LTVの意味とは?重視される理由や予測する方法について解説!

「LTVってよく聞くけど、具体的にはどういう意味なんだろう」
「LTVが重視されている理由を知りたい」

顧客獲得のためにマーケティング活動をおこなうなか、こんな疑問をもっていませんか。
LTVは、収益を安定させるために把握すべき重要なマーケティング指標です。

この記事では、主に以下の内容をわかりやすく解説します。

  • LTVの意味
  • LTV予測の計算方法
  • LTVが重視される理由

他にも、LTV向上のポイントなどについて幅広く説明します。
LTVとは何か、知識を広げたい方はぜひご一読ください。

なお弊社では、通販事業の方向けに紙で広告を出すための展開パターンや、出稿までの流れ・準備について紹介しています。

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LTV(顧客生涯価値)の意味とは?

LTVとは「Life Time Value(ライフ・タイム・バリュー)」の頭文字を取った略語です。
日本語に訳すると「顧客生涯価値」という意味になります。

ひとりの顧客が、自社との取引を始めてから終了するまでの期間で、もたらす利益の総額をあらわすマーケティング指標です。

ビジネスを成功させる上で、新規顧客を獲得してビジネスの規模を拡大することはとても大切です。

さらに重要視されるのがLTV(顧客生涯価値)といわれ、既存顧客と良好な関係を長く保つことで向上につながります。

LTVを向上させることは、ビジネスの安定化に不可欠です。
LTVを予測して向上させる施策をおこないましょう。

通販の広告にかける費用は何%が適正?費用の内訳なども紹介」ではLTV向上のポイントについて解説していますので、ご覧ください。

LTVを計算式で予測する方法

LTVの計算方法はビジネスモデルにより複数ありますが、一般的には次の計算式で算出します。

※LTV(顧客生涯価値) = 購買単価 × 購買頻度 × 契約期間

(例)化粧品の単品リピート通販

購買単価=5000円
購買頻度=年6回
契約期間=3年

LTV(顧客生涯価値): 5000円 × 6回 × 3年 = 90000円

※値は全て平均値

化粧品の単品リピート通販を例に計算すると、LTV(顧客生涯価値)は90,000円です。
実際は新規顧客の獲得と、既存顧客の維持コストがかかります。

つまり、LTV(顧客生涯価値)> 顧客獲得コスト という状態が成り立っていなければなりません。

計算式でLTVを予測し、顧客獲得コストの分析に役立てましょう。

単品通販の事例を交えて成功するビジネスモデルを解説!」でLTVの改善方法や成功事例について解説しています。

LTVがマーケティングで重視される4つの理由

マーケティング指標のなかでもLTVが重視される理由はどのようなものでしょうか。
大きく4つにわけてご説明します。

①CRMの主流化

CRMは「Customer Relationship Management」の頭文字を取った略語であり、「顧客関係管理」と訳されます。

次のような顧客との関係性をデータ化して一元管理・共有できるシステムです。

  • 顧客の氏名・企業・連絡先などの個人情報
  • 購入履歴
  • 自社とのやりとりや商談状況

ネットの普及が進み、CRMシステムが主流化。
これにより、顧客を分類して継続利用率の高い顧客を分析できるようになりました。

分析したデータをもとにマーケティング施策が改善され、LTVが向上。
収益が安定化したという結果から、LTVが重視されるようになりました。

②費用対効果

LTVの向上を重視するのは、高い費用対効果が見込めるからです。

新規の顧客を獲得するには、多大な広告費がかかります。

しかし既存顧客は、その後も良好な関係性を維持できれば、大きなコストを投入せずに繰り返し商品を購入してもらえます。

既存顧客との関係維持コストは、新規顧客の約1/5。
このコスト比率を、マーケティングの現場では「1:5の法則」とよんでいます。

少ない費用で収益が安定することにつながるため、LTVの向上が重視されているのです。

③BtoBビジネスでの関係維持

BtoB(企業間取引)ビジネスでは、BtoC(消費者向け)ビジネスで見られる「衝動買い」というケースはほぼありません。

なぜなら、コストやベネフィットなどを分析し、自社においてその商品が必要かどうかを複数人で判断するからです。

BtoBビジネスにおいては、顧客企業のニーズを正確に把握して、的を射た商品を提供し続けることが必要です。
よって、長期的な関係を維持するためには、常にアップセルやクロスセルなどの施策やLTVの向上が課題になります。

④サブスクリプションサービスの普及

サブスクリプション(サブスク)が広く普及したことも、LTVが重視される理由です。
サブスクとは、定額料金を支払うことで商品を利用できるサービスです。

例えば車のサブスクは、購入するより初期費用が大幅に抑えられることから人気が高まっています。

サブスクでは、顧客の満足度を高め長期的に利用してもらうことが課題です。
そのため、LTVは満足度をはかる指標として重視されています。

LTVの高い顧客獲得に紙媒体広告が有効な理由2つ

ビジネスを安定化させるには、LTVの高い優良顧客を多く獲得することが大切です。
紙媒体広告は、優良顧客の獲得に向いているといわれています。

主な理由2つについて説明します。

①紙媒体の広告はLTVが高いシニア層に好まれるから

紙媒体の広告はシニア層に好まれる傾向があります。
なぜなら、シニア層はWebになじみにくく、紙媒体の広告に親しみや信頼性をいだく場合が多いからです。

総務省がおこなった令和2年通信利用動向調査の結果をご覧ください。

出典:令和2年通信利用動向調査(総務省)

調査結果から、60代以上のシニア層8割以上がWeb利用時に不安を感じると回答しています。
また、気に入った商品が見つかると長く使い続ける点もシニア層の特徴です。

よって、シニア層と相性のよい紙媒体広告で顧客を獲得できれば、LTVの向上が期待できます。

シニア層向け広告についてはシニア層向け紙媒体の広告デザイン!重要なポイントを解説という記事で解説しています。

②DM開封率が高くリピート購入につながりやすいから

紙のDM(ダイレクトメール)は、開封率が高いといわれています。
以下紙のDMと、電子メールによるメルマガの開封率データ抜粋をご覧ください。

DM開封率

出典:DMメディア実態調査2020(一般社団法人日本ダイレクトメール協会)

メルマガ開封率

出典:業種別・地域別(国別)平均メール開封率レポート【2020年版】(Benchmark Email)

紙のDMは63.1%、メルマガは20%代と紙のDMの開封率が格段に高いことがわかります。
DMを読んでもらう、という始めの難所を乗り越えるのには紙媒体が有利です。

約15%の人が購入や問い合わせなど何らかの行動を起こしているので、リピート購入につながりやすい傾向です。

DMに関して、詳しくはダイレクトメールとは?特性やレスポンス率向上の方法を解説!の記事を参考にしてください。

LTV向上に使えるマーケティングツール

LTV向上のポイントは、LTVの計算式に使用される以下3つの項目を引き上げることにあります。

  • 購買単価
  • 購買頻度
  • 契約期間

ここでは、3項目の引き上げに役立つシステムやマーケティングツールを3つご紹介します。

  1. MA
  2. チャットボット
  3. プッシュ通知

MA

MAとは、「Marketing Automation(マーケティングオートメーション)」の略語です。
マーケティング施策を適切なタイミング・内容で自動的に実施できるシステムを指します。

多くの顧客データを管理し、それぞれ興味や行動を把握して適切なアプローチをおこなうのは至難の業です。

MAを導入して以下の業務を自動化すれば、時間やコストの大幅な削減につながります。
システムでミスなく実施することで、LTVの向上が見込めます。

リードジェネレーションリード(見込み顧客)情報を収集し、一元管理する
リードナーチャリングメルマガなどで購買意欲を高めてリードを育成する
リードクオリフィケーション行動履歴などから受注確度の高いリードを抽出する
効果測定メルマガ開封率などの効果測定。

チャットボット

チャットボット(chatbot)とは、「チャット(会話する)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた言葉で、自動会話プログラムのことです。

顧客の問い合わせに対して、AI(人工知能)を搭載したコンピューターが人間にかわって対応します。

ちょっとした質問ならば、電話やメールで人間が応対するより迅速に解決できるのが利点です。

顧客満足度や購入率の向上に役立つプログラムとして、多く活用されています。

プッシュ通知

プッシュ通知とは、アプリを起動していなくても通知を送れるツールです。
割引クーポンやセール情報の通知などでアプリの利用を促し、売上の増加を狙えます。

注意点は、顧客を分類しパーソナライズ(一人ひとりに合わせる)した通知を送ること。

むやみに通知を送ると、不快な思いをさせてしまい通知を見なくなったり、アプリをアンインストールしたりする場合があります。

タイミングや頻度に気をつけましょう。

LTVレベル別に広告コストを最適化する方法とは

LTVの向上とともに考えたいものが、広告コストの最適化です。

なぜなら、LTVレベルに関係なく広告コストを均一にしてしまうと、費用対効果が下がってしままうからです。

成果の高いLTV顧客を予測して、広告コストを集中させる方法について説明します。

LTV予測の活用方法

LTV予測モデルには、既存顧客の「プロフィール」と「売上実績」データを活用します。
まずは売上実績が高かった顧客のプロフィールを分析し、規則性を見つけましょう。

上の図なら、「都内在住の年収1000万男性」は売上実績が高い傾向にある、と読み取れます。

この規則性を新規顧客にあてはめてLTV予測を算出しましょう。

見込み優良顧客を分類し、集中的に広告コストを投入します。
逆に、見込みの低い顧客のコストをしぼることで広告コストの最適化が可能です。

LTVを予測して効果的なマーケティング施策へつなげよう

LTV(顧客生涯価値)を予測して最適なマーケティング施策を考えることは、ビジネスの安定化に不可欠です。

もう一度LTVの計算式を確認しましょう。

LTV(顧客生涯価値) = 購買単価 × 購買頻度 × 契約期間

LTV向上のポイントは、計算式で使用される3つの項目を引き上げること。
さらに、LTVのレベルに応じて広告コストを最適化すれば、ビジネスが効率化できます。

記事を参考にして、LTV向上・ビジネス安定化につなげましょう。

なお弊社では、通販事業の方向けに紙で広告を出すための展開パターンや、出稿までの流れ・準備について紹介しています。

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