媒体社の役割とは?種類や広告代理店との違いを解説

「媒体社」という言葉をご存じでしょうか?

「媒体」は広告に関連していえば、広告をユーザーへ届けるための手段という意味で広く知られていますが、媒体社は聞きなれない方が多いと思います。

媒体社は広告業界において重要な存在であり、媒体社なくして広告の出稿はできません。

今回は媒体社とは何か、役割や種類などを解説します。
広告を出稿する広告主をはじめ、広告に関わる方は、媒体社について理解を深めておきましょう。

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媒体社とはどんなもの?

媒体社とは、広告を掲載する媒体を提供する会社のことをさします。

媒体社は大きく3分類されます。
まずは3分類の媒体社がどんなものか、確認しましょう。

広告媒体3分類の特徴についてはこちらの記事もご参照ください。
メディアとは?広告媒体3分類の特徴や活用方法を紹介

①マスメディア

1つめはマスメディアを提供する媒体社です。
マスメディアとは下記4つのこと。

  • 新聞
  • 雑誌
  • テレビ
  • ラジオ

マスメディアはどれも、幅広い層になじみのある媒体です。
マス(Mass)には大衆、集団といった意味があり、マスメディアは多くの人に影響を及ぼす力のあるメディアです。

マスメディアの特徴は一度に多くの人へ広告を届けられること。
提供する広告枠の価格設定は、フリーペーパーやWeb広告にくらべて高めです。
コストはかかりますが、多くの人に広告を見てもらえる機会がある媒体です。

マスメディアに分類される媒体社のうち、代表的なものは以下のとおり。

メディア分類媒体社名特徴
新聞社(全国紙)産経新聞社論調は保守的
読者層は50代~60代が多め
読売新聞社スポーツやエンターテイメント系も網羅しバランスの取れた内容
読者層は幅広い年代
毎日新聞社論調は民主主義や平和を尊重
読者層は主婦や60代が多め
朝日新聞社公正中立の立場をモットーとする
読者層は60代や管理職が多め
日本経済新聞社経済やビジネスに関する情報が多め
読者は50代~60代が多く年収も高め
スポーツ新聞日刊スポーツスポーツニッポンサンケイスポーツスポーツ報知など
各地方紙の新聞社北海道新聞東京新聞新潟日報神戸新聞愛媛新聞沖縄タイムズなど
雑誌集英社少年ジャンプやnon-no、Myojoなど幅広い層の読者を獲得している
講談社創業100年以上の老舗
少年マガジン、FRIDAY、ViViなど
小学館児童・学習誌にとどまらず、女性誌、情報誌なども出版
CanCam、美的、週刊ポストなど
KADOKAWA紙媒体からゲームや映画などへ展開するメディアミックス戦略が得意
ザ・テレビジョン、レタスクラブ、ダ・ヴィンチなど
文藝春秋政治や芸能ネタなどを扱う週刊文春で有名
他にはCREA、Number、オール読物など
新潮社週刊新潮、nicolaなど
テレビ局テレビ朝日報道ステーションを冠番組とし、報道やスポーツ中継が得意
フジテレビジョン国内初のアニメ放送をしたテレビ局
月9ドラマや、めざましテレビなど高視聴率を取る番組も多い
日本テレビ民法第1号のテレビ局
キユーピー3分クッキング、火曜サスペンス劇場などの長寿番組がある
TBSテレビ地域のネットワークを生かした報道が得意
ニュースからバラエティまで幅広く網羅
テレビ東京カンブリア宮殿やガイアの夜明けなど、経済やビジネス関連の番組が多め
一方でアニメも充実しており、ポケットモンスターは長く愛される人気番組
ラジオ局ニッポン放送深夜番組オールナイトニッポンが有名
TBSラジオリスナーの年齢層が高め
たまむすび、ラジオ寄席など
TOKYO-FM音楽だけでなく語りを届ける番組も得意
JET STREAM、村上RADIOなど
J-WAVE邦楽や洋楽、ワールドミュージックなどさまざまなジャンルにおける最新のヒット曲を流す
TOKIO HOT100、TOKYO MORNING RADIOなど

マスメディアに関してこちらの記事で詳しく解説しています。
マス広告とは?4つの媒体の特徴やオンライン広告との違い

②SPメディア

2つめは、セールスプロモーション(SP)メディアを提供する媒体社です。
SPメディアとは、特定のユーザーをねらった広告が出稿できるメディアのこと。
マスメディアとインターネットメディアにあてはまらないものがSPメディアに分類されます。

一般的にSPメディアはマスメディアよりも価格設定は低めで、コストを抑えた広告出稿が可能です。
また同じ媒体の種類でも、エリアやユーザーの属性に合わせてターゲットを絞り込みやすいのもメリットです。

SPメディアの例は以下のとおり。

媒体の種類広告内容
交通広告電車やバスの車体や駅構内に出稿する広告
通勤者や買い物客など駅によって人の層が違うため、ターゲットに合う広告が出稿できる
折り込みチラシエリアを指定して一度に大量に配布できる広告
地域に根付いた企業や団体の広告が効果的
フリーペーパー地域や読者の属性に合わせた広告を出稿できる
読み物として持ち帰って自宅に保管する人もおり、告に何度も目を通してもらいやすい
看板広告ビルの壁面や電柱などに出稿する広告
ビルのテナントや街の雰囲気に合わせた広告の出稿が可能
看板は大きくて目立つので社名をアピールしやすい
会員誌広告会員登録している読者へ届く会員誌に出稿する広告
ユーザーは特定の商品やサービスを目的に会員登録しているため、ターゲットを絞りやすい
ダイレクトメールはがきや封書などを直接届ける広告物
住所と宛名付きで個人宛に送るので、チラシよりも開封して目を通してもらいやすい
イベントプロモーションイベントを開催し、ターゲットに対面で商品のよさを伝える販促活動

チラシ広告についての詳細は、こちらの記事をご参照ください。
チラシで効果的な集客を得るには?事例もあわせて戦略を紹介

③インターネットメディア

3つめは、インターネット上で展開する広告枠を提供するインターネットメディア(媒体社)です。

Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンや、企業や団体のWebサイトなどの媒体を提供する媒体社をインターネットメディアといいます。

インターネットメディアの例は以下のとおり。

媒体社特徴
Yahoo!検索エンジンの機能の他に、ニュースサイトとしても人気
政治経済からエンターテイメントまで、さまざまな情報をまとめてチェックできるので、幅広いユーザーを獲得できる
Googleパソコンやスマホ、タブレットなどさまざまなデバイスで検索エンジンとして使われるため、広告を多くの人に見てもらいやすい
価格.comECサイトで販売されている商品の価格を比較できるサイト
価格を調べる=購買意欲のあるユーザーを獲得できる
ぐるなび日本全国の飲食店情報を掲載している
エリアや利用シーンなどからターゲットを絞り込みやすい
クックパッド日本最大級のレシピサイト
膨大なレシピ検索データからユーザーのニーズに合う広告が出稿できる
近年は女性だけでなく男性ユーザーも増加している
スマートニューススマホアプリのニュースメディア
若い世代のユーザーも多い
広告はニュース記事一覧に表示されることが多く記事になじんでクリックされやすい

インターネットメディアの数は、インターネットやスマートフォンの普及に合わせて、近年増え続けています。

媒体社と広告主の関係とは

媒体社は広告を出稿したい企業や団体へ広告枠を販売提供し、広告主は媒体社へ広告料を支払います。

媒体の提供方法ですが、媒体社が広告主へ直接販売する方法と、広告代理店やメディアレップが仲介者として間に入る方法があります。

媒体社と広告主をつなぐ広告代理店

無数にあふれる広告の媒体から、自社の商品やサービスに向いている媒体を探すのは労力を要しますね。

そこで広告代理店の出番です。
広告代理店が広告主に代わって、より利益が出やすい広告媒体を選定し、媒体社から広告枠を買い取り広告主へ販売します。

広告主のニーズに合う媒体社を選定してもらえるのが、広告代理店が間に入る理由です。

反対に媒体社の広告枠を、広告代理店が媒体社に代わって広告主へ販売することも。
つまり広告代理店は、広告主と媒体社、双方の業務を代理でおこなう橋渡しの役割を担っています。

媒体社と広告主をつなぐメディアレップ

メディアレップは、主にインターネット広告の仕入れ販売をおこなう広告一次代理店です。
Webメディアを保有する媒体社から仕入れた広告枠を、広告主へ販売します。

メディアレップはインターネットに特化した広告代理店と思われがちです。
しかし、なかには新聞や雑誌など紙媒体の広告を扱う企業もあります。

またメディアレップは広告の仕入れ販売だけではありません。
広告代理店に代わって、広告メディアの管理や運用をおこなうこともあります。

広告代理店とメディアレップの違い

広告代理店もメディアレップも、媒体社と広告主の取引を仲介する役目があることは同じです。

ただしメディアレップは、媒体社から仕入れた広告枠を広告主ではなく広告代理店へ販売することも。
広告枠の販売ルートが媒体社⇒メディアレップ⇒広告代理店⇒広告主の流れになります。

つまり、メディアレップにとって広告代理店は同業者であり、顧客でもあるといえるでしょう。

特徴を理解し商品に合う媒体社の選定を

媒体社の役割や種類について紹介しました。

商品やサービスの広告を出稿したい広告主へ、広告枠を提供するのが媒体社の役割です。
また、媒体社と広告主の間には、広告代理店やメディアレップといった仲介業者が入る取引も珍しくありません。

媒体社の理解を深め媒体ごとの特徴をとらえることで、より自社の商品やサービスを効率よく宣伝できる広告媒体を選定できるようになります。
今回紹介した内容を参考に、より利益が出やすい媒体社を選定し、広告の効果を高めていきましょう。

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