直接やりとりしていました。
ただ単に広告を出すのではなく、興味のある人に広告を伝えて、教育した後に反応(レスポンス)を獲得する手法は、現在に通じる画期的なアイディアです。
DRMのメリット
ダイレクトレスポンスマーケティングには、2つのメリットがあります。
①見込み客のリストを作れる
ダイレクトレスポンスマーケティングは、反応があったユーザーにアプローチする手法です。
レスポンスのあった購買見込みが高いユーザーをリスト化することで、次のステップに向けた施策を打ちやすくなります。
ここでいうリストとは、以下のような個人情報です。
- 名前
- 住所
- メールアドレス など
リストがあると、新商品のPRなどをダイレクトメール(DM)で送れます。
②広告の費用対効果が高い
ダイレクトレスポンスマーケティングは、企業側から多くの情報を発信する必要がありません。
ユーザーのレスポンスがあって、はじめて動き出す広告の手法です。
商品やサービスに興味を持ったユーザーへアプローチするダイレクトレスポンスマーケティングは、不特定多数を対象とした広告に比べて費用対効果が高いです。
よってダイレクトレスポンスマーケティングが向いているのは、中小企業や個人事業主です。
DRMの効果測定
ダイレクトレスポンスマーケティングは、以下のような方法で効果測定できます。
- LPへのアクセス数
- 顧客獲得コスト
- 開封率やレスポンス率
- 商品やサービスの成約率(コンバージョン率)
効果測定の内容から、既存プロモーションの成功ポイントや改善点が見えます。
ダイレクトレスポンスマーケティングの3ステップ
ダイレクトレスポンスマーケティングは、集客までの流れを意識することが重要です。
ここでは効果的な進め方について、3つのポイントを紹介します。
ステップ①集客し見込み客リストを作成する
ダイレクトレスポンスマーケティングには、ターゲットとなるユーザーの見込みリストが欠かせません。
見込み客リストを作成するポイントは3つあります。
- 見込み客が反応しやすい工夫を凝らす
- 数ではなく、商品やサービスに興味を持っている人を集める
- 問い合わせしやすい環境を作る
まず、ターゲットに響く仕掛けを準備しましょう。
- 期間限定キャンペーン
- 〇〇人限定サービス
- 初回割引
- 抽選 など
次に、ユーザーが問い合わせするときにストレスを感じない環境を整えることが大切です。
- 「電話では『〇〇の件』とお問い合わせください」とルールを明確にする
- 問い合わせ専用のWebページを制作する など
ユーザー数ではなく、商品に興味を持っている人を1人でも多く集めることを考えましょう。
ステップ②教育し信頼関係を構築する
見込み客を集めてからすぐに商品やサービスを購入させようとしてはいけません。
教育(リードナーチャリング)をして、ユーザーとの間に信頼関係を構築することが大切です。
具体的な教育の方法は、以下の通りです。
教育の方法 | 例 |
メール |
|
SNS |
|
オウンドメディア | 自社で運営するブログ |
セミナー | 新商品のPR |
ユーザーに「購入/利用したい」と思ってもらうための工夫を凝らしましょう。
- 無料サンプルの配布
- 会員限定の価格で販売 など
直接契約につながらないような仕掛けも有効です。
- 思わず人に話したくなる旬ネタ
- 気になって読んでしまう四コマ漫画 など
大切な見込み客を教育して、ダイレクトレスポンスマーケティングを成功させましょう。
ステップ③販売する
ダイレクトレスポンスマーケティングのゴールは、見込み客に商品やサービスを購入してもらうことです。
魅力的なキャンペーンを準備して、見込み客の背中をひと押ししましょう。
- 期間限定キャンペーン
- 割引
- 購買特典
- 先着順
- 数量限定 など
これらの付加価値が、ユーザーの心を動かすきっかけになります。
また、支払い方法に関する工夫も効果的です。
- 初回無料
- 分割払い
- クーリングオフ可能 など
初回無料や保証をつけることで、見込み客が安心して購入に踏み切れます。
ダイレクトレスポンスマーケティングの活用法とおすすめの媒体
ダイレクトレスポンスマーケティングでは、さまざまな媒体を使用します。
商品やサービスによって、効果的な媒体を選ぶことが大切です。
ここでは、ダイレクトレスポンスマーケティングでよく使われる媒体について解説します。
広告を制作するポイントもおさえておきましょう。
折り込みチラシで地域のお店を紹介
折り込みチラシは、地域密着型のサービスと相性がよいといわれています。
その理由は、購買意欲の高いユーザーが手にとるからです。
- 40歳以上
- 富裕層
- 高齢者
より細かくターゲットを絞ったPRを心がけましょう。
- チラシなら「○○町の集合住宅のみ配布」
- 新聞折込なら「○○曜日の○○新聞の購読者にのみ配布」など
ホームページのQRコードを印刷すれば、アナログ媒体とあわせたアプローチも可能です。
チラシに関しては以下の記事をご確認ください。
>>集客できるチラシ広告とは?Web集客との違いと新たなチラシ戦略
地域のお店にショップカード
ショップカードは、お店の情報を記載したカードのこと。
店舗を認知してもらい、宣伝する目的で配布します。
ショップカードに記載する内容は以下の通りです。
- ショップ名
- ロゴマーク
- 写真やイメージ画像
- ウェブサイトのURL
- SNSのアカウント情報
- QRコード
- 検索キーワード など
お店に興味を持った人が気軽に持ち帰れるよう工夫しましょう。
- ユーザーの目に留まりやすいレジ横に設置する
- 会計時にレシートや商品と一緒に手渡しする
ショップカードの裏面にクーポンなどの割引特典を印刷すると、より効果的です。
メールマガジンで情報発信
メールマガジンは、企業が複数のユーザーに対して一斉配信するメールのこと。
会員登録したユーザーにとって、メリットのある情報を発信しましょう。
- 新商品を積極的にアピールする
- セミナーへの参加者を促す
- お得な情報を伝える
- 購入/契約後のフォロー など
メールマガジンを制作するポイントは3つあります。
- ターゲットと目的を明確にする
- 「なるほど!」と思わせる内容を心がける
- 件名と本文を読みやすくする
メールマガジンのメリットは、大量の情報を送れることです。
- 文字
- 画像
- 動画
- URL など
しかし2008年に導入された特定電子メール法のオプトイン規制により、事前の許可なしにはEメールを送れなくなりました。
参考:特定電子メールの送信等に関するガイドライン – 総務省
Eメールを使用する場合は、迷惑メールに該当しないよう注意しましょう。
ダイレクトメールで特別感
ダイレクトメールとは、個人宛てに直接届ける広告です。
大きく分けると、紙媒体と電子媒体があります。
- 郵便(はがき/封書)
- FAX
- Eメール
- SNS など
ダイレクトメールのメリットは、受容度や開封率が高いことです。
ポイントをおさえて、ユーザーが特別感を感じるようなダイレクトメールを制作しましょう。
- 目立つところにクーポンを印刷する
- 来店特典を準備する
- 直筆メッセージを添える など
ユーザーに「自分のためだけに送られてきたメッセージ」だと思わせる工夫が必要です。
手元に残して何度も見返してもらえるダイレクトメールに関しては、こちらの記事もご確認ください。
>>ダイレクトメールとは?特性やレスポンス率向上の方法を解説!
主婦やシニアへ向けた通販
主婦やシニアに向けた通販は、テレビの通販番組やテレビCMがおすすめです。
テレビCMには、2つのメリットがあります。
- 信頼度が高い
- 15秒~30秒の短い時間で多くの人に情報を発信できる
テレビCMでは、見込み客を購入へ導くアナウンスが効果的です。
- 専用ダイヤルを設置しております
- 今から30分以内のお問い合わせの方に限りプレゼント など
通販のテレビCMに関しては、こちらの記事をご確認ください。
>>メディアとは?広告媒体3分類の特徴や活用方法を紹介
Web広告でQRコードを活用
チラシやDMでよく見るQRコードは、2つの効果を期待できます。
- Webサイトへ誘導する
- 会員登録を促す
QRコードは、カメラ機能で読み込むだけで簡単にアクセスできるのがポイント。
QRコードを作成の際にアクセス解析を設定すると、次の統計情報をリアルタイムで確認することも可能です。
- 読み取り回数
- ユニークユーザー数
- 読み取り場所
QRコードを活用したより詳しい見込み客の情報は、ダイレクトレスポンスマーケティングで役立ちます。
LINE公式アカウントで気軽に友だち追加
LINE公式アカウントを利用すると、店舗と顧客がLINEでつながれます。
企業は毎月1,000通までは無料でメッセージを送信できるほか、以下の機能も利用可能です。
- クーポン作成
- ポイントカード機能
LINE公式アカウントには、3つのメリットがあります。
- リピーター獲得につながる
- 信頼関係を構築できる
- ユーザーにとって有益な情報を提供できる
下記のようなアプローチで、LINE公式アカウントの登録ユーザーを増やしましょう。
- チラシにLINE公式アカウントのQRコードを印刷する
- ホームページにワンクリックで友だち登録できるボタンを設置する など
SNSに関しては、こちらの記事もご確認ください。
>>通販チラシで宅配弁当の集客率をあげるポイント
ダイレクトレスポンスマーケティングで成功する3つのポイント
ダイレクトレスポンスマーケティングで成功するポイントは、ゴールを目指した道筋をしっかり立てることです。
ここでは、3つの施策について詳しく解説します。
①集客に使う広告を工夫する
集客に使う広告を工夫して、効率的に見込み客からの反応を集めましょう。
広告からの集客が少ないと、教育や販売をするターゲットの母数が少なくなってしまいます。
ターゲットに合う媒体を使う
地域のシニア向け商品は、Web媒体だけで集客しても大きな効果は見込めません。
- 年齢
- 性別
- 住んでいる場所
- 行動パターン
上記のような情報をもとに、ターゲットの属性に合う媒体を吟味して広告を出しましょう。
キャッチコピーを工夫する
キャッチコピーの質が広告の集客率を左右します。
思わず口ずさみたくなるようなキャッチコピーを考え、フォントや色を工夫して大きなサイズで配置しましょう。
キャッチコピーを活かしたチラシの作り方は「売れるキャッチコピーでインパクトのあるチラシを作る3つの方法」を参照してください。
デザインを工夫する
反響のある広告は、必要な情報を正しくわかりやすく伝えています。
手にとった広告が「見やすい」と感じる理由は、デザインの4原則に沿って作られているからかもしれません。
デザインの4原則とは、4つの要素を指します。
近接 |
|
整列 |
|
反復 |
|
対比 |
|
デザインの工夫は、広告の反響率アップにつながります。
デザインの4原則に関しては、こちらの記事をご確認ください。
>>デザインの4原則とは?基本をおさえて最後まで読まれる広告に
②時間をかけてじっくり教育する
ダイレクトレスポンスマーケティングで一番大事なのが「教育」です。
いかに工夫できるかによって、購入率やリピート率が大きく左右します。
数週間~数か月以上かけて教育する
一般的にお客さんの教育には数週間~数か月かかるといわれています。
車や家などの価格帯の高い商品は、十分な時間を用意しておきましょう。
逆に修理サービスなどの緊急性を要する商品は、ダイレクトレスポンスマーケティング以外の方法を検討してみてはいかがですか?
信頼関係を築くことに集中する
一方的なセールスばかりすると、せっかく反応してくれたお客さんの心が離れてしまうこともあります。
お客さんの困りごとを聞き出したり、質問に親身に答えたりしながら、「この会社のこの商品なら買ってみようかな」という気持ちにさせましょう。
ここでしっかりとした信頼関係を築けば、購入後もリピーターになってもらえる可能性が高くなります。
③販売時にもう一度商品のよさを伝える
販売時にひと工夫することで、購買率がぐっと上がりやすくなります。
もう一度商品の魅力、メリットを伝える
集客や教育で伝えた商品の魅力やメリットを、販売時にもう一度アピールしましょう。
この際にお客さんの属性に沿った具体的な利用シーンを伝えることで、より商品のよさが伝わりやすくなります。
具体的なフレーズは、以下の通りです。
幼い子どもがいる家庭向けの商品 | 成長した後もずっと使用できる など |
運動好きなシニア向けの商品 | 健康になれるだけでなく、新しい仲間に出会える など |
デッドラインを設けて背中を押す
「申し込み締め切りは○○日」など、具体的なデッドラインを設けて、購入に踏み切ってもらいましょう。
デッドラインとあわせて、「今週中なら○○円引き」などのキャンペーンも同時に伝えるとより効果的です。
もしデッドラインを過ぎても反応がない場合は、リストの情報をもとに、別の商品をすすめてみましょう。
ダイレクトレスポンスマーケティングで効率的に売り上げを伸ばそう
ダイレクトレスポンスマーケティング(Direct Response Marketing)は、商品の販売をスムーズにし、リピート顧客を獲得するために必要不可欠なマーケティング手法のひとつです。
集客までの流れを意識した施策で、効率的に売り上げを伸ばしましょう。
- 集客し見込み客リストを作成する
- 教育し信頼関係を構築する
- 販売する
商品やサービスのターゲットにあわせた媒体を選択すれば、ダイレクトレスポンスマーケティングの成功率が高まります。
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