電車広告の費用対効果とは?掲出場所の選定がポイント

電車広告は、毎日の通勤・通学電車で繰り返し目にするため、高い反復効果があるといわれています。

しかし、「電車広告の費用対効果はどのくらいだろう?」「より効果を上げるにはどうすればいいのか」といった疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、電車広告の費用対効果を上げる方法と、電車広告のメリット・デメリットについて解説します。

記事を読んで、費用対効果の高い電車広告を作成する参考にしてください。

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電車広告は乗客の4割が見ている

株式会社アスマークが20〜60代の男女400名に実施した「電車内の過ごし方に関するアンケート」によると、乗客の4割が電車広告を見ていることがわかりました。

  • 中吊り広告は、「見える位置にある、目立つ、目に入る」、ドア横広告は「ドア横にいることが多い」「目線の高さと同じで目に入る」などの意見が見られた。
  • 車内ビジョン広告は、「見たくなる」「楽しい、気になる、興味がある」「情報が豊富」など、興味・関心を持つという意見が見られた。

参考:電車内での過ごし方に関するアンケート調査−株式会社アスマーク

「目に入る、興味がある」というアンケート結果から、電車広告を見てもらうためのポイントが2つあることがわかります。

  1. 自然に目に入る位置にある
  2. 興味・関心を引く

費用対効果を上げるために、ポイント①②を網羅した場所と効果の関係について確認していきましょう。

電車広告の場所と効果の関係とは

電車広告の場所は、大きく分けて電車内の広告が8種と電車外(車体)広告があります。

車内広告の8種については、以下のように分類されています。

  • 中づり
  • まど上
  • ドア横
  • ドア上
  • ステッカー
  • つり革広告
  • 車内ビジョン広告
  • 広告貸切電車

電車内・電車外広告それぞれに目的や効果が異なるので、適した選定が必要です。

中づり広告

中づりとは、車内天井部より吊り下げて掲出する広告です。
自然に乗客の目線の高さにくるようになっているため、視認性に優れているのが特徴です。

数日から1週間単位での掲出が可能なため、新製品やキャンペーン告知・商品の認知向上など短期間の出稿が目的の場合に適しています。

B3サイズを基本として、2枚を連貼りするワイドサイズがあります。

まど上広告

まど上広告とは、車内上部の荷物置き場付近に掲出する広告です。

1週間から1ヶ月単位での、中期掲出の設定が可能です。
中期的に毎日、目の前に掲出されるため、広告を細部まで読んでもらいやすく、刷り込みによる高い訴求効果が見込めます。

B3サイズが基本ですが、1枚を横に伸ばす又は2枚連貼りしたワイドサイズ、4枚連貼りサイズがあります。

ドア横広告

ドア横広告とは、乗り降りドアの両サイドに掲出される広告です。

車内で最も乗客の密集率の高い場所で、目線の高さに設置されるため、注目率が非常に高いのが特徴です。
1週間からの掲出設定が可能なので、短期間での広告出稿を考えている場合に適しています。

B3サイズが基本ですが、1車両に2枚から4枚をセットにした複数面掲出が可能な電鉄もあります。

ドア上広告

ドア上広告とは乗り降りドアの上部、路線案内やインフォメーションのそばに位置する広告です。座っていても立っていても自然に乗客の視線を集めることができ、視認性に優れています。

1ヶ月からの中期での出稿が可能です。

電鉄により異なりますがJR東日本車両では、H 144 × W 1028 mmサイズが採用されています。
珍しい横長サイズをいかして、動きがありインパクトを与える広告が作成できます。

ステッカー

ステッカーは、電鉄によってさまざまな場所に掲出可能な広告です。
次にあげられるような場所に多く掲出されています。

  • ドアガラス
  • ドア横の戸袋
  • 車両連結する壁面のサイドステッカー
  • ドア上部のツインステッカー

1ヶ月からの中期で出稿が可能です。
サイズは以下の表をご覧ください。

ドアガラスステッカーH 165 × W 200 mm
戸袋ステッカー・サイドステッカーH 165 × W 200 mm
ツインステッカーM:H 60 × W 325 mm
L:H 90 × W 350 mm

小さいながらも他の広告と並列することがないので、視認性と独立した訴求力に優れています。

つり革広告

乗客の手元にあるつり革に掲出されるのが、つり革広告です。
つり革を包むように丸めて掲出されています。

電車1編成すべてのつり革に連なって掲出されるので、存在感・臨場感が格段に高く印象に残りやすいという特徴があります。

また、商品の形を模した広告やQRコードが付けられた広告など、ユニークでバラエティに富んだ掲出が可能な点も魅力です。

2週間から4週間単位の短期・中期での出稿が可能です。
JR山手線では、H 65 × W 146 mmのシートが採用されています。

車内ビジョン広告

車内ビジョン広告は、ドア・窓上に設置された液晶ディスプレイを使った映像広告です。
映像により伝えられる情報量が多いので、商品の認知向上や新商品の案内に向いています。

車内ビジョン広告は、15秒のCM枠を1週間から設定できる短期の広告です。
液晶のサイズはJR東日本だと、H 228 × W304 mmが採用されています。

広告貸切電車

広告貸切電車とは、1編成の車内すべての広告を貸切にする広告です。

圧倒的なインパクトと強いメッセージ性があるので、商品に対する理解浸透や販売促進効果、企業PRに向いています。

1編成×1週間単位での短期掲出が可能です。
車内の広告枠すべてを貸し切ることが基本ですが、電鉄によって中づり広告のみなど選択可能な場合があります。

電車外(車体)広告

電車外(車体)広告は、車外の側面や前面を広告スペースとして利用する広告です。

車内広告は、乗車時間による広告接触を狙い反復効果を得るのに対し、電車外(車体)広告はホームに待機する乗客への強いインパクトによる訴求力があります。

1編成×1週間単位での出稿が可能。
広告面積は、1側面あたり1/10以内(約5㎡)です。

電車広告の費用を紹介

電車広告の費用を一例として、紹介いたします。

車内広告路線費用※枚数・備考
中づり山手線2,170,000円 / 7日間800枚
まど上京浜東北線・根岸線1,400,000円 / 1ヶ月1,200枚
ドア横首都圏広域30,000,000円 / 7日間・A期40,000枚
ドア上首都圏3,500,000円 / 1ヶ月5,550枚
ステッカーJR首都圏全線9,000,000円 / 1ヶ月10,600枚
つり革山手線E235系1,300,000円 / 28日間1編成1,900枚
車内ビジョン山手線2,000,000円 / 7日間
広告貸切電車山手線15,000,000円 / 半月
車外広告
電車外(車体)山手線6,000,000円 / 14日間11両1編成

出典:電車広告.com

※税抜き
※JR東日本の場合
※情報は2021年度のものであり、広告費の改定などにより変更する場合があります

電車広告の費用は、乗降者数の数が多い路線ほど高額になるのが一般的です。
予算、乗客の年齢層や地域性を考慮して効果の高い広告を選びましょう。

電車広告のメリット

電車広告は注目度が高い広告ですが、他にはどんなメリットがあるのでしょうか。
電車広告のメリットについて確認してみましょう。

①多くの人に見てもらえる

株式会社ジェイアール東日本企画による「JEKI MEDIA DATA 2021」によると、JR山手線の1週間あたりの延べ利用者数は、1,581万人にのぼることがわかります。

電車広告を見るのが4割の乗客だと計算すると、一日あたり約90万人に見てもらえます。

この結果からわかるように、電車広告はとにかく多くの人の目に触れやすいことがメリットです。

②訴求効果が高い

電車広告は、通勤や通学で毎日電車に乗る人たちに繰り返し見てもらえます。
その結果、単純接触効果(繰り返し接すると好感度が上がる効果)により訴求力が高まるという点がメリットです。

③出稿する路線・駅を選べる

出稿する路線・駅をしぼることで、効率よく乗客にアプローチできます。
また、見込みがないエリアを外すことで広告費の削減につながり費用対効果の向上につながります。

電車広告のデメリット

電車広告の特性として、当然デメリットもあります。
どのような点がデメリットなのか、確認していきましょう。

①費用対効果が見えにくい

電車広告の場合、広告を見た人が実際に商品を購入したのかなど効果を測定することが難しいといわれています。
そのため、費用対効果の分析がしづらい点がデメリットです。

しかし広告にQRコードを入れるなど工夫することで、Webを通して効果測定ができる方法もあります。

電車広告にも流用できる効果測定の方法については以下の記事を参照ください。
>>費用対効果が高まる!折込チラシ効果測定の方法を徹底解説

②他社と差別化しにくい

電車広告は、同じサイズの広告が並べられているので差別化をはかりにくいのがデメリットです。

キャッチコピーやデザインなどで工夫をこらし、他社よりも興味を持ってもらえるかどうかが重要になります。

インパクトのあるチラシの作り方については以下の記事で解説しています。
>>売れるキャッチコピーでインパクトのあるチラシを作る3つの方法

電車広告をお得に出稿する方法

電車広告は、出稿する路線を選ぶことで費用対効果を上げられますが、他にもお得に出稿できる方法が3つあります。

どんな方法なのか見ていきましょう。

タイアップポスター

タイアップポスターとは、企業が提携して広告を出稿することを指します。

出典:交通広告:中吊り広告−株式会社エムズコーポレーション

下1/4程の場所に広告のスペースが設けられています。
このような方法で広告を出稿すると、費用がお得になります。

なぜかというと、通常の交通広告は収益を上げることが目的なのに対し、このタイアップポスターは名古屋市が広告の印刷料やデザイン費をまかなうことが目的となっているからです。

名古屋市と共同の広告なので、企業の信頼度が上がることも注目すべき点です。
その分、広告のスペースが小さく目立ちにくいので、デザインで工夫しましょう。

中づりフリースポット

中吊りフリースポットは、1回分の費用で1ヶ月の間に3〜4回分の期間に出稿できます。
なぜなら通常の中づり広告は出稿日が選べるのに対し、フリースポットの場合は選べないという条件があるためです。

例えば中づり7日間なら、3回分 = 21日間も1回分の費用で掲出できるということです。
通常の中づり広告と同等のサイズ・枚数で掲出できます。
ただし、募集枠が限られているので必ず出稿できるとは限りません。

掲出日の厳密な指定がない場合に向いている媒体です。

各種キャンペーン

各種キャンペーンを利用すると、通常時に比べてお得に広告を出稿できます。
例えば期間限定で費用が割引されていたり、掲出回数や期間が倍になったりしていることがあります。

掲出したい路線についてキャンペーン情報がないか、事前に調べておくとよいでしょう。

電車広告のポイントは掲出場所とお得な出稿方法

電車広告の費用対効果やメリット・デメリット、お得な出稿方法についてお伝えしました。
ポイントは以下の2つです。

  1. 掲出する場所によって効果や費用が異なる
  2. 時期によってはお得なキャンペーンがある

長期間掲出による刷り込み効果、インパクトによる訴求など目的にあった方法を選び、キャンペーン情報を調査することが、電車広告の費用対効果を上げるためには大切です。

ポイントを意識して、費用対効果に優れた電車広告を作成しましょう。

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