単品通販の事例を交えて成功するビジネスモデルを解説!

「単品通販で成功している事例を参考に事業を始めたい」

単品通販をスタートさせる前に、成功するためのポイントや具体的な事例について学ぶことは大切なことです。

単品通販は、他社との競合を避けて少コストで参入できるメリットがあります。
しかし、新規顧客の獲得には高度な戦略が不可欠なので、簡単に成功するビジネスモデルではありません。

この記事では単品通販の具体的な成功事例や、マーケティング指標である「LTV」と「CPA」についてわかりやすく解説します。

単品通販の成功ポイントを知りたい方はご一読ください。

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単品通販は初期投資が重要なビジネスモデル

単品通販ビジネスでは、新規顧客の獲得には特に初期投資が必要です。
なぜなら、オリジナル商品が多く商品の知名度が低いからです。

具体的な初期投資とは、商品を「モニター」として無料で試してもらったり、「初回限定キャンペーン」で安価に購入してもらったりという方法が多くとられます。

初回購入のハードルを下げて商品を知ってもらい定期購入につなげるためです。
また、「顧客リスト」の取得という目的もあります。

初回購入の時点では広告費や販売促進費が赤字になりますが、リピート購入を獲得して利益を確保する、という方法で成り立っているビジネスモデルです。

通販の場合、広告費は実店舗経営のビジネスでいう直接費にあたります。
店舗の運営にかかる家賃や人件費を広告費用にまわすことが可能です。

必要経費として、初期投資は適切におこないましょう。

通販に集客する方法については以下の記事をご参照ください。
関連記事>>オフラインで通販に集客する方法6選!効果を上げる方法も解説

単品通販に適した商材とは

単品通販には、消耗品かつ自社オリジナル商品が適しているといわれています。

単品通販はリピート購入で利益を確保するビジネスモデルのため、定期的に商品を購入してもらう必要があるからです。

また、自社でしか購入できないオリジナル商品という付加価値があることも重要です。

商材を選定する基準としては、1年に4〜5回は購入する可能性があることがあげられます。
具体的な商材については以下の表をご覧ください。

化粧品化粧水、美容液、乳液、クリームなど
食品野菜、お米、加工食品、お菓子など
健康食品栄養ドリンク、サプリメント、ダイエット食品、お茶など
日用品シャンプー、トリートメント、ボディソープ、歯磨き粉、洗剤など
文具コピー用紙、ノートなど
美容雑貨コスメボックス、下着など

単品通販の成功で重要な「LTV」と「CPA」

単品通販を成功に導くためには、マーケティング指標である「LTV」と「CPA」について知る必要があります。

指標を用いて広告やキャンペーンの成果を分析し、改善を繰り返すことで目標の達成に近づいていくためです。

広告の効果を上げる方法については以下の記事が参考になりますので、ご一読ください。
>>通販広告の効果をあげよう!成功のための重要ポイントを解説

「LTV」と「CPA」について理解し活用するためにわかりやすく解説します。

LTV(Life Time Value)

LTVは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の略で「顧客生涯価値」と訳されます。
ひとりの顧客から生涯にわたって得られる利益をさします。

LTVが重視されるようになったことには、市場の飽和が関係しています。

通販でものを買う人が増え市場に商品があふれている現在では、新規需要の獲得は容易ではありません。
新規顧客の獲得とともに、顧客との関係を維持することを重要視しましょう。

LTVは、自社にとって優良顧客かどうかを判断する重要な指標です。

CPA(Cost Per Action)

CPAは、Cost Per Actionの略で「顧客獲得単価」と訳されます。
顧客一人あたりにかかった広告費のことをさします。

CPAは、低ければ低いほど効率よく広告運営ができていることになり、企業の利益にも関わる重要な数値です。
費用対効果の判断や、広告の見直しをする際に活用しましょう。

CPAの計算法について例をあげて説明します。

(例)広告費100万円をかけて、50件の注文を獲得

100万円(広告費) ÷ 50件(注文件数) = 2万円(CPA)

例のような場合、CPAは2万円ということになります。

CPAとは、いい換えると初回購入の赤字額です。
できるだけ低く抑えることが望ましいですよね。

しかし、扱う商品の単価によって数百円から数万円と非常にばらつきのある数値です。

現在のCPAが適切であるかどうか、LTVを考慮して計算してみましょう。

LTVの計算方法とは?

LTVの計算方法は、何を重視して算出するかによって用いるデータが違うため、複数の計算式があります。

今回は、CPAを加味した最もシンプルでわかりやすい計算式を使って算出してみましょう。

LTV (顧客生涯価値)= (顧客単価)×(利益率)×(購買頻度)×(継続期間)ー(顧客獲得単価=CPA)

(例)単品通販での定期購入

顧客単価=1万円
利益率 =50%
購買頻度=月1回
継続期間=6ヶ月
CPA  =2万円

○ LTV売上: 1万円 × 0.5 × 1回 × 6ヶ月 = 3万円
○ LTV売上3万円 ー CPA2万円 = 1万円

値は全て平均値

例のような場合、LTV売上からCPA(顧客獲得単価)を引いても利益が出せているので、CPAは適切です。

他には解約率などを加味した計算方法もあります。
一定期間、商品やサービスの使用料金を支払うサブスクリプション型商材の場合に用いられることが多い計算方法です。

通販におけるLTVの改善方法と成功事例

マーケティング指標を使って算出したLTVが目標に届かない場合、どのような施策をすれば改善できるのでしょうか。

LTVの改善に必要なポイントは以下のようなものがあります。

  • メルマガやDMによる既存顧客への購入アプローチ継続
  • 商品価格のパターンや決済方法の拡大による買いやすさの追求
  • 顧客獲得・維持コストの削減

さまざまな戦略がありますが、自社の課題と向き合って必要な施策をおこなっていくことが大切です。

LTV改善の成功事例を見ていきましょう。

成功事例1:選びやすい商品開発と顧客拡大でLTV4倍!「FTC」

出典:FTCオンラインショップ

化粧品EC「FTC」を運営する(株)FTCは、新規獲得が3倍・LTVは4倍の向上に成功しました。

おこなった施策は主に次の3つがあげられます。

  1. トライアル商品の開発
  2. マンガを活用したストーリーブック制作
  3. 定期購入の制度を導入

FTCは元々新規顧客の伸び悩みと、顧客の構造に課題を感じていました。

しかし3つの施策により、顧客が興味を持つきっかけや買いやすさが向上し、目覚ましい成果をもたらしたということです。

顧客目線で考えられた施策が成功につながった事例です。

参考記事>>君島十和子の化粧品通販ブランドが新規3倍・LTV4倍になったワケ

成功事例2:決済手段の追加でLTV向上「さくらの森」

出典:さくらの森公式通販サイト

化粧品や健康食品を販売する通販EC「さくらの森」を運営しているさくらフォレスト(株)は、決済手段を追加することで、LTVとCVR(顧客転換率)が向上しました。

CVR(顧客転換率)とは、Conversion Rate(コンバージョンレート)の略で、Webサイトへのアクセスのうち、登録や購入などの成果につながった割合を示す数値です。

知名度や使いやすさにたけているAmazon Payを導入したことにより、他の決済手段と比較してLTVとCVRが向上しました。

また、顧客の支払い情報をAmazon Payが管理しているので、未入金や不正などのトラブルに巻き込まれにくいというメリットもあります。

参考記事>>CRMと決済拡充で顧客基盤を強化、さくらフォレストの新戦略とは?

成功事例3:クロスセル商品の開発と学術データで成果!「ニコリオ」

出典:ニコリオ公式オンラインショップ

健康食品や化粧品EC「NICORIO(ニコリオ)」を運営する(株)ニコリオは、クロスセル向け商品の開発を強化し、LTVの向上に成功しました。

商品の相性を研究して商品を開発し、既存商品と合わせて使うことで得られる効果を、学術データを示し納得してもらえたことがポイントです。

またシステムを刷新したことによって以下の点にも成果が見られているということです。

  • システム一元化による業務効率の劇的改善
  • レコメンド(おすすめ商品)機能の導入によるクロスセル率の向上

参考記事>>ニコリオが3年で売上を伸ばせたきっかけとは?‥LTV向上の勘所

単品通販は成長市場

2021年7月に発表された経済産業省の電子商取引に関する市場調査によると、国内の「消費者向け電子商取引」における市場規模は19.3兆円(前年比0.43%減)とほぼ横ばいです。

しかし、物販系分野の市場規模は2019年〜2020年にかけて大幅に拡大しています。


出典:電子商取引に関する市場調査(経済産業省)

単品通販の商材として多くを占める食品や化粧品においても、それぞれ前年比・EC化率ともに成長を続けているのがわかります。

これは、新型コロナウイルス感染症への対策として外出自粛が求められ通販の利用が促進されたことが一因です。

健康食品に関しても、機能性表示食品制度※の制定により機能性を表示できるようになったことが追い風になっていると考えられます。

市場の環境が変わっていく中で単品通販ビジネスモデルはいま、成長市場にあるといえるでしょう。

※機能性表示食品について

機能性表示食品制度とは、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。
特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行いませんので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります。

出典:機能性表示食品について−消費者庁

単品通販はマーケティング指標を明確に設定して成功させよう!

単品通販というビジネスモデルを成功させるには、マーケティング指標を理解し活用できるようになることが大切です。

LTVの改善については、成功事例を参考に以下のようなポイントを意識してみましょう。

  • メルマガやDMによる既存顧客への購入アプローチ継続
  • 商品価格のパターンや決済方法の拡大による買いやすさの追求
  • 顧客獲得・維持コストの削減

物販系分野の市場規模が拡大している環境で、他社との競合を避けて魅力あるオリジナル商品で単品通販を成功させましょう。

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