葬儀のチラシは保管してもらえるかがポイント!作成のコツを解説

「葬儀のチラシを目にしたら、不快に感じるのではないか」

このように悩む葬儀担当者は、多いのではないでしょうか。
不幸を待っているような印象を与えないか心配ですよね。

しかし、葬儀のチラシを読んで事前に知識を得たほうが、スムーズに葬儀をおこなうことができます。

この記事では、いざという時のために保管してもらえるチラシを作成するコツを解説します。

葬儀のチラシを作成する際の参考にご一読ください。

チラシを作る目的を理解する

チラシを作成する目的は、自社のサービスを広めコンタクトをとってもらうことにあります。

まずはチラシを使って、店名を認知してもらいましょう。

そこからネットで検索してもらいWebに集客したり、電話によるお問い合わせをうながしたりという流れを作るためにチラシは重要な役割を果たします。

現在ではオンライン広告の活用が多くなっていますが、チラシや広告から葬儀社に連絡をするパターンも数多くあります。

Funeral service workers academy, Inc.が関東1都6県・大阪府在住の方89人を対象におこなった葬儀を行う上で大変だったことランキングの2位は「身近に情報が少ない」でした。

下の表をご覧ください。

・「ネットで検索してみても欲しい情報が見つからない」(60代の方)
・「ネットで検索してみたけどわかりづらい」(50代の方)
・「新聞の広告欄とかチラシをみて葬儀社に連絡した」(70代の方)

引用:【葬儀を行う上で大変だったことランキング】-Funeral service workers academy, Inc.

ネットで検索しても情報が見つからない、チラシを頼りに葬儀社に連絡をしたという答えがあります。

店名を覚えてもらいファーストコンタクトをとってもらうという目的に対して、チラシは大変有効です。

葬儀のチラシ作成のコツ

チラシを作成する際に気をつけるべきことや、コツについて解説します。

状況により異なりますが、突然のことに驚きながら葬儀の準備を進めている場合もあります。

そのため、情報が入って来やすいよう全体的に落ち着いたデザイン、簡潔な内容でまとめると好まれやすいでしょう。

必要な情報をシンプルに配置する

チラシを見たときに最低限必要な情報がすぐに目に入るように、シンプルな作りを心がけましょう。

葬儀はただでさえしなければならないことが多く、準備が大変だからです。

  1. キャッチコピー
  2. サービス紹介
  3. 詳細情報

の順に上から配置していくと、チラシを見るときの視線の流れ(アイフロー)に沿って見やすい作りになります。

扱うサービスが葬儀なので、凝ったデザインやポップな色合いのものは避けたほうが無難。

できるだけごちゃごちゃした作りにならないように心がけてみましょう。

参考:葬儀会社プラン案内A4チラシデザイン事例片面カラー-チラサク

上のチラシ見本のような作りが、わかりやすく落ち着いていて好印象です。

一例ではありますが参考にするとよいでしょう。

デザインについて以下の記事でも解説していますので、参考にご覧ください。

(参考:フリーペーパーに広告を載せたい人必見!みられるデザインとは

色を統一する

チラシ、Web、看板などの色は統一したほうが記憶に残りやすくなります。
企業の名前と色をセットで記憶していることが多いためです。

例としてよく知られている企業と色の関係を下の表にまとめました。

コーポレートカラー
ニトリ
ローソン
コカ・コーラ

企業の象徴とされる色である「コーポレートカラー」に合わせることを意識して、チラシのテーマカラーを決めましょう。

色が人々の心理に落ち着きや安らぎ、逆に興奮や緊張をもたらすということは研究でもわかっています。

参考:カラー映像によるストレス緩和効果の研究

葬儀社の看板やチラシでよく使われる色の効果を表にまとめています。

癒やし。安心。心を落ち着かせる。
青・水色誠実・真面目。自然体。
うす紫神秘的。高貴。悲しみから立ち上がる。
浄化。神聖。リセット。気持ちをひきしめる。
茶色落ち着き。包容力。気持ちを安定させる。

比べて見れば、落ち着き・安定・癒やしなど効果に共通点のある色が使われているのがわかります。

チラシにおいてもこれらの色の効果を無視せずに取り入れていきましょう。

チラシを保管してもらう方法

葬儀のチラシは保管してもらうことを念頭におかなければなりません。

事前準備をする人もいますが、多くはチラシを受け取ったときではなく不幸があったときに必要になるからです。

いざという時のために保管してもらうためには、次のような方法があります。

  • 万一に備えて保存してくださいという一文を書き添える
  • 葬儀のときに役立つ情報が記載されている
  • チラシ持参で割引や特典が受けられる
  • 葬儀チラシは丈夫で保管しやすい材質を選ぶ

葬儀のマナーや喪主の挨拶例文など役立つ情報を載せておくと、必要になったときに見ようと思ってもらえます。

また、チラシを事前相談会に持参することで特典があるというのも効果的です。

場合によっては長期間保管することもあるので、チラシの材質は破れにくい丈夫なものにしましょう。

載せたい情報が多い場合はリーフレットやパンフレットという選択肢もあります。

リーフレット・チラシの特徴については、以下の記事をご参照ください。
リーフレットやチラシの特徴を解説!カタチや用途の違いとは?

葬儀チラシに必要な情報

ここからは、チラシに載せるべき情報について一部アンケートの結果を参考に説明します。

①事前準備の必要性

葬儀は誰にとっても無関係ではなく、念のために準備しておく必要があります。

事前の準備や知識がないと、そのときになって慌ててしまうからです。

Funeral service workers academy, Inc.の葬儀を執り行う際に大変だと感じた経験がありますか?というアンケートに96%の人が”はい”と答えています。

「お葬式までに準備するものや遺族が行うこと、書類手続きのこと、式当日の全体的な流れなどを、急な出来事の中であらかじめ把握しておくことが難しかった。」

引用:葬儀を行う上で大変だったこと-Funeral service workers academy, Inc.

具体的な回答内容としては、葬儀前後の段取りがわからず困った、というもの。

大変だと感じたことがないと答えた人については、次のように回答しています。

「事前に故人が葬儀社に相談して詳細を決めていた」「何度か経験があり葬儀に詳しい親戚の人に細かく教えてもらった」「自身が以前葬儀関係の仕事をしていた」との回答でした。

引用:葬儀を行う上で大変だったこと-Funeral service workers academy, Inc.

事前に知識や経験がなかった人は、準備や手続きの要領がわからす困ることが多いようです。
経験があったり葬儀関係者だったりした人は、スムーズに葬儀をおこなうことができたと答えています。

チラシを作成する際は、葬儀をするまでの準備や葬儀当日の作業、煩雑な手続きなどがあるということを注意喚起として記載しておくとよいでしょう。

また、事前相談会を設けている場合はその情報についても記載しましょう。

②多様化する葬儀の種類・メリット・デメリットの説明

葬儀社が取り扱う葬儀の種類は、細かく分けると10種類以上もあります。

全てを記載してしまうとそれだけでチラシのスペースを占領してしまうので、最近の傾向として多いものにしぼりましょう。

株式会社鎌倉新書の「第4回 お葬式に関する全国調査」では、直近2年半以内におこなった葬儀の種類についての回答があります。

引用:【速報!】第4回お葬式に関する全国調査(2020年)-ソーシャルワイヤー株式会社

多いものから次のような種類があげられています。

  1. 一般葬
  2. 家族葬
  3. 一日葬
  4. 直葬・火葬式

それぞれ下の表にメリット・デメリットをまとめました。

メリットデメリット
一般葬
  • 地域の慣習や大切に、故人と親交のあった多くの人たちと偲ぶことができる。
  • 参列者の対応に追われる
  • 参列者が多くなり料金が高額になりやすい。
家族葬
  • ごく親しい人たちとゆっくり過ごせる
  • 喪主や親族の負担が軽く、料金が比較的安い
  • 限られた人しか呼ぶことができない
一日葬
  • 通夜をおこなわないので経済的・体力的負担が少ない
  • 菩提寺の場合対応してもらえるか確認が必要
  • 日程によっては葬儀に参列できない人がいる可能性がある
直葬・火葬式
  • 費用が大幅に抑えられる
  • 親族の負担が軽い
  • 別れの時間が短いため、後悔することがある

メリットのみでなくデメリットも記載しておくと、利用者が検討する際に参考になります。

③簡単なプラン説明と料金

葬儀を行う上で大変だったことランキングでも1位となっている葬儀費用について、概算であっても記載しましょう。

チラシには簡単にプラン内容の説明と料金を載せておくほうが、見積もりを依頼する際の手がかりとなるからです。

概算料金のないチラシとあるチラシなら、先に連絡をしようと思うのは後者ではないでしょうか。

もちろん概算なので、実際の費用が異なることもあると注意をうながすべきですが、参考にはなるはずです。

④利用者の声

利用者の声は、葬儀場を選ぶための有力な判断材料になります。

葬儀場を利用することはそうそうない人がほとんどですよね。

しかも高額なので、葬儀場の情報を探している人は実際に利用した人に話を聞いて、悔いが残ることのないようにしたいと考えているからです。

これは葬儀に限らずいえることで、高額な買い物をするときも同じです。
利用者の安心感につながりますので、ぜひ利用者の声を載せるスペースを設けましょう。

⑤アクセス

葬儀場までのアクセス情報をわかりやすく記載しましょう。
簡単な地図と、公共の交通機関を利用する際の路線・駅名の記載は基本です。

住所のみの表記では、電話で説明されてもわかりづらく現地で迷ってしまう可能性もあるためです

他にも下記のような情報があるとわかりやすくなります。

  • 国道○号線沿い
  • ○○駅から徒歩or車で3分
  • 駐車場完備

葬儀に備えて保管してもらえるチラシ作成を目指そう

保管してもらえる葬儀のチラシを作成するコツ、チラシに載せるべき情報について解説しました。

葬儀のチラシは縁起の悪いものではなく、葬儀で困ることをなくすために必要なものです。
このことを理解してもらうためにも、チラシを作成する際には以下のことに気をつけましょう。

  • 必要な情報をシンプルに配置する
  • 色を統一する
  • チラシを保管してもらう方法

チラシの内容については、以下の内容を網羅することが望ましいです。

  • 事前準備の必要性
  • 葬儀の種類とメリット・デメリット
  • 簡単なプラン説明と料金
  • 利用者の声
  • アクセス

葬儀のチラシ作成を検討している葬儀担当者の方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。