ビジネスにおいて新規の顧客獲得と同様に重要なのが、既存顧客へのフォローや営業活動です。
顧客一人ひとりの購買に関するデータを測れるLTV（ライフタイムバリュー）。
LTVの向上は、顧客との関係性を築き、収益の安定化につながります。
この記事では、おもに以下の3つを紹介します。
- LTVを向上させる必要性
- LTVを向上させるメリット
- LTVの向上に必要な5つのポイント
LTV向上のメリットや向上させる方法を知り、利益アップにつなげましょう。
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LTVとは
LTVとは英語でLife Time Valueの頭文字を取った言葉で、顧客生涯価値と呼ばれます。
1人の顧客が、生涯にわたって1つの企業にもたらす価値を表す指標です。
LTVでわかるのは、商品の購入数やリピート回数など。
1度商品やサービスを購入した顧客が何度もリピートして利用することは、提供側の企業にとって大きなメリットをもたらします。
LTVについての詳細や算出方法はこちらの記事をご参照ください。「LTVの意味とは？重視される理由や予測する方法について解説！」
なぜLTVを向上させる必要があるのか
近年、注目を浴びつつあるLTVですが、なぜいまLTVの向上が重要視されているのでしょうか。
LTVの向上が必要な2つの理由を紹介します。
新規顧客の獲得が難しくなっている
人口が増加していた時代の日本では、商品やサービスの需要が供給を上回っていました。
そこで企業の多くは新規の顧客を獲得しビジネスを拡大。
ですが現代のビジネスでは、日本の人口減少により、新規の顧客を獲得するのが難しくなっています。
新規の顧客を開拓するにはまず接点を作ることからスタートします。
商品やサービスを販売するまでの営業活動をおこなうのは、人件費や広告宣伝費など多くのコストがかかるでしょう。
また新規の顧客を獲得できても、1回限りの購入で終わってしまうと、かけたコストに対してのパフォーマンスも悪くなり、効率的と言いづらい部分も。
そのため、既存の顧客にいかに長く商品やサービスを利用してもらうかを重視する企業が増えました。
LTVは短期的な売上や新規顧客数だけでなく、1人の顧客につき中長期的なデータや関係性を数字で読み取れるので、いま注目されています。
顧客一人ひとりとの関係性を重んじる傾向がある
インターネットの普及により、顧客のニーズが多様化しています。
日本人のほとんどがパソコンやスマートフォンを持つようになり、国民一人ひとりが商品やサービスの情報を入手しやすくなりました。
顧客はより自分のニーズに合う商品やサービスを求めています。
そのため、顧客を1つの塊としてとらえるのではなく、一人ひとりと向き合い関係性を築くことが現代のマーケティングにおいて重要なポイントです。
顧客ごとの生涯価値を測るLTVは、多様化するニーズに対応できる指標と言えるでしょう。
LTVを向上させるメリット
LTVを向上させるメリットを3つ紹介します。
収益が安定しやすい
新規の顧客による売上だけに頼っていると、収益の変動が激しく安定しません。
一方、定期的にリピート購入する既存顧客の売上は安定しており、収益の予測がつきやすいのがメリットです。
顧客の単価やリピート率が高ければ、LTVも多くなります。
LTVが多いのは、収益が安定していると言えるでしょう。
既存顧客の継続購入期間を延ばしLTVを向上させると、売上が安定し、健全な経営につながります。
販売コストを抑えられる
新規顧客の獲得コストは既存顧客を維持するコストの5倍とも言われています。
どんなに成長しているマーケットでもいずれ成熟期を迎え、新規の顧客獲得が難しくなります。
競争が激しい新規顧客の獲得にはコストもかかり、中長期的な収益の予想が立てづらいデメリットも。
既存顧客との良好な関係を築き、継続購入期間を延ばすことで、販売コストを抑えられます。
既存顧客のフォローには、ダイレクトメールやメールマガジン、広告出稿などがあげられますが、どれも新規顧客の獲得にかかるコストに比べ低コストで済みます。
優良顧客の傾向がわかる
LTV向上を目指すと優良な顧客の傾向が分析できます。
- 購入の継続期間が長い
- 1回の購入単価が高い
- 購入の頻度が高い
上記のような顧客が優良と言えるでしょう。
優良顧客の傾向がわかれば同じ傾向の新規顧客の獲得がしやすくなり売上アップにつながります。
優良顧客の分析は、単に年齢や性別などの属性を知るだけではありません。
自社の商品のどんな部分に魅力を感じているのか、商品をどんな風に使用しているのかといった細かい部分まで分析し、今後の営業活動に役立てましょう。
LTVを向上に必要な5つのポイント
LTVを向上させるのに必要な5つのポイントを紹介します。
LTVの向上には、以下の項目についてそれぞれ対策を講じる必要があります。
- 商品やサービスの単価を上げる
- 顧客数を増やす
- 1人の顧客ごとの購入回数を増やす
- 1人の顧客ごとの購入期間を延ばす
- 販売に関わるコストを下げる
各項目について1つずつ確認しましょう。
顧客の購入単価を上げる
1つめは顧客ごとの購入単価を上げる方法です。
長い期間、定期的に購入履歴のある顧客は、すでに商品やサービスまたは提供する会社を気に入っている、いわばファンのような存在です。
そのため、いままで購入していた商品よりも高額な商品の提案も耳を傾けてもらいやすいです。
そして、提案した商品がいままで購入していたものより高額であっても、商品に魅力や価値を感じれば購入につながる可能性も。
また、既存の商品と併せて別の商品を購入してもらう方法も、LTVの向上につながります。
いずれにしても、既存の顧客の購入単価を上げることはLTVの向上において重要なポイントです。
1人の顧客ごとの購入頻度を高める
2つめは顧客ごとの購入頻度を高めることです。
1人の顧客が1ヶ月に1回だった購入を2回、3回と増やせればLTVを高められます。
新規の顧客に対していきなり購入頻度を高めるアプローチは難しいです。
すでに定期的な購入履歴のある顧客なら、商品や提供する会社に信頼度が高く、アプローチしやすいでしょう。
購入頻度を高め再購入につながる方法として、以下のようなものがあります。
- 期限を記したクーポンの配布
- ダイレクトメール
- メールマガジン
こまめなフォローが顧客満足度につながり、購入頻度を高めます。
1人の顧客ごとの購入期間を延ばす
顧客ごとの購入期間を延ばすことも、LTVの向上において重要なポイントです。
顧客の購入期間が長くなればなるほど、より商品や会社の根強いファンとなるでしょう。
長く愛されるためには常に顧客の声に耳を傾け、商品やサービスのブラッシュアップをおこなうことが大切です。
長期にわたり商品やサービスを愛用してくれる顧客にこそ、顧客満足度を上げる努力を惜しまないようにしましょう。
顧客との信頼関係の築き方や商品の伝え方については、こちらの記事もご参照ください。
ダイレクトレスポンスマーケティングとは？成功するポイントを解説
顧客数を増やす
顧客数を増やすことも大事な要素のひとつです。
既存の顧客との関係性を良好に保ち収益を安定させる方が販売コストを抑えられます。
ですが、新規の顧客を獲得することも忘れてはなりません。
より利益につながるためには、購入単価の高い優良顧客の獲得を目指しましょう。
新規顧客の獲得の方法ですが、やみくもに飛び込み営業するような方法はおすすめしません。
既存の顧客データの属性や購入履歴を分析し、優良顧客の傾向がつかめれば、似たような顧客の獲得がしやすくなります。
販売に関わるコストを下げる
販売に関わるコストを下げることも意識したいポイントです。
販売に関わるコストには、人件費や宣伝費など色々あります。
LTVの向上において特に重視したいのは、新規顧客の獲得や既存顧客の維持にかかるコストを抑えることです。
せっかく顧客単価を上げ、購入期間を延ばしてLTVを向上させることができても、かかるコストが増大したらどうでしょうか。
結果的にはLTVが横ばいになり、場合によっては減ってしまうかもしれません。
LTVの向上に努めるときには、コスト意識も忘れずに取り組みましょう。
コストを抑えた広告の出稿に役立つフリーペーパーについて、こちらの記事で解説しています。
フリーペーパー広告の効果は？種類は？拡販誌とタブロイド判の違いは？
LTV向上に便利なツール
CRMとは「Customer Relationship Management（カスタマーリレーションシップマネージメント）」の略語で顧客関係管理のことです。
CMRは顧客の属性や購買に関するデータなどあらゆる情報を集めて分析するツールです。
購買の履歴はもちろんのこと、会社から顧客へ提案した内容や、それに対する顧客の反応まで、あらゆるコミュニケーションの記録があります。
顧客ごとに異なる情報を集めてひとつずつ、ていねいに管理しましょう。
集めたデータを分析し、顧客と長期的に良い関係を作りながら収益アップを目指します。
LTVの向上には、CMRの取り組みが重要なポイントと言えるでしょう。
CRMの取り組みによって顧客と良好な関係性を築くことが、LTVの向上につながります。
LTVを向上させて収益アップを目指そう
LTV（ライフタイムバリュー）を向上させる方法やLTVが重要視されている理由を紹介しました。
LTVの向上に必要な5つのポイントをおさらいしましょう。
- 商品やサービスの単価を上げる
- 顧客数を増やす
- 1人の顧客ごとの購入回数を増やす
- 1人の顧客ごとの購入期間を延ばす
- 販売に関わるコストを下げる
LTVの向上には人件費や広告費などさまざまなコストがかかります。
あらかじめ予算を立てて、コストも意識しながら向上に努めましょう。
LTVの向上は顧客との関係性を築き、収益の安定化につながります。
紹介した5つの方法を取り入れて、効率よく収益アップを目指しましょう。
なお弊社では、通販事業の方向けに紙で広告を出すための展開パターンや、出稿までの流れ・準備について紹介しています。
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